INFORMATION 2000年1月号

目 次


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年頭所感
確定申告の準備をしましょう!
情 報
シリーズビッグバン

年 頭 所 感

上 野 茂 樹

 新年おめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
 おかげさまでInformationも、毎月七千数百名の皆様に読んで戴けるようになった。重ねて御礼申し上げる次第である。年明けは、穏やかな天候に恵まれた。この一年大過無く過ごせたらなあ、と思われたことと思う。昨年暮れ、ぺイオフの1年延期が政府より発表された。また、問題の先送りかなと考え込んでいたところ、都銀及び地銀への公的資金の注入は、2001年3月までと、新年早々の新聞発表があった。
 そうか、そうだったのか、と信金、信組の処理の遅れに得心したものの、やはり不可解。両者は、貸し出し制限があり、バブル崩壊の痛手は軽微であると聞いている。ただ、景気の長期低迷で、顧客である中小企業の倒産が増えていることから、その影響を直接受けて苦しいということだろうか。県内2信金に限っていえば、自己資本比率10%超と都銀、地銀より抜きんでている。とにかく早い決着こそが、特効薬になる筈だ。
 巷では、不況型犯罪が増えている。だが、新年の互例会では楽観論とでもいうべき明るい話題が飛び交っている。景気のよい花火ほど、後が虚しい。現状からの打開策は、情報・通信を筆頭に景気の先導役である新規事業の分野が、日本経済をどの程度引っ張れるかだ。それと、原油、郵貯のインフレ要因が、何時デフレを吹き飛ばすかにかかっている。いずれにせよ、株価が、その時を告げてくれるだろう。
 ところで、皆様に注目して戴きたいことがある。「会計の大改革が始まっていること」である。金融ビッグバンが脚光を浴びる中で、会計の大改革(会計ビッグバン)は、案外忘れられた存在である。経営者からみれば経理部門の仕事と簡単に片付けたいところだが、ちょっと待ってほしい。軽く考えていると、現状認識を誤り、墓穴を掘ることになる。
 日本の制度会計は、商法、証券取引法、税法によって成り立っている。ご存じのように、商法は、債権者保護・配当可能利益の計算。証取法は、投資家のための情報提供。法人税法は、課税の公正。をそれぞれ目的にしている。目的を達成するためには、三者三様の決算書が必要である。ところが、直接利害の絡む税法が、確定決算主義を採っているため、どうしても税法主導の感が否めなかった。
 金融ビッグバンは、国境を越えての資金移動つまり投資の自由化である。これに応える会計システムは、投資家の求める情報の提供である。しかし、日本の証取法が採用する財務諸表規則は、その条件を満たしていない。そこで国際会計基準(IAS)の導入が求められることになる。簡単に言えば、国際的な企業間比較ができる会計基準の採用である。大きな特徴は、現在の取得原価主義に対し時価主義を導入することである。
 当初、日本では、バブル崩壊後の土地、株価の下落から、時価会計を採用すると企業利益が無くなることを恐れ、IAS導入を拒んできた。しかし、大蔵省もメンバーである証券監督者国際機構(IOSCO)が、国際会計基準委員会の活動を支援することになったことから雰囲気が一変。IASを受け入れ、連結財務諸表、連結キャッシュ・フロー計算書、税効果会計等が、平成11年4月1日以降段階的に上場企業に導入され始めた。
 なんだ、証取法に関係のある上場企業の話ではないか、と片づけられては困る。中小企業にだって影響がある。1.親会社、関係会社から新会計基準の導入を要請される場合。2.金融機関から税効果会計適用の決算書、キャッシュ・フロー計算書の作成を要請される場合。3.取引先からキャッシュ・フロー計算書の提示を要求される場合。4.親会社、関係会社から連結グループとしての会計方針の統一を要請される場合。等である。
 また、税効果会計、退職年金会計基準、研究開発費会計基準、金融商品会計基準は、商法に関わる問題である。株式の公開・非公開に関わらず全ての企業が対象になる。なかでも中小企業が注目すべきは、資金調達の問題である。規制緩和も絡み銀行だけではなくナスダックのような店頭市場も含め、様々な資金調達ルートが現れ、バーも下がってくると予想される。その全ては、投資家のための情報が提供出来るか否かにかかっている。
 備えあれば憂いなし、我々も動向を見ながらIASを段階的に導入し、世の評価に耐えうる程度のものにしていきたいと考えている。「そんなこと言ったって、日本には日本のやり方があるんだから」というような情緒的な反論は、平にご容赦願いたい。今年一年で、ほとんどのことの決着がつく筈である。龍のようにかっと目を見開いて気合いで乗り切りたい。


功刀 智明

新年明けましておめでとうございます。いよいよ2000年の幕開けです。今までの常識が全て否定され、「何でも適度に出来る会社」とは言い換えれば「何の特徴も無い会社」、つまりは生き残れない会社というレッテルを貼られる時代です。今や当たり前の事かもしれませんが「貴社の売り物はなんですか?」の質問に「このことなら、この商品ならどこにも負けない自信があります。」と全社員が即答出来るものがいくつあるかが強い会社の証です。そんな会社がこれから生き残る会社です。後漢書の中に「疾風に勁草を知る」という言葉がありますが、厳しい状況におかれてこそ本当の強さがわかります。今年は今までなかった様な強風が各社を襲うでしょう。本当に強い会社しか残らない、いや残れない時代です。それは私どもも同じです。どうやって「どこにも負けないもの」を増やしてゆくか日々挑戦を続けています。どうなりたいか思い描くことが出来れば必ず実現出来ると私は信じています。何をやりたくて、どういう自分になりたくて今の仕事を始めたのか、あらためて原点を見つめ直して、この変革の時代を皆様と一緒に乗り越えてゆく所存です。本年も宜しくお願いいたします。


輿石 和利

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
 本年年明けのコンピュータ2000年問題も公共機関等ライフラインには致命的な影響を及ぼすことなく過ぎました。皆様の所ではどうでしたでしょうか。
 さて、本年は電子商取引が日本でも本格稼動し始める年になると思われます。電子商取引は、これからの商取引、売買方法の一つとして一般家庭にまで浸透していくでしょう。全てが電子商取引になるのではなく、今までの何割かが電子商取引にシフトしていくと思われます。このことは商売をする上で不可欠な決済手段の1つになっていくと思われます。
 今年もコンピュータ利用が不可欠となっていく社会状況に対し、いち早く情報の提供をしてゆけるようサポートさせていただきます。


上野 美恵子

昨年は、大変お世話になり心より感謝申し上げます。新年を迎え、気持ちを新たにし、毎日を大切に送って参りたいと思います。本年も宜しくお願い申し上げます。


乙黒 智子

今年は元日が大安からはじまり、見事な初日の出も見ることが出来ました。このスタート同様に、皆様にとって良い一年であることをお祈り申し上げます。


乙黒 謙一

待望の男児が誕生し、様々な面で責任の重さを感じております。私自身も生まれ変わるつもりでがんばります。本年も宜しくお願い申し上げます。


井上 千枝美

2000年は私にとって新しい人生のスタートとなります。仕事でもプライベートでも笑顔を忘れず頑張ります。本年も宜しくお願い申し上げます。


野呂瀬 崇

今日本は冬の時代かも知れませんが、冬には冬の生き方や、冬にしか出来ない事があるのではないでしょうか。「冬来たりなば、春遠からじ」


中村 真理

今までの概念にとらわれず、新しいことを受け入れる柔軟な心を持ちながら 2000年を過ごしたいと思います。本年も宜しくお願い申し上げます。


山本 大吾

2000年という新しい時代の幕開けです。自分自身の気持ちも「初心」に戻り頑張っていきます。本年も宜しくお願い申し上げます。


大森 和美

明けましておめでとうございます。基本に忠実に、この激動の時代を皆様と一緒に乗り切っていけるよう頑張ります。今年も宜しくお願い申し上げます。


田原 俊幸

明けましておめでとうございます。今年は今まで以上に厳しい経済環境が待ち構えています。皆様をサポート出来る様、常に努力していきますので、宜しくお願い申し上げます。


山本 和也

2000年を迎え、気持ちも新たに勉強・仕事に頑張っていきたいと思います。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


秋山 涼子

明けましておめでとうございます。今年は仕事をより速く正確に行えるようにがんばります。本年も宜しくお願い申し上げます。


長塚 きみ子

明けましておめでとうございます。体に気をつけて一年を過ごしたいと思っております。今年も宜しくお願い申し上げます。


小澤 信子

明けましておめでとうございます。健康に気をつけてがんばりたいと思います。今年も宜しくお願い申し上げます。

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確定申告の準備をしましょう!

 新年を迎えいよいよ確定申告の時期となりました。事業を営んでいる方や2箇所以上から給与をもらっている方、年間給与が2,000万円を超える方、不動産収入のあった方などは確定申告をしなければなりません。また、高額な医療費を支払った方等は確定申告することによって税金が戻る場合があります。今回は確定申告を行う為に必要な書類をチェックリスト形式で説明します。

       【準備しておく書類などのチェックリスト】       1)事業を営んでいる方                        @12月31日現在の棚卸表・・・・・・・・・・・・・・・・・・□  A預貯金・借入金の12月31日現在の残高証明書・・・・・・・・□  B補助元帳・領収書・請求書の整理・・・・・・・・・・・・・・・□  C平成11年分の収入や経費となるもので「未収」や「未払」となるもの    の確認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□  D平成11年分確定申告書・決算書等・・・・・・・・・・・・・・□ 2)貸家・アパート・駐車場等を経営している方             @家賃・地代等収入の明細書・・・・・・・・・・・・・・・・・・□  A名寄帳、固定資産税の領収書・・・・・・・・・・・・・・・・・□  B火災保険の領収書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□  C修繕費、その他の経費の領収書・・・・・・・・・・・・・・・・□  D借入返済の明細書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□  E平成11年分確定申告書・決算書等・・・・・・・・・・・・・・□ 3)給与所得者で確定申告の対象となる方                @給与所得の源泉徴収票・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□ 4)公的年金等を受給されている方                   @公的年金等の源泉徴収票・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□ 5)土地・家屋等の不動産を売却した方                 @買入時の売買契約書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□  A売却時の売買契約書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□  B買入時の登記費用等の領収書・・・・・・・・・・・・・・・・・□  C売却時の登記費用等の領収書・・・・・・・・・・・・・・・・・□  D仲介手数料等、経費の領収書・・・・・・・・・・・・・・・・・□ 6)配当所得のあった方                        @配当等の支払調書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□  Aその株式等を取得する為に要した負債の利子がある場合にはその計    算書。ただし、源泉分離課税を選択されている銘柄については確定    申告の必要はありません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・□ 7)所得控除等関係書類                        @生命保険料・損害保険料控除の証明書・・・・・・・・・・・・・□  A国民年金領収書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□  B国民健康保険領収書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・□  C小規模企業共済掛金払込証明書・・・・・・・・・・・・・・・・□

8)その他確定申告をすれば税金が戻る人
年末調整によって既に所得税額が確定された方でも、次のような場合は確定申告をすることにより、税金の還付が受けられる場合があります。対象になると思われる方は、当事務所まで御相談下さい。
@医療費控除
1年間に支払った医療費の合計が10万円を超える方。(その年の総所得が200万円以下の人はその5%を超える方。)
A寄付金控除
国や地方公共団体、公益法人などに寄付をした方。
B住宅取得等特別控除 
金融機関等から借入をして住宅を取得して居住した方や増改築をした方。
C雑損控除
住宅や家財などに火災などの災害、盗難、横領による損害を受けた方。

9)平成11年確定申告時の注意点
 最高税率の引き下げや、年少扶養親族(16歳未満)の創設などの改正は既に99年11月号で掲載済みですのでご承知のことと思われますが、特にうっかりしがちなのが、昨年配布された地域振興券です。これは一時所得として所得税の課税対象となります。一時所得は50万円の特別控除の枠がありますので地域振興券だけで一時所得が課税される方はいないと思われますが、他にも一時所得(保険の解約・満期など)がある場合には合算されますのでくれぐれも注意が必要です。

(担当:田原・山本和也・秋山)

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情  報

 昨年の12月16日に自民党税制調査会が、平成12年度税制改正大綱を発表しました。大幅減税を実施した平成11年度の改正に比べると、来年度は既存制度の期間延長など小幅な改正にとどまりそうです。

 ある日の監査で、平成12年度税制改正が企業経営に及ぼす影響について次のような会話がありました。ちょっと聞いてみましょう。

 社=関与先社長
 監=当社監査担当者

監:「社長、12月まではほぼ予算を達成しています。このまま予算達成    を第一目標として、5月の決算を目指してがんばりましょう。」 社:「最低でも黒字を確保して内部留保を増やさないとね。ところで、今    年の12月にパソコンのリースが終わるだろ。ちょっと気が早いけ    ど3月までに新しいパソコンを買ってしまおうと思うのだけど、ど    うかな?」                          監:「それはもしかして以前お話ししたパソコン減税(インフォメーショ    ン平成11年8月・9月号参照)が使える3月までに購入しようと    いうお考えですね。」                     社:「確か3月までに購入して使い始めないとだめだったね。」     監:「そうですが、昨年暮れに発表された自民税調の税制改正大綱によれ    ば、パソコン減税の適用期間は平成13年3月まで延長される見込    みですから、慌てて決めなくても良いかもしれませんよ。」    社:「えっ本当!!それならリース期間が終わる12月まで待ってもいい    かな。」                           監:「そうですね。4月に導入予定のPX2を稼働させてもパソコンの容    量は十分ですので、他に導入したいソフトがなければ機能的には心    配ありません。」                       社:「いやー危うく無駄な投資をしてしまうところだったよ。」     監:「今年の11月には、新規にパソコンを買うのか再リースにするのか    、また購入の場合はどのような経理処理が有利なのか、業績を見な    がら再検討しましょう。それと中小企業投資促進税制(注)の適用    期間が平成13年5月末まで延長される点にも要注意ですよ。」  社:「当社に関係あるのかな?」                   監:「はい。先月社長はトラックの調子が悪いとおっしゃっていましたが    、中小企業投資促進税制の対象には総重量が3.5d以上のトラッ    クが含まれています。」                    社:「それじゃ早速来期の予算にはパソコンとトラックの購入を盛り込ん    でおこう。」                         監:「社長、その前に今期の下期をどう乗り切るかが先決ですよ。」   社:「そうだったな、ははは・・・。」                監:「大綱の内容は、今後の国会で審議されてから正式に決定しますので    若干の修正があるかもしれませんが、変化があるようでしたらすぐ    にお知らせします。」                    
(注)中小企業投資促進税制とは・・・
 230万円以上の機械や100万円以上の器具・備品をなどを購入した場合に、一定の要件のもとでその取得価額の7%の税額控除もしくは、その取得価格の30%の特別償却を行うことができる制度です。詳しくは担当者まで。

 景気刺激策として、企業の設備投資には様々な特典が設けられていますが、その内容は複雑でしかも頻繁に改正されています。設備投資(リースも含む)の際は担当者にご相談下さい。あらかじめ最も有利な処理方法等を検討し、ご提案させていただきます。
また、15年間の減税が続く新住宅ローン控除制度(平成11年3月号参照)についても入居要件が「平成12年12月末まで」から「平成13年6月末まで」に半年延長される見込みです。そうなれば平成13年7月以後の入居からは旧制度の6年間の減税しか受けられないことになります。 これらの景気刺激策を営業戦略に結びつける工夫をしてみてはいかがでしょうか。

(担当:乙黒謙一)

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シリーズビッグバン

定期借家権創設
 不動産流動化の切り札になると期待されている定期借家権が創設にこぎつけました。施行は2000年3月1日からです。これに伴い、「借りたものは返す」というごく当たり前の考えに立ち、貸主と借主は対等な関係で、期限を決め、契約することになります。

借地借家法改正の経緯
 土地や建物を賃貸借するときは、借地借家法の適用を受けます。借地借家法はもともと「あなたの家族の住まいは、今後も国が責任をもって面倒をみるから、安心して戦地へ行って下さい」として作られた戦時立法です。この法律は、借主の権利保護の立場に立っているため土地や建物を貸した場合には、貸主よりも借地人・借家人の権利が強く、契約による賃貸期間が終了しても貸主側からの解約が強く制限されています。その為、都市部では借地権・借家権が堂々と売買されており、貸主が土地や建物を取り戻すために、受取った賃貸料をはるかに上回るような高額な立ち退き料を要求されるケースも枚挙にいとまありません。それならば多額の固定資産税を払い続けても空地のままにしておくほうがましと考える地主・家主も多く、優良な借地及び借家の供給阻害の要因となっていました。
 そこでまず土地については、平成3年の借地借家法改正で定期借地権が創設され、一定の要件を満たした賃貸契約の場合は賃貸期間終了時には無条件で土地の返還を受けることが可能となりました。しかし、建物については、相変わらず借主が退去の意思表示をしない限り簡単には戻ってこないという状況でした。しかし、今回定期借家権が創設され、建物についても一定の期間を区切って賃貸する事ができるようになりました。

定期借家権の内容
 現行法では貸主側に「正当な事由」がないと借主に退去してもらうことが出来ず、この貸主側の「正当な事由」について判例ではそのほとんどが認められていません。今回創設された定期借家権では、当初契約で定めた期間が満了すると自動的に賃貸借契約が終了する仕組みになっており「正当事由」は必要ありません。また、契約期間満了時の立退き料は当然必要なく、契約期間中の賃料は一定で、200u未満の住宅でやむを得ない事情がある場合を除き、中途解約も認められません。契約方法は、「定期借家」である旨を明記した公正証書などの書面によって締結し、更に契約書とは別に賃借人に対して、契約の更新がなく期間満了によって契約が終了することを書面で交付して説明しなければならないことになっています。契約期間は1年未満であっても20年以上であっても問題ありません。また貸主と借主の両当事者が契約の更新を望む場合には再契約をすることも可能です。ただし、定期借家権は施行が2000年の3月1日のため、それ以降の契約でなければ無効となり、既存の賃貸借関係には一切適用がありません。また、既存の賃貸借契約を当事者の合意によって一旦終了させて、同一の建物を目的として引き続き新たに定期借家権契約を結ぶことは当分の間禁止されています。

定期借家権の与える影響
 終身雇用制度が崩れ、誰もが将来設計に不安をもっている現在。数十年という住宅ローンに縛られながらリストラによる、転職・転勤・出向等で単身赴任を続けているサラリーマンの現状を考えると、「持ち家」よりも結婚、出産、進学等のライフスタイルに合わせた賃貸住宅の需要は更に高まるものと考えられます。定期借家権について国では、2000年3月の施行から4年間位を目途に必要な措置を整備していくとしています。この定期借家権創設により今後の賃貸住宅市場には次のような影響が予想されます。

@契約期間・賃料が決まっているので採算性が明確になり、今まで不足していたファミリー向け等の比較的広い良質な借家が供給される。
A老夫婦又は一人暮らしの高齢者等が所有する一戸建ての持ち家を貸して、その家賃の一部で安価なシニア住宅に入居する等により、老後の暮らしをより豊かにするとともに、戸建て持ち家の賃貸化が促進される。
B現行の借家法のもとでは、家賃決定にあたって空室期間や退去時の立退 き料等のリスク分が当然上乗せされている。従って、定期借家権契約になればその分家賃水準は低く押さえられることになり、全体的な家賃水準が低下する。

(担当:大森・井上)

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