INFORMATION 2000年3月号

目 次


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雑 感
シリーズ ビッグバン
社長のためのFX2活用講座
シリーズ 『社長になろうと思ったとき!』
シリーズ パソコン最前線

雑 感

上 野 茂 樹

<なぜ倒産が多いか>


 簡単にいえば、景気が回復基調にあるからである。企業経営を、今流行のキャッシュフロ−(お金の流れ)で捉えてみる。景気衰退期は、売上が減少すると、それに連動して支払いも減るから、資金的に余裕が生まれる。ところが現実は違う。売上が減ると、資金繰りが苦しくなる。それは支払いに問題があるからだ。
 仕入の支払いは、売上に連動して下がるが、月々掛かる固定経費の支払いは、急には下がらない。なかでも給料は、最大の固定費であるが、人員整理を伴うので、おいそれと減額できない。それ故、固定費を賄う売上は、死守しなければならない。その売上を割ったら、人減らしをしないと、資金は詰まってしまう。
 ところで、景気回復期は、良いこと尽くめの筈である。固定費は、そのままで、売上が伸びる。売上に比例して、仕入も増える。売上の回収と仕入の支払いが同じサイトなら、比例経費が増えても資金は回る。ところが世の中、思い通りに事が運ばない。仕入先は、慎重であるから、支払いのサイトは短く設定される。
 つまり、回収まで3ヶ月、支払いは2ヶ月とすると、1ヶ月分の資金不足が生じる。かように売上増大期は、運転資金の需要が高くなる。ところが、長引く低迷で借金が嵩んでいるから、銀行貸付も限界だ。そこで資金に詰まりあえなく倒産。これが、景気上昇期の悲劇である。資金の準備、怠りなく。

<NASDAQ>


 第2回ナスダック・ジャパン クラブの説明会に参加した。6月、大阪証券取引所にナスダック・ジャパンの市場が開設される。今回は、その説明と上場基準の中間報告が行われた。2月15日現在で会員数は、4,306社だという。市場構想が発表されたのが、昨年6月だから、ものすごい勢いで伸ばしている。
 規制緩和の、「フリー、フェアー、グローバル」から始まったこの構想も、現実のものになりつつある。ちょうど、3月10日の「事業計画発表会」の案内が、E-mailで届いたところだ。ナスダック・ジャパンの神髄は、ここにあると思う。この発表会には、ベンチャーキャピタル、コンサルタント、投資家等が集まる。
 将来性ありと見込まれた企業は、発表会で、資金と人材とノウハウを持ったプロ集団との「出会」のチャンスを与えられる。「いける」と判断された企業は、プロ集団の支援を受け、ナスダックへの上場を目指す。夢が現実になる瞬間である。起業家が、長い間待ち望んでいたチャンスがやってきた。
 今まで彼らは、銀行から資金を借り出そうと思っても、「実績がない」と断られて終わりであった。間接金融という仕組み上、当然、予定される答えである。銀行を恨むのも筋違いだ。しかし、孫さんのお話にもあったが、10社中、1社の成功に賭ける投資家がいればこそ、資本主義経済は新陳代謝が出来る。
 現在、ナスダック・アメックス、6月にナスダック・ジャパン、そしてナスダック・ヨ−ロッパの立ち上げも予定されている。3極を結んだ24時間体制の市場ができあがる。我が中小企業もチャンス到来、とんでもないことが起こっている。これは「改革」なんかじゃない、「革命」だ。思わず武者震い。

<確定申告を終えて>


 暖かな陽気に誘われて、久しぶりに庭にでてみた。紅梅と白梅が見頃である。寒い時期の散歩は、控えているので、実に新鮮である。この時期は、事務所に待機して、決算書と申告書のチェック、承認、署名に追われている。事務所と自宅の往復で気がつかなかったが、春はもうそこまで来ていた。
 今年も、約170通の申告書を作成した。15年間ほぼ一定だ。数を増やさないため、結構努力しているのである。簡単なものは、出来る限り自分で申告するようお願いするし、飛び込みも、お断りしている。それは、巡回監査優先を貫いてきたからである。とは言え、お客様の紹介があれば、むげに断れない。
 それらの殆どは、せっぱ詰まった事案であった。事を運ぶ前に相談があれば、簡単に片づく問題である。ところが、世相を反映して手数料を倹約したのか、簡単に考えたのか、自分勝手な思いこみで、最悪の結果を招いてしまっている。高い授業料を払うことになって、悔しがること、悔しがること。転ばぬ先の杖とは、よくいったものだ。
 我々は、相次ぐ改正に対応するため、莫大な時間を割いている。にわか勉強で、会計、商法、税法の絡みをマスタ−するのは容易ではない。能力に自信のある者が、この愚を犯し易い。私なら、専門外のことは、たとえ自信はあっても、その道の専門家の助言を求める。思い上がりは、失敗の元と自覚しているからだ。

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シリーズ ビッグバン


〜いったいどうなる外形標準課税〜


石原都知事が発表した外形標準課税が、都内の大手銀行に導入されることになりました。賛否両論はありながらも、根回し一切なしのこの発表に、政治家はびっくり、官僚は腰が抜けるほど驚いたことでしょう。そこで今月は今話題の「外形標準課税」に注目してみたいと思います。

導入目前!! 外形標準課税


 法人所得に対して課税する現行の法人事業税は法人所得がマイナスなら例え売上が数兆円あっても、従業員が何万人いても課税されません。他の企業と同じように公共サービスを利用していながら、法人所得がマイナスなら全く事業税が課税されないというのは本来望ましいあり方とはいえません。赤字でも公共サービスの経費は分担する必要があるからです。そこで考え出されたのが外形標準課税です。資本金や建物といった資産、売上高、給与の支払い総額など企業活動の規模、つまりは外形(見かけ)に応じて課税しようとする方法です。
 この外形標準課税は、石原都知事の導入決定で一躍脚光をあびましたが、決して新しい制度ではなく、以前から導入が検討されていました。平成12年度の税制改正にも当初導入が盛り込まれましたが、結局、時期尚早ということで導入を見送られた経緯があります。
 今回、東京都が実施する外形標準課税は別名「銀行税」ともいわれ、資金残高5兆円以上の金融機関に対して、法人所得に関係なく業務粗利益に対して、その3%を徴収しようというものです。ここでいう業務粗利益とは、銀行の本来の業務貸付金等による利益とサービスによる利益、その他業務利益を含めた利益のことをいい、人件費や販売管理費等の経費を差引く前の利益です。当然不良債権の償却や固定資産の売却損などの業務外の損益は考慮されません。都の外形標準課税は5年間の時限措置として平成12年4月1日以降の事業年度から適用になります。
 また、銀行だけに限定したのは、「不良債権処理で公的資金が注入され、さらに政府の低金利政策の恩恵で、銀行本来の貸付業務では多大な利益を出しながらも、不良債権の償却処理を行なうことで、少なくても今後5年間は法人事業税を実質免除されるとも予想されている。こんな事を見逃すわけにはいかない」として、今回の導入に踏み切ったようです。

地方自治体の課税自主権


 そもそも都が今回のように、都単独で外形標準課税という独自の課税方法を採用することが出来るのは、地方自治体の「課税自主権」を尊重する地方税法の規定によるものです。これによると、自治体が単独で条例を改正すれば国との協議なしで、課税方法を変えることが出来ることになっています。ただし、以下で説明するような問題が発生するため、これまで全国の地方自治体は足並みを揃えており、事業税について独自課税方法は採用しませんでした。今回の石原都知事の決断は、地方分権を推進し、地方財政の安定を目指す地方自治の精神に大きな拍車がかかりそうです。

他の道府県への影響は・・・


 では石原都知事の指揮のもと、今回の外形標準課税が導入されると各道府県にどんなことが起こるのでしょう。もちろん東京都の財政は、景気の動向に関係なく、ある一定の税収が確保出来るため潤う予定です。しかし東京都が外形標準課税を導入した場合、その他の地方財政は大きな打撃を受けることになります。それは、法人事業税は本社・本店の所在地だけでなく、支社・支店がある他の道府県にも配分されているからです。東京都が外形標準課税を導入すると増えた税額は翌年の法人税の計算上、損金扱いされ、法人所得が減少します。そうなると現行通り法人所得に対して課税している他の道府県の税収が減少するという事態が起こるのです。東京都が見込む増税額1100億円を徴収すると、他の道府県民税の税収は単純計算で、総額163億円も減収になると言われています。  今後東京都だけでなく全国の全企業に、この外形標準課税が導入されるかどうかが注目されています。しかし青色吐息の赤字法人に対して課税されることになると、景気回復への階段がさらに長くなるような気がするのは私だけでしょうか...。

(担当:大森・井上)

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社長のための『FX2活用講座』


第4回 決算予測を行うには?


 年度末の3月になり、決算を迎える企業も多いと思います。決算書は企業の「通信簿」です。自社の商品やサービスが世の中に受け入れられたのなら「増益」となりますし、反対に良い商品やサービスを提供するための努力や工夫を怠っていたりすると「減益」という厳しい結果が出てきます。
 しかし、事業年度が終了してから結果が分かったのでは手遅れという場合もあります。時代の変化に素早く対応するためには、事前に決算額を予測して分析することが必要です。そこで、今回はFX2 for Windowsを利用した「決算予測」の方法をご紹介いたします。

○当期末の決算額を予測するには・・・
 今回は、ABCオートサプライを例にとって見ていきましょう。
 まず、FX2 for Windowsのメニューの中から「44.当期決算(着地点)の先行き管理」を選びます。ここで、図1の画面左上にある「予測値入力」をクリックし、「当期末の決算額」の予測方法を指定します。未経過月の業績を予測する方法には、前年との対比で自動に計算する「自動計算(前年比)」や、図2のように売上高や経費の金額を直接入力する「実額入力」などがあります。

図1

図2

 また、「業績予測値の入力」を利用すれば、次月以降の予測値と目標の経常利益を入力して「OK」ボタンをクリックするだけで、図4のように「A予測(業績)」と「B当期末決算額」が自動計算されます。

図3

図4


 では、図3のように「業績予測値の入力」を行い、実際にABCオートサプライの決算予測を行ってみます。すると、図4のような予測結果が表示されました。
 画面の12・13行目に表示されている固定費要圧縮額(目標の経常利益を達成するために圧縮する必要がある経費)と戦略予備費(目標の経常利益を超えた余剰利益)は、予測された「当期末の経常利益」と社長が「目標とする期末の経常利益」との差額を表しています。ABCオートサプライの場合、固定費を4,270千円圧縮しなければ、目標の経常利益20,000千円を達成できないという結果が出ました。つまり、社長の考えよりも固定費が多かったか、限界利益が減ったということになります。もし、積極的に行った採用や設備投資の効果(売上高や限界利益の増加)が出ていないとすれば、今までの方針が適切であったか、他に採算性の悪い部分がなかったかなど原因を追及して改善することが必要でしょう。
 月々の業績管理だけでは、全体の業績や推移が掴みにくいことがあります。一歩先を見据えた経営を行なうためにも決算予測機能をフルに活用してみてはいかがでしょうか。

(担当:中村)

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シリーズ『社長になろうと思ったとき!』


第37回 巡回監査報告書 Part7


 前回までは売掛金、そして時効について勉強しました。今回からは新しい内容についての勉強です。

友達「こんにちは。今日からは新しい科目の勉強ですね。」       先輩「そうだね、今日からはたな卸について勉強しよう。まずは巡回監査    報告書の内容を見てくれ。」                  ┌───────────────────────────────┐ │月次たな卸が実施されている場合、受払帳残高との差異があったとき│ │は、その原因を確かめ適切に指導したか。また、原則として実地たな│ │卸によるべきであるが止むを得ない事情で実地たな卸が出来なかった│ │時は、概算たな卸額の計算方法を指導し、関与先において起票したこ│ │とを確かめたか。                       │ └───────────────────────────────┘ 先輩「たな卸の少ない飲食店等はそれほど影響はないけど、たな卸商品の    多い、卸売業や小売業、仕掛品、仕掛工事などがある製造業、建設    業は、月末に正しい数字を計上することが正確な財務状況の把握に    繋がっていくんだよ。それから、巡回監査後に提供しているデータ    に、たな卸額が計上されていなければ価値のないデータになってし    まうよ。」                          友達「その通りですね。我が社でも在庫管理は徹底しないといけないと思    っているのですが、商品が多くてとても無理ですよ。何かうまい方    法は無いですかね?」                     先輩「たな卸の方法には、帳簿たな卸と実地たな卸があるんだ。じゃあ、    内容について教えるよ。」                   ┌─たな卸の方法────────────────────────┐ │帳簿たな卸…商品在高帳や材料台帳、その他の帳簿にたな卸資産の受│ │      け入れ、払い出しのつど数量の増減を記録することによ│ │      り、その帳簿からたな卸の数量を確認する方法。   │ │実地たな卸…実際にたな卸数量を調査して、その在高を確認する方法。│ │ 税法においてはどちらのやり方でもかまいませんが、青色申告法人│ │については原則として「期末においては実地たな卸を行うべきであ │ │る」とされています。しかし、業種やたな卸資産の性質によっては期│ │中は概算によってたな卸を計上していく方法も認められます。   │ └───────────────────────────────┘ 友達「なるほど、そうすると期中は概算でたな卸を計上し、期末に実地た    な卸を行えば良いのですね。」                 先輩「そうだね。それから実地たな卸をする時には計上漏れがないように    注意するんだぞ。」                      友達「そうですね。税務調査でも計上漏れはチェックされますからしっか    り行うように徹底させていきます。」              先輩「それから実地たな卸をするときに書き出す原票は原始記録となるん    だ。この原始記録を清書したものがたな卸表となるんだよ。このふ    たつはセットで保管しておくことも忘れずにね。」        友達「わかりました。」                       先輩「じゃあ、今日はここまで。次回は、たな卸資産の評価について勉強    することにしよう。」                    

 たな卸資産の特徴は、販売あるいは消費されるまでは収益に対応する費用としては認識されません。ですから、商品、製品等が販売された時に売上原価として費用の認識がされることになります。より正確な売上原価を求める為にはたな卸を把握し、管理していくことが重要です。

(担当:山本大吾)
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シリーズ パソコン最前線


インターネットの裏話


 ビジネスとして脚光を浴びるインターネットには破竹の勢いがあります。その一例として、ソフトバンクが出資するヤフー(インターネット検索ページ)株は2000年1月19日に1億円を突破するなど、ソフトバンクのインターネット関連会社への投資は空前の利益を生み出していることが挙げられます。
 しかし、その裏では、政府機関ホームページがハッカー行為により改ざんされるなど、影の部分も見逃せません。
 今回のパソコン最前線は、沸きに沸いているインターネットの裏話をお送りいたします。

ネットオークション
 インターネットのホームページ上で個人売買ができるというものです。話題の検索サイトであるヤフー(Yahoo)でも行われています。ここに出されている商品、確かなものもありますが危ない商品(俗に言うアダルト商品)も多数あります。個人売買の場合は、見知らぬ人からの購入となりますので、特に気をつけてください。

インターネットショップ
 最近、多数の成功例を出しているインターネットショップですが、詐欺まがいの事件は後を絶ちません。こんなこともあるようです。
 レアモノ(珍しい商品)を販売しているホームページ開設者に購入したいとのメールを送りました。返事は「外出が多く、現金書留の場合、わざわざ郵便局に行かないといけないので普通郵便に現金を入れて送付してほしい」との返信がありました。言われたとおりにしましたが、いつまで経っても商品が送付されないので後日、メールで確認したところ「受け取っていない」と返信メールが届きました。郵便局に確認したところ、「普通郵便は送付した証明がとれません。『受け取っていない』と言われれば、それまでです。あと郵便法で普通郵便で現金を送付することは禁止されています。現金は現金書留で送付してください。それと、郵便為替は簡易書留で送付して下さい。」と言われたようです。
 結局この人は商品を得ることができずに泣き寝入りしたそうです。相手の顔が見えないインターネットでは用心に越したことはありません。

チャット
 インターネットのホームぺージ上で文字による会話を楽しむことです。
 基本的には、匿名を使って会話をしますが、この中でむやみに自身の個人情報を教えると今騒がれているストーカー行為(ネットワーク上では、ネットストーカー嫌がらせ電子メールや悪評の流布など)を受ける可能性などがありますので要注意です。

ネット犯罪
 アダルトサイトの検挙はニュースでも話題となりますが、ホームページで、「ここから先は会員になってこのソフトを使用してください。」などと表示される場合は要注意です。このソフトを使うと勝手にダイヤルQ2回線や海外通話を使うように設定され高額の電話料金を請求されることがあります。また、ホームページの中には犯罪を誘発させるようなページもあります。つい最近の青酸カリを販売したホームページなどは、その代表例ではないでしょうか。

インターネットトレード(インターネット株取引)
 まだ日本では馴染みが薄いようですが、アメリカではパソコンの前に張り付いて一攫千金を狙って1日中株の売買をする若者が増えているようです。損失額もかなり高額になる場合があり社会問題化しているようです。

 インターネットは、現在、一種の仮想現実社会となっています。ゲーム感覚での行動が危ない結果をもたらします。現実に目を向けながらインターネットによる便利さを利用することが必要です。また、インターネットの便利さを悪用する人がいてもそれを防止・罰するための制度や法整備が間に合わないのが実情です。自己責任が利用時の大前提となることをしっかり認識しておくことが必要です。

(担当:輿石)
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