INFORMATION 2001年11月号

目 次


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雑 感
シリーズ ビッグバン
シリーズ 『社長になろうと思ったとき!』
THE 年末調整
パソコン最前線
2001年12月の税務

雑 感

上 野 茂 樹

<本物の時代>


 世の中随分騒がしい。米国へのテロとその反撃、航空及び旅行業界の異常なまでの落ち込み。国内にあっては、狂牛病問題、ペイオフ前の企業再編と失業率の増加。更に国内外の問題の相乗効果。経済は、社会的心理法則に左右されると言うのは本当だなあと得心してしまう。悪いことは重なるもので、今日もニューヨークで旅客機墜落のニュースが飛び込んできた。これで、天変地異でも起きようものなら人心は千々に乱れ、治安も悪化する一方だろう。
 だが、あまり悲観的になることもない。先人は旨いことをいった。「吉凶は糾へる縄の如し」。良いときには、悪い芽が潜み、悪いときには良い芽がチャンスを待っている。ならば今は、飛躍の前の助走期間。状況分析を行い身辺整理をしながら、しっかりと種蒔きをしておくときである。氾濫する情報に右往左往する人々をじっくり観察する余裕が欲しい。自分の本当に得意とする分野なら、本物の情報を見極められるはず。それができないと生き残れない。(2001,11,13)

<自利利他>


 こんな時代のせいだろうか。悩み事を抱えて困っている方が多い。そんな方から相談されると放っておけないのが私の性分。何とか良い解決方法を見つけてあげなければと自分の能力も省みずついついのめり込んでしまう。自分だけでは解決できないから、私を支えてくれる社内スタッフや専門家の先生方及び協力企業の方々にも当然のごとく迷惑をかけてしまう。
 依頼者には、幾つかの事務所を訪ねて断られたというケースが多い。確かに、これは弁護士もしくは司法書士の領域という問題もある。それなら紹介してあげればよい。ところが、明らかに我々の専門領域ということになると断った真意を疑いたくなってしまう。私は、自分を会計と税法を専門とする法律家の端くれと思っている。だから、難しければ難しいほどやる気が湧いてくる。
 今年の7月以降、この手の相談が極端に増えた。今までは、土日を返上して何とかこなしてきた。ところが10月になると、大変な事態になった。毎日のように顧問及び資産税関係の依頼が来るようになった。顧問は、私どもの方針を受け入れて下さるか否かで、資産税は緊急を要するもの優先でお引き受けしているが、まったく自分の休みが取れなくなってしまった。
 やっと休みが取れ、11月3,4,5日と仲間と旅行にでかけたが、疲れ果てての遠出はろくなことにはならない。6日、とうとうダウン。自律神経の調整障害が発作的に起きて、頭がんがん目は痛く最悪の状態。流石に酒を飲む気にもなれなかった。主治医の先生に、年と体力を考えながら仕事をするよう、いつも注意されるのだが、この性格だけは直らない。
 世の中には私より優秀な人が一杯いるのに、私ごときが、なぜものに取り憑かれたように仕事をせざるを得ないのか。昨日、やっとわかった。「自利利他の精神」が刷り込まれているからだろう。まず人のお役に立つべく誠心誠意尽くせ、依頼者の喜びが自分の喜びであるとの教えである。対局には、最近本気でものに取り組まない人々に対して腹を立てている自分がいた。(2001,11,12)

<未来計算>


 最近小耳にはさんだ話では、上野の奴は税理士のくせに経済だ運用だと我々の仕事に関係ない分野に首を突っ込みすぎるという風評が、まことしやかに流れているそうだ。私どものお客様なら、一笑に付して終わりだが、これをもって悪徳税理士と言われると、いささか穏やかではいられない。しかし、悪評とは裏腹に依頼者が増加しているのは、皮肉な現象である。
 監査の仕事は、過去計算。税務は、過去及び現在計算が中心。企業経営は、現在及び未来計算が欠かせない。今経営者の最大の関心事は、目前に迫ったペイオフ対策と未来展望であろう。経済情勢を分析し、運用を的確に行わない限り企業経営は破綻する。だからプロ中のプロである澤上社長にご足労願いながら、皆様には「ほんまもん」に触れる機会を提供し、経営に役立てて戴いている。
過去計算も重要な仕事である。しかし、企業存続のためには不確定要因の多い未来計算に挑戦しない訳にはいかない。それ故、想像を絶する努力が必要になる。製造業の方ならお分かりであろう。百分の一の不良品を千分の一にするのは、比較的たやすい。それを万分の一にするには、何十倍何百倍の質的向上が求められる。我々は、無謀にも経営者と一緒にこれに取り組もうとしているのである。(2001,11,13)

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シリーズ ビッグバン


企業組織再編
 ここ数年、金融機関をはじめとして多くの企業が生き残りを賭けて同業他社との提携やグループ化を行っています。県内でも信用金庫同士の合併が発表されるなど、企業再編のニュースが無い日はありません。このような動きが急速に進んでいる背景には、独占禁止法や商法が改正され、企業組織再編を後押ししていることがあげられます。

企業組織再編のための法改正
 近年の企業経営では、競争力を高めるために不得意とする分野から撤退するなどして、組織を柔軟に組替えていくことが求められます。しかし、従来の商法などでは企業組織の変革を積極的に推し進めるには難しいところがありました。そこで政府は、バブル崩壊以来体力が落ちている国内企業の競争力を高めるために様々な法改正を行いました。まず、平成9年に独占禁止法を改正し、他社の支配を目的に株を保有する純粋持株会社を解禁しました。次に平成11年に商法を改正し、株式交換制度を導入すると同時に会社分割制度を創設しました。さらに、平成13年度税制改正では会社分割に対する課税の見直しが行われるなど、多くの法律が企業組織再編をより行いやすい方向に改正されています。今回は、株式交換制度について説明します。

株式交換制度
 株式交換制度は株式交換と株式移転の2つの方法に分かれます。

○株式交換
これは、親会社・子会社双方の株主総会の特別決議により、子会社の株主が保有する全ての株式を、強制的に親会社の株式と交換する方法です。これにより完全親子会社関係が実現します。強制的に少数株主のいない完全子会社にすることで経営に関する意思決定を迅速に行うことなどが可能になります。株式交換により組織再編を行った有名な例としてソニーの例が挙げられます。ソニーは、子会社のソニーミュージックエンタテイメント(SME)他上場2社の少数株主が保有する株式と親会社(ソニー本体)の株式を交換して完全子会社化しました。従来であれば子会社を完全子会社化するには、個々の株主と交渉して株を買い取らなければならなかったのですが、ソニーは株式交換により買取資金を準備せず容易に株を取得することができたのです。


○株式移転
これは完全子会社となる会社の株主が保有する全ての株式を新たに設立する会社(完全親会社)の株式に移転する方法です。完全子会社が複数の場合、これらの会社は兄弟会社となり、合併と同様の効果があります。身近な例では、大同生命と太陽生命が株式会社化した後に両社の持株会社を設立し、事実上合併しようという発表をしています。大同生命と太陽生命の株主は、所有する株式を持株会社に引渡し、その見返りとして新たに設立される持株会社の株式を取得することになります。


 企業組織再編のための様々な法改正の動きは、大規模公開企業だけが関係しているかのように思えますが、中小企業にとっても無関係ではありません。特に会社分割制度は中小企業に与える影響が大きいと思われますので、次号ではこの点について考えたいと思います。

(担当:乙黒謙一)

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シリーズ『社長になろうと思ったとき!』


第56回 リース税額控除


 前回は、リース取引について勉強しました。今回は友達が先輩のところに相談にやってきたようです。

友達「こんにちは。早速ですけど相談がありまして...」       先輩「どうしたんだい?」                      友達「前回、リースの勉強をした後に我社の店舗内の冷暖房設備を新しく    リースしたんですよ。もちろん、リース取引となる為の要件はクリ    アしています。そうしたら、リース会社から『税額控除の対象にな    りますよ。』といわれたのですが、その税額控除について教えても    らえますか?」                        先輩「なるほど。リース会社がいった税額控除は一般的にリース税額控除    といわれているものだね。税額控除の中にはメカトロ税制や中小企    業投資促進税制といったものがあり、いずれも機械等を取得したり    リースする場合で一定の要件を満たせば、法人税額の特別控除を受    けられるんだ。今回の君の会社の場合は、中小企業等が機械等を取    得した場合等の法人税額の特別控除に該当すると思うよ。じゃあ、    内容について早速勉強しよう。」                ┌─法人税額の特別控除とは───────────────────┐ │平成10年6月1日から平成14年3月31日までの期間に青色申告│ │書を提出する中小企業者等が特定機械装置等を取得又はリース契約に│ │より賃借した場合について法人税額の特別控除を適用する制度です。│ │なお、取得の場合は特別償却との選択適用になっていますので、特別│ │償却を受けていない場合のみ特別控除の適用を受ける事が出来ます。│ └───────────────────────────────┘ 先輩「じゃあ、今回はリースの場合の特別控除について勉強しよう。」  ┌───────────────────────────────┐ │(1)対象法人                        │ │青色申告をしており、資本金が1億円以下で大会社(資本金1億円 │ │超)の出資(1/2以上)を受けていない会社等。        │ │(2)対象資産                        │ │@機械及び装置の場合                     │ │ 1台1基のリース費用の総額が300万円以上であるもの。   │ │A器具及び備品の場合                     │ │ 1台又は同一種類の複数設備のリース費用の総額が140万円以上│ │ であるもの。対象機器は電子計算機・デジタル複写機・ファクシミ│ │ リ・デジタルボタン電話設備・冷房用又は暖房用機器等。    │ │B車両及び運搬具の場合                    │ │ 普通自動車で貨物の運送の用に供されるもの(トラック)のうち車│ │ 両総重量が3.5トン以上のもの。              │ │(3)リース契約の要件                    │ │@リース契約期間は5年以上で法定耐用年数を超えないもの    │ │Aリース料の総額は1台または1基ごとに定められているもの   │ │Bリース料が契約期間内に均等に、かつ定期的に支払われること  │ └───────────────────────────────┘ 友達「なるほど。そうしますと我社の場合は、リース費用の総額が500    万円で、契約期間も12年と冷暖房設備の法定耐用年数の15年を    超えていないし、リース料も毎月均等ですから、対象になりますね    。じゃあ、いくらの税額控除となるのですか?」         先輩「算式は リース費用の総額×60%×7% となるんだ。」    友達「なるほど、そうすると我社は500万円×60%×7%で21万円    の税額控除が受けられるわけですね。」             先輩「そういう事になるね。ただし、税額控除を受ける年度の法人税額の    20%相当額が限度となるんだ。だから、君の会社の場合は税額控    除をする前の法人税額が21万÷20%の105万円以上であれば    全額の21万円の控除を受けられるわけだね。もし、105万円未    満の法人税額であれば、その法人税額の20%が限度額となるから    注意しなよ。それから税額控除を受ける事業年度で控除しきれない    税額控除額については、1年間に限り繰り越す事が出来るから、翌    事業年度の法人税額からも控除できるんだ。」          友達「なるほど。ありがとうございました。」            

 平成13年4月以降に開始する事業年度において、取得したパソコンの耐用年数は6年から4年に短縮されている為、税額控除の要件であるリース期間が5年以上であり、かつ法定耐用年数を超えない事という要件を満たす事が出来なくなり、リース税額控除は受けられません。今後、パソコンをリースしても税額控除を受ける事は出来ませんので注意してください。

(担当:山本大吾)
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THE 年末調整


 朝夕ぐっと冷え込む季節になり、今年も年末調整のシーズンが近づいて来ました。今年は大きな改正がないため比較的スムーズに年末調整事務を進めることができると思います。では、今年の注意点を確認し、年末調整のしくみをおさらいしましょう。

┌─<今年の注意点>───────────────────────┐ │1.今年も引き続き20%の定率減税が実施されます。       │ │2.平成13年7月1日以後の第三分野(注)の保険契約について、契│ │約先が生命保険会社であるか損害保険会社であるかにかかわらず、その│ │保険契約内容に応じて、生命保険料控除または損害保険料控除の対象と│ │されることになりました。                    │ │ 但し、平成13年分については、保険契約に定められた保険期間の開│ │始日が平成13年7月1日以後のものについて適用されます。保険期間│ │の開始日が平成13年6月30日以前のものについては、今回の改正が│ │適用されませんので保険料控除証明書の内容、開始日等をよく確認して│ │下さい。                            │ ├────────────────────────────────┤ │(注) §第三分野とは§                    │ │ 死亡保障を中心とした生保商品を第一分野、損害を補填する損保商 │ │ 品を第二分野と呼ぶことに対応して、ガン保険や医療保険、傷害保 │ │ 険など生命保険と損害保険の境界にあたる保険商品のことを第三分 │ │ 野と呼んでいます。                      │ └────────────────────────────────┘

年末調整は給与所得者(サラリーマン)の確定申告です
 給与支払者は毎月の給与や賞与を支払う時に源泉徴収税額表を使って所得税額を計算し徴収しています。しかし、この税額表は給与所得者の給与の額・社会保険料・扶養人数のみを基準とするもので、あくまで概算です。給与所得者の年間確定税額は年の途中の昇給、扶養人数の増減や奥さんの年収など、年末にならないと分からない事情も盛り込む必要があります。このため、どうしてもその確定税額と毎月の給与や賞与から天引きした税額の年間合計額には過不足が生じてしまいます。その差額を年の最後(年末)に精算(調整)する手続きが『年末調整』です。
 この年末調整のしくみを図に表すと下のような流れ図になります。


 12月4日に開催される年末調整研修会では、年末調整を実践的により詳しくご説明いたします。ぜひご参加ください。

(担当:秋山、小林、乙黒(直))

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パソコン最前線

WindowsXP(ウィンドウズエックスピー)登場

 以前インフォメーション(2000年10月号)でご紹介した最新OSがWindows XPという製品名となり平成13年11月16日(金)日本で発売されました。 (WindowsXP搭載パソコンについては10月下旬より先行発売されています。)


 このWindowsXPには以下の特徴があります。
 ・パソコンが止まりにくくなっています。
 ・インターネット高速回線への様々な対応がされています。
 ・インターネットからの不正侵入防止策が採られています。

WindowsXPへのアップグレードについて

 このWindowsXPにアップグレードするには、CPUが300MHz以上、メモリーが128MB以上、ハードディスクの空容量が1.5GB以上のパソコンで、パソコンのウィンドウロゴマークシールに「Windows2000」の記載があることが条件となります。Windowsのバージョンアップは周辺機器の対応等も確認して慎重に行ってください。また、Windows95からのアップグレードはできません。

 WindowsXPの発売については、Windows95の時のような興奮は市場には無く、マスコミ等でも浸透には時間がかかるだろうとの予測があります。しかしながら、以前のWindowsよりも止まりにくいという快適な環境を手に入れる事ができるのは大きな利点だといえます。これからパソコンを購入する方にはこのWindowsXP搭載パソコンがお薦めです。なお、TKC戦略情報システムをお使いの皆様につきましては、現在動作確認中ですのでバージョンアップはお控え下さい。

インターネット便利サイトご紹介

 コンピュータウィルス「Nimda(ニムダ)」の発生などでインターネットへの不安感があるのは確かですが、行政手続きの電子化など様々な分野でインターネットの活用は着実に進んでいます。今回はビジネスに即役立つ行政のホームページをご紹介いたします。

電子政府の総合窓口(http://www.e-gov.go.jp/)
 「e-Japan構想」により行政手続きの電子化が急がれています。このホームページは電子政府の総合の窓口となり様々な情報の公開や検索が可能となっています。原則として2003年までに全ての手続きを電子化する法案が来年の通常国会に提出されるとの報道もあり、このページには様々な情報が掲載されていくと思われます。また、各省庁への申請用紙等の情報も検索でき、印刷が可能です。(当社ホームページ厳選リンク集に掲載してあります。)

インターネット登記情報提供サービス(http://www.touki.or.jp/)
 (財)民事法務協会が提供する登記情報閲覧サービスのホームページです。確認情報はプリンターから印刷できます。このプリントした登記情報には、法的な証明力がなく、登記簿謄本や登記事項証明書の代用にはなりませんが、わざわざ法務局に足を運ばなくてもパソコンから登記情報が確認できます。なお、不動産、商業・法人登記の閲覧ができますが、山梨県では本局、韮崎、大月の3登記所の不動産登記のみが閲覧可能となっています。今後徐々に閲覧可能範囲が拡大する予定です。利用するには、事前にホームページより登録用紙を印刷し、必要事項を記入・申請を行う必要があります。登録料として個人300円、法人740円がかかります。また、登記情報の確認1件につき980円がかかります。

 インターネットを使っていくには、日々進化するコンピュータウィルスへの対処に代表されるような自己防衛の手段をリアルタイムで行っていく事が必要となっています。自己防衛の手段を用意してビジネスにインターネットをお役立てください。

(担当:輿石)

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2001年12月の税務


┌─────────────────────────────────┐
│   10日 本年11月分源泉所得税・住民税の納付        │
│翌年1月4日 (但し1月4日到着分まで)             │
│       本年10月決算法人の法人税等確定申告        │
│       本年10月決算法人の消費税確定申告         │
│       翌年4月決算法人の法人税等中間申告         │
│       〈前年度の消費税額が年間48万円超400万円    │
│        以下の場合〉                   │
│       翌年4月決算法人の消費税中間申告          │
│       〈前年度の消費税額が年間400万円超の場合〉    │
│       翌年7月決算法人の消費税中間申告(第1回分)    │
│       翌年4月決算法人の消費税中間申告(第2回分)    │
│       翌年1月決算法人の消費税中間申告(第3回分)    │
│       固定資産税(都市計画税)第3期分の納付(条例による)│
│                                 │
│       給与所得の年末調整(本年最後の給与支払時)     │
│       給与所得者の保険料控除申告書・住宅取得控除申告書の │
│       提出(本年最後の給与支払日の前日)         │
└─────────────────────────────────┘

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