INFORMATION 2001年6月号

目 次


戻る場合このブラウザーを終了して下さい。

雑 感
企業再編 〜M&Aを考える〜
シリーズ 『社長になろうと思ったとき!』
シリーズ ビッグバン
メディカルレポート
2001年7月の税務

雑 感

上 野 茂 樹

<梅雨>


 どうも、梅雨に入ったようだ、うっとうしい。これで、また朝の散歩ができなくなりそうだ。役職を離れて、やっと一息である。今月も総会やらなにやら都合4日出動しなければならないが、この程度なら気楽なものである。
 毎朝5時起床、犬を連れて散歩に40分、金魚運動20分、腹筋60回、3kgのバーベルを両手に持って、3パターンを各30回と、健康な毎日である。きっかけは、娘のきつーい一言「お父さん妊婦みたいですね」。
 もう1ヶ月近く続いているから、3日坊主でもない。しかし、一向にお腹は引っ込まない。そこへ梅雨突入、固い決意をしたはずだが、雨には負けそう。そうなったらエアロバイクでも漕ぐか。健康器具だけは揃っているから。

<楽しい毎日>


 今、私は、仕事のできる楽しさを噛みしめている。なんと言っても仕事をしているときが一番楽しい。連休明けからは、まるで堰を切ったように、相談事案が押し寄せてきた。今まで、皆さん遠慮してたんだろうなと思うと心苦しい。
 数が多いから、てきぱきとこなすことになる。そのリズムが何とも心地よい。時には頭を抱えながら問題と格闘することもある。でも、その時間のなんと充実していることか。やっぱり私の生き甲斐は、仕事に尽きるようだ。
 ところで最近は、トラブル相談が実に多い。何でもかんでも、訴訟騒ぎ。もうちょっと常識的に物事が判断できないものか。頭でっかちのせいか、一方的な話が多い。弁護士に笑われますよと言っても聞く耳を持たないから、お気の毒。
 その点、当社の社員は、様々なキャラクターを持った経営者の方々とお会いしているせいか、冷静である。証拠の積み上げと、判例検索を常態としてお客様をスキャンダルから守ることに使命感を持っているから、感情論に惑わされない。 暴言を吐く方があっても、状況分析や心理分析をして、あの方でもこういう状況に置かれると、そうなちゃうんだ。かわいそうに、我々がなんとか説得して、社会的地位を失わさせないように頑張らなきゃということになってしまう。
 つい先日も、建設業経理事務士の2級を建設業委員会のメンバーが5人受験して全員合格した。お客様の指導をするのに、どの程度のレベルか知るためだそうだ。あの、3月11日確定申告真っ最中に勉強会をして受験したのである。
 使命感を持って、仕事が楽しいからやってられるんだろう。反面、使命感のない社員と、勉強をさぼった社員は、自然と職場を去っていく。仕事を楽しむ者だけが残こるから、益々楽しい毎日が送れることになる。

<電子メール原則廃止>


 当社では、電子メールによるお客様とのやりとりを、原則として廃止することにした。我々の仕事は財務、経理等と、お客様のトップシークレットに属する問題が多い。万一その内容がネット上で漏れるようなことがあってはならないと判断したからである。尤も、見られても心配ない簡単な伝言もあろう。
 しかし、その判断を担当者レベルに委ねてもよいかという問題がある。責任の所在を明らかにするために、少なくとも担当役員の決裁を仰ぐべきだろう。通信情報技術の発達は、めざましいものがある。だが、秘密漏洩を防ぐための技術は、追いつかない。便利さと引き替えに危険が同居している。
 確かに、電子メールを暗号化して送ることは可能である。だが、そこまで考えて対策を施しているお客様は、皆無であった。ということは、「電子メールの内容を盗んで提供する商売」をする者にとっては、格好の獲物である。もうひとつ、コンピュータウィルスに汚染されたメールによる感染事故も見逃せない。
 リーダーミーティングの席で、当社のSE、輿石課長から、これらの指摘を受けた。前者は、電子メールが一般化すると商売として成り立つから早めに対処をということだ。後者では、感染していることを知らず、取引先に迷惑を掛けてしまったケース、自社のデータが消えてしまったケースがあるとの報告を受けた。
 転ばぬ先の杖、是非、皆様もご一考を。詳しくは、当社輿石課長まで。

<神戸通信員から>


 「イノシシがいるんですよ。武蔵(我が家の柴犬)と同じくらいの大きさなんです」。電話の向こうで息子が楽しそうに話す。六甲山といっても、大学構内での話。野生のイノシシが出没するとは、何とも神戸はのどかな所である。
 「イヤー、本を読む時間がたっぷりあって、大学生活って楽しいですね」「同じように感じている人が多いのかな、図書館は何時も一杯ですよ」。家を出て2ヶ月半、友達もできて楽しく優雅な日々を送っているらしい。

内容へ戻るメインページヘ


企業再編 〜M&Aを考える〜


企業再編の嵐
 このところ金融機関の提携や合併のニュースが毎日のように新聞紙上を賑わせ、都市銀行は4大グループに集約されようとしています。この様な動きは他の業種にも波及し、全ての産業分野で生き残りをかけた企業再編が巻き起こっています。そんな企業再編の嵐の中で、「M&A」という言葉がにわかに注目を浴びています。

「M&A」とは?
 「M&A」は英語のMerger(合併)と、Acquisition(買収)の頭文字です。日本では、合併の報道があると、実は救済合併であっても両者は対等の立場で合併したようなイメージがあります。一方、買収の場合は、買収した側には「乗っ取り屋」、買収された側には「身売り」というイメージが残ります。買収された企業には「なぜ身売りしたのだ。手形の決済は大丈夫か?」といった問い合わせが相次ぎます。これに対して、海外の取引先からはお祝いの電話やFAX・電子メールが来るといった具合に、日本の「M&A」に対する認識は欧米諸国とは異なるのが現状です。欧米では「M&A」を企業発展のための有効なツールとして捕らえています。

「M&A」のメリット
 新聞やテレビで報道される「M&A」のニュースは大企業のものばかりのため、中小企業オーナーは「当社には関係ない。」と考えがちです。しかし、実際に中小企業の「M&A」が急増しているのです。それは次のような「M&A」のメリットが、社会的に認知されて来たからだと思われます。

〈売り手のメリット〉

○後継者問題の解決になる
 買い手企業が経営を引き継ぐため、後継者がいない場合でも事業を継続することが可能です。

○創業者利潤を確保できる
 会社を清算するよりも手取額が多くなり、老後資金や新事業立上げ資金をより多く確保できます。

○相続税対策になる  評価が高くなった自社株の相続には多額の納税資金が必要となりますが、自社株の一部売却で納税資金を準備するなどの相続対策が可能になります。

○従業員への影響が少ない
 社員の雇用が継続されるため、社員を失業させる心配はありません。

○株式公開・上場へのステップになる
 優良企業の傘下に入り、株式公開への道が開ける可能性もあります。

〈買い手のメリット〉

○時間を買える
 新事業等をゼロから立ち上げるよりも時間的ロスが少なくなります。

○ブランドなど無形資産を一括して入手できる
 ブランドイメージやノウハウを一挙に入手することができます。

○市場の摩擦を避けることができる
 すでに一定のシェアを確保している会社を買収することにより、新規に市場参入する場合に生じがちなトラブルを避けることができます。

○市場シェアの拡大
 同業の会社を「M&A」した場合、シェアを拡大して市場への影響力を高めることができます。

○規模のメリットを享受できる
 売上や利益を拡大することによって株式公開への道が開ける可能性もあります。

 「M&A」は、会社の規模や業種を問わず増加しています。来月号では、「M&A」を有効利用して事業拡大や後継者問題解決に成功した事例をご紹介いたします。

(担当:乙黒謙一)
内容へ戻るメインページヘ

シリーズ『社長になろうと思ったとき!』


第51回 巡回監査報告書 Part21


 前回は役員退職金について勉強しました。今回からは新たな勉強です。

友達「こんにちは、先輩。今日からは新しい勉強ですね。」       先輩「そうだね。今日は交際費についての勉強をするよ。早速巡回監査報    告書の内容を見てみよう。」                  ┌───────────────────────────────┐ │・交際費については、税法上の交際費以外の内容が混入していない事│ │ を確かめたか。                       │ │・交際費については、使途不明金の有無を確かめ、あった場合には、│ │ 適正な指導をしたか。                    │ │・他勘定に税法上の交際費となるべきものが混入していない事を確か│ │ めたか。                          │ └───────────────────────────────┘ 先輩「まず、交際費とは何なのかを説明するよ。」           ┌─交際費とは─────────────────────────┐ │ 交際費とは、法人が仕入先、得意先、株主、社員(有限会社の出資│ │者)役員、従業員などに対して接待、供応、慰安、贈答等のために支│ │出する費用をいいます。                    │ └───────────────────────────────┘ 友達「つまり、事業に関連して、人をもてなしたり、お酒をふるまったり    、慰労したり、金銭や物品を送ったりする費用という事ですよね。    でも、この基準ですと店で配布している我社のオリジナルタオルも    交際費に入ってしまいそうな気がするんですが...」      先輩「そうだね。しかし、税法では、その支出相手先・目的・性格・金額    などによって、交際費になるものと、福利厚生費や広告宣伝費、寄    付金等になるものとの区分を設けているんだよ。じゃあ、その区分    について勉強しよう。」                    ┌─交際費と隣接費用──────────────────────┐ │交際費と区別しにくい費用で注意が必要なものは広告宣伝費、福利厚│ │生費、給与、寄付金、売上値引、割戻し、販売促進費等があります。│ │これらの隣接費用との区別の基本を知るために、どんなケースが交際│ │費となり、また、交際費以外の費用になるか代表例を紹介します。 │ │@福利厚生費                         │ │●交際費にならない費用                    │ │☆社内行事において従業員に一律に供与された飲食費用 ☆従業員に│ │ 一定の基準で支給される慶弔、表彰の費用           │ │●交際費になる費用                      │ │☆会社の記念行事に取引先を招き行う宴会や記念品等の費用 ☆得意│ │ 先、仕入先への慶弔費用等                  │ │A広告宣伝費                         │ │●交際費にならない費用                    │ │☆カレンダー等、不特定多数の者に宣伝を意図として交付する少額物│ │ 品 ☆一般消費者に抽選等により交付する金品、旅行等の費用等 │ │●交際費になる費用                      │ │☆上記以外の金品の交付、旅行等の費用等            │ │B売上割戻し                         │ │●交際費にならない費用                    │ │☆あらかじめ定められた基準等により売上高に比例し事業者へ交付す│ │ る金銭等や特約店等のセールスマン又は従業員に対し金銭や物品で│ │ 交付する販売手数料等                    │ │●交際費となる費用                      │ │☆売上高に比例して交付するものであっても、上記以外のものや旅行│ │ や観劇等に招待する費用等                  │ └───────────────────────────────┘ 友達「なかなか判断が難しいものですね。」              先輩「そうだね。交際費に関しては『いつ、どこで、誰が、誰に、何のた    めに支出したのか?』を明確にしておく事が重要だね。」     友達「そうですね。私も領収書だけを経理に渡す事がありますから、今後    は注意します。ところで、我社でも社員旅行を行うのですが、この    旅行に仕入先の社長を2名連れて行くのですがこの2名の費用は従    業員と同様に福利厚生費でも良いのでしょうか?」        先輩「いや、交際費だね。例えば、自社の業務の特定部分を継続的に請け    負っている企業の従業員で自社の専属として働いている場合であれ    ば福利厚生費となるだろうけど、仕入先の社長となると確実に交際    費だね。従業員の費用は福利厚生費で構わないけど、旅行の目的や    内容により福利厚生費にならない場合もあるから注意しなよ。」  友達「やはり、交際費ですか。わかりました。」            先輩「じゃあ、次回は使途不明金について勉強しよう。」       

 企業経営の発展には交際費は必要です。ただ、今回勉強したように交際費の判断は難しいものもあります。自社の交際費支出を適正に管理していくこともこの機会に検討してみましょう。

(担当:山本大吾)
内容へ戻るメインページヘ

シリーズ ビッグバン


建設ビッグバン 〜Part 12〜


 今月号は、いよいよ「新経営事項審査」(以下:「新経審」といいます)の最終審査事項のW評点について検証して行きます。
 W評点は、企業に雇用される労働者などに対する労働福祉の状況や工事の安全性、営業年数、財務内容を正しく管理出来る資格者を有しているかなど、公共工事を行う企業としての社会性を評価する事項になっています。

 経 営 事 項 審 査 結 果 計 算 書

審査基準日 平成○○年3月31日

     功刀智明建設梶@御中             
 

その他の審査事項(社会性等)

数値等

点  数

  雇用保険加入の有無

健康保険及び厚生年金加入の有無

賃金不払件数

0件

建設業退職金共済組合加入の有無

退職一時金制度導入の有無

企業年金制度導入の有無

法外労働災害補償制度加入の有無

労 働 福 祉 の 状 況 (W1)         15
労働災害死亡者の数(2年間計)

0.00

労働災害負傷者の数(2年間計)

0.00

工 事 安 全 成 績 (W2)                  30
営業年数 (W3)

25年

    20
一級建設業経理事務士等の人数

 0

二級建設業経理事務士の人数

 0

三級建設業経理事務士の人数

 2

建設業経理事務士等数 (W4)                     
   評   点   W         773

○労働福祉の状況(W1)
 W1評点は、雇用保険などの法定福利厚生制度に未加入の場合や、賃金が不払いとなった事実が発生した場合に減点される項目と、退職金制度などの任意の福利厚生制度に加入している場合に加点される項目とで算出されます。
 下記のW評点の算出式を見てわかるように、減点の配点が加点の倍になっており、賃金不払いの事実が発生したなどの減点項目に該当するとW1評点がマイナスとなるケースも出てきます。
 減点項目は、公共工事を行う企業として最低基準となりますので注意が必要です。


算出式:W1=(加点項目C〜F合計点×7.5)−(減点項目@〜B合計点×15
 

 <労働福祉状況の審査事項>
減 点 評 価 の 項 目 審 査 方 法
@雇用保険加入の有無 審査基準日時点で加入:0 未加入:減点1
A健康保険・厚生年金保険加入の有無 審査基準日時点で加入:0 未加入:減点1
B賃金不払いの件数 審査基準直前1年の発生件数(発生件数×減点1)
加 点 評 価 の 項 目 審 査 方 法
C建設業退職金共済制度加入の有無 審査基準日時点での加入:加点1 未加入:0
D退職一時金制度導入の有無 審査基準日時点での加入:加点1 未加入:0
E企業年金制度導入の有無 審査基準日時点での加入:加点1 未加入:0
F法定外労働災害補償制度加入の有無 審査基準日時点での加入:加点1 未加入:0

 加点項目のうち例えば建設現場で働く労働者の退職金を確保するために設けられたC建設業退職金共済制度(以下:「建退共」という)は、加入することによって7.5点がW1評点に加算されます。しかし、平成12年度から新経審の申請時には『建設業退職金共済事業加入履行証明書』(以下:「証明書」という)を添付する必要があり、この証明書の発行を受けるためには、直前1年間における「共済証紙受払簿」(資料1)および「共済手帳受払簿」(資料2)の写しの添付が義務づけられました。
 かつては、建退共に加入し受注した公共工事額に相当する共済証紙の購入実績があれば経審への加点が出来たのですが、現在は適正に共済手帳の更新および共済証紙の購入がなされているか、新経審の申請時および公共工事の入札時に確認することになります。
 この共済証紙は、公共工事・民間工事を問わず工事に従事する労働者の延べ就労日数に対応する額を購入・交付することになっており、企業の負担は大きなものになります。なお、現在の共済証紙額は、1日券が303円、10日券が3,030円となっています。

 資料1:共済証紙受払簿
共済契約者名  功刀智明建設 B決算日 平成 ○○ 年 3 月 31 日
  決 算 平成 ○○ 年 4 月  1 日
  期 間 平成 ○○ 年 3 月 31 日
@共済契約成立年月日(S・H) 年  月  日
A共済契約者番号  98−7654321
受入・払出
年 月 日
受  入 払  出 残 高
(A)−(B)
払出欄の貼付の内訳 更新年月日
手続更新数

備考
購 入 元請から受給 計(A) 貼 付 下請へ交付 計(B) 貼付人員 就労月
 
  年 月 日
    日分
 
元請名     日分
 
    日分
 
下請名     日分
 
    日分
 
     人
 


  年 月分

  年 月 日
(   )冊

 
        日分           日分

  年 月 日
    日分
 
元請名     日分
 
    日分
 
下請名     日分
 
    日分
 
     人
 


  年 月分

年 月 日
(   )冊

 
        日分          日分

資料2:共済手帳受払簿

   共済契約者番号

 

 

 

 

 

 

 

 

 住  所

   山梨県甲府市上今井町○○○−×

 

 

    98−7654321

 

 名  称

   功刀智明建設

 

 

 電話番号

   055−241−7522

 

  被共済者氏名

 被共済者手帳番号

  冊 目

   手帳交付年月日

                  処  理

 

  建設 一朗

  1234560

  3

  9年 5月 1日

  更・本・請・返

 10年 3月 1日

 

  土木 二郎

  2345678

  4

  8年10月 1日

  更・本・請・返

  9年11月 1日

 

  設備 三郎

  3456789

  1

 10年 4月 1日

  更・本・請・返

 11年 3月 1日

 

 

 加点評価の項目C〜Fについては、企業の負担も莫大なものになるため加入をする際には、慎重に検討する必要があります。来月号は、工事の安全成績(W2)以降を検証して行きます。

(担当:乙黒智子)

内容へ戻るメインページヘ


メディカルレポート


一人医師医療法人

 先月号では厚生労働省の求める各医療機関の役割とその対策についてご説明しました。今月号では一人医師医療法人についてご説明していきます。

1.一人医師医療法人とは

   一人医師医療法人とは、医師又は歯科医師が常時一名以上勤務する診療所などの医療機関で、都道府県知事などの認可を受けて設立される法人をいいます。一人医師医療法人は診療所の経営と家計を明確に分離し、地域社会で初期診療という重要な役割を担っている診療所機能の充実を図るとともに、医業の非営利性という観点から、出資に対する配当を禁止することにより、経営基盤の強化と、組織の適正化・合理化を図ることを目的としています。この目的を達成するために昭和25年の医療法改正で初めて医療法人が創設されました。この時には3名以上の医師又は歯科医師が常勤していることが設立の要件でしたが、昭和60年の医療法の改正で医師一人でも法人を設立することができるようになりました。これを一人医師医療法人と呼び、その後個人開業医の法人化が飛躍的に進むことになりました。

2.一人医師医療法人の設立要件

 一人医師医療法人を設立するためにはいくつか要件があります。ここでは人的要件と物的要件について説明します。

A 人的要件
  1)法人の取締役に相当する理事は原則として理事長を含め3名以上必要となります。そのうち1人が理事長となりますが、医療法人である以上、原則として理事長は医師に限られます。(平成10年4月より、過去5年間にわたり経営が安定的に行なわれているなど一定の条件を満たしている場合には、既存の医療法人において、理事長が医師でなければならないという要件が緩和されています。)
2)法人の監査役に相当する監事を1名以上おかなければなりません。なお監事はその医療法人の理事又は職員以外の者でなければならないことになっています。
3)出資者である社員は一人につき1議決権を持ちますので、社員総会の決議の関係上、社員は理事を含み3名以上必要となります。

B 物的要件
 一人医師医療法人は医療を提供することを目的として設立されますので、実体のないペーパーカンパニーでは医療法人として認可されません。そこで医療を提供するのに以下のような物的要件を満たしている必要があります。
1)資産と負債・出資金のバランスが保たれており、自己資本比率が20% 以上であること。ただし、規模の大きい病院などの医療法人にのみこの 規定が適用され、診療所などの小規模な医療法人は原則として自己資本 比率は問われません。
2)設立時に預貯金など換金性の高い資産で、2ヶ月以上の運転資金を有 していること。なお診療報酬請求の未収入金も運転資金の中に算入する ことができます。
3)病医院の土地、建物については、法人が所有することが望ましいとさ れていますが、賃貸借契約が10年以上である場合には賃借でも差し支 えありません。

 一人医師医療法人の場合、医師である理事長と妻、父母の4名で理事及び監事が構成されている場合が多く見られます。また診療所などの小規模な医療機関の場合には自己資本比率も問題とされませんので、設立は比較的容易にできます。ただし、各都道府県によって手続などの取扱いが異なる場合もありますので、ご注意下さい。

3.一人医師医療法人の業務範囲

 一人医師医療法人は医療を提供する為の診療所などの運営を目的として設立される法人です。しかし定款に定めることにより、その本来業務に支障を来たさない範囲で、訪問介護ステーションやケアハウスなど介護保険の対象となる業務を行なうことができます。今後、介護保険に関する業務が拡大することにともない、医療法人でなければ対応できない業務も数多く出てくると思われます。

   今月号では、一人医師医療法人の意義、設立の要件等についてご説明しました。来月号では医療法人の利点など具体的にご説明していきます。

(担当:田原)

内容へ戻るメインページヘ


2001年7月の税務


┌────────────────────────────────┐
│10日 本年6月分源泉所得税・住民税の納付           │
│    (源泉所得税の納期の特例の適用を受けている場合は、本年 │
│     1月〜6月分の源泉所得税を納付)           │
│16日 所得税予定納税額の減額申請               │
│31日 本年5月決算法人の法人税等確定申告           │
│    本年5月決算法人の消費税確定申告            │
│    本年11月決算法人の法人税等中間申告          │
│    <前年度の消費税額が年間48万円超400万円      │
│     以下の場合>                     │
│     本年11月決算法人の消費税中間申告          │
│    <前年度の消費税額が年間400万円超の場合>      │
│     翌年2月決算法人の消費税中間申告(第1回分)     │
│     本年11月決算法人の消費税中間申告(第2回分)    │
│     本年8月決算法人の消費税中間申告(第3回分)     │
│     所得税予定納税額第1期分の納付            │
│     固定資産税(都市計画税)第2期分の納付(条例による) │
└────────────────────────────────┘
 

内容へ戻る


メインページヘ