INFORMATION 2002年6月号

目 次


戻る場合このブラウザーを終了して下さい。

雑 感
情 報
シリーズ ビッグバン
シリーズ 『社長になろうと思ったとき!』
データ処理実績証明書
2002年7月の税務

雑 感

上 野 茂 樹

<感じるままに1>


 昨日、甲信越地方も梅雨に入ったと宣言された。日差しが強く暑い日が続いていただけに、ほっとした気分だ。瀕死の状態にあった庭木にとって、まさに天の恵みである。曇り空とじめじめした気候も、生きとし生ける者にとって自然界のバイオリズムそのものなのだと、妙に得心してしまう。
 下界では、日韓合同開催のサッカーワールドカップが始まっている。開催後、東京周辺の駅に降り立って違和感を感じた。そう、案内板にハングルと中国語が加わっていたのである。韓国と中国は、経済的には密接な関係にある。しかし、政治、文化の面に於いては相変わらず、ぎくしゃくとした関係が続いている。
 我々の認識の中では近くて遠い国。それが、駅という日常的な場に両国の文字が入ってきた。今まで日本語と英語表記が当たり前だったから違和感を感じた。早くこのような感覚が払拭できるとよい。ところで、外国人の選手、サポーターには、「梅雨」という日本の風土、それから生まれる文化を学んで帰ってほしい。

<感じるままに2>


 パソコンを使うようになって漢字が書けなくなった。自分だけかと思ったら著名な大学教授が同じことを雑誌に書いていたのを見てほっとした。ところが、困ったことに雑誌の字も読めないことに気がついた。やたらと難しい漢字が並んでいる。理由は、難解な文字が簡単に変換できるようになったからだと思う。  当用漢字で育った世代だから、漢字の正しい用法には自信がない。それ故漢字を覚えるときは工夫した。「羞恥心(しゅうちしん)」は、「さちしん」と覚え、「相殺(そうさい)」は、「あいごろし」と覚えた。根拠はない、学生特有の語呂あわせみたいなもので何となく覚えやすかったからだ。
 ある酒の席で、同世代ならこの手の言葉も通用するだろうと、幾つか使ってみた。意外や意外、相手がひとつひとつ訂正してきた。面白いので悪戯心がおきて連発してみた。真面目な方で剥きになって訂正する。そしてある瞬間、「はっ」というような顔つきをした。「人が悪い」で話題は変わった。
 実は私、現在日本語に興味津々。漢字の持つ意味、組み合わせの妙。例えば、「人材」を「人財」と使ったって、良いのではないかと思うのである。

<取り組み>


 昨年から、コンサルティング部門を専門分化すべく取り組みを始めている。優先順位をつけるなら、構造不況に晒されている建設及び不動産貸付が筆頭である。
次は、医療・福祉の分野である。需要は増えるも、経営は益々苦しくなる。医療制度の抜本的改正は未だ手つかず。だが4月改正に続き10月改正が控えている。 前回は、コンサルティング部門の責任者である功刀部長が自ら教えながら、宅地建物取引主任者試験に3名合格、建設業経理事務士2級に5名の合格を報告した。今回も3月10日に行われた建設業経理事務士の試験に2級2名、1級の全科目合格(3科目)が部長、あと2科目1名、1科目1名が合格となった。
 建設業では、この資格が経営審査の加点要因となる。昨今の厳しい状況のなかで少しでも点数を上げようと考えたらこの資格取得は必至である。取りなさいとアドバイスしたところで、説得力がない。そこで、2級は全員が、1級は、責任者と建設委員会のメンバーが取ることにしたそうだ。
 それにしても、あの忙しい3月、よく時間を捻出できたものだと感心する。試験の勘所が解ったので、今後この資格を取ろうとする方に研修会を実施して、効率的勉強の仕方を伝授したいとのこと。皆様のお役に立てると思う。早速、建設委員会設置効果が現れたが、次は何を目指すのか聞き漏らした。
 特化の第2順位は、医療・福祉の分野である。医療・福祉は、尋常ならざる努力をした者が、報われないような状況になりつつある。そこで、医療委員会のメンバーは、日本医業経営コンサルタント協会、MMPG、BMC、TKC医業経営研究会を始めとするあらゆる研修に参加して、情報収集を図ってきた。  約20年間の蓄積をマニュアル化して、必要な場面でお手伝いできる準備は整った。そこで、医療委員会を本格的に立ち上げることにした。最初の試みとして、手元にある情報を整理して、今後の医療制度改正の動向について研修会を開き伝達することを企画したが、受講者の日程調整が難しいことが解った。
 そこで、功刀部長が、医療委員会のメンバー対象に研修したものをビデオ編集して、見て戴こうということになった。タイトルは「さらなる医療制度改正の行方と経営改革の在り方」である。比較的解りやすい内容となっているので退屈せずに見て戴けると思う。なお、ビデオ編集技術の点は、今後の課題である。
 今回は、2つの委員会活動を紹介したが、他の委員会も着々と準備を進めている。研修会や広報活動を通じて成果をご報告したい。皆さんも、当方の人財確保と情報収集にご協力戴ければ幸いである。(2002,6,12)


内容へ戻るメインページヘ


情  報


金融検査マニュアル別冊・中小企業融資編

将来性のある企業は救われる!!

 先月号インフォメーション「雑感」の中で金融庁検査局が発表した「金融検査マニュアル別冊・中小企業融資編」について簡単に紹介したところ、数多くの経営者の反響がありましたので、今月号で急遽その中身について具体的にご説明することに致しました。

<貸すに貸せない銀行側>
 98年4月、財務省(旧大蔵省)は金融ビッグバンによる市場原理を銀行等の金融機関に導入し、一定の自己資本比率以下の不健全な金融機関は業務の一部又は全部の停止を命令するという大変厳しい処分を決定しました。その為、自己資本比率の低い金融機関は自己資本比率を上げるために必死で、経営内容の悪い企業への貸出は、貸倒引当金を積み増ししなければならず、その分自己資本比率を低下させてしまうとして貸出要件を更に厳しくしました。その結果、本来融資を受けたい経営状態の苦しい企業ほど、早期に貸付金の回収を迫られたり、新たな貸出をストップされることになりました。これが「貸し渋り」のメカニズムです。

<現行金融検査マニュアル>
 銀行等の金融機関では金融監督庁が提示した「金融検査マニュアル」に沿って、貸出先企業を担保力や保証力の程度によって区分選別し、この区分を基本に融資の可否を決めていました。その選別基準は概ね次の内容です。1.前期(直前決算)は黒字か。2.繰越損失があるか。3.債務超過状態か。4.借入金の返済について延滞はあるか。5金利減免・棚上げ、貸出条件の変更を受けているか等。
 これらの内容により、1.正常先2.要注意先3.要管理債権先4.破綻懸念先5.実質破綻先6.破綻先に分類し、要注意先以下は「灰色債権」と呼ばれ、貸付金回収や新規融資の貸し渋りの対象となっていました。

<金融検査マニュアル・中小企業融資編登場!!>
 しかし中小・零細企業については、現行の金融検査マニュアル通りではあまりにも四角四面であり、もっと中小零細企業の実体に即した判断基準が必要だということで「金融庁検査マニュアル別冊・中小企業融資編」が作られたのです。この中では「中小零細企業の場合は、財務状況だけではなく、その会社の技術力・販売力や成長性、代表者等の役員に対する報酬の支払い状況、代表者等の収入状況や資産内容、保証状況と保証能力等を総合的に勘案し、その企業の経営実態を踏まえて判断することが必要である」としており、具体的には次の通り判断するとしています。

1.代表者からの借入金があり代表者が当該企業に対しその返済を要求する意思がない場合には、原則として、これらを当該企業の自己資本相当額として勘案する。なおその際、代表者の個人収支や資金繰りの状況等も確認する。
2.代表者への多額の役員報酬や家賃の支払いなどから赤字となっている場合には、赤字ということのみを以って区分を行わず、赤字の要因や金融機関への返済状況、返済原資について確認する。
3.企業に返済能力がない場合であっても代表者やその親族に預金等の個人資産が多額にあり、当該資産を企業に提供する意思が明確な場合にはこれらを勘案する。
4.高い技術力を背景に、今後受注の増加が確実に見込まれ、それにより業績に改善が予想できる場合にはこうした点を勘案する。
5.販売網が優れているなど販売基盤が強固で今後これらの強みを活かして業績の改善が予想できる場合にはこうした点を勘案する。

┌─具体例────────────────────────────┐ │ 売上の減少により連続赤字を計上した商店街の家電販売店。債務超過│ │に陥っているため、財務内容からは返済財源が認められず、通常なら、│ │要注意先以下の区分に該当。このような場合、代表者の個人不動産の賃│ │貸収入等を財源に会社に貸付けを行い、それを原資に銀行への返済に充│ │てているという企業も多いはず。そこでこの代表者からの借入金につい│ │て、返済を要しない事が確実であるならば、これを自己資本相当として│ │考えることが可能である。その結果債務超過にならず、かつ業績改善が│ │予想される場合は「正常先」に相当する可能性が高いと判断される。 │ └────────────────────────────────┘

以上の他、多数の具体例は金融庁ホームページ(アドレスhttp://www.fsa.go.jp/)に掲載されていますので参考にしてください。

(担当:大森)

内容へ戻るメインページヘ


シリーズ ビッグバン


会計ビッグバン 〜税効果会計〜

 会計ビッグバン(会計基準のグローバルスタンダード化)の中で、多くの企業において最も早く着手されたのが「税効果会計」です。
 税効果会計とは、企業会計原則を始めとする会計基準と、法人税など税法との目的や処理方法の違いを調整して「税引後当期利益額」が、経営成績を正確に反映した金額にするものです。

企業会計の目的・・・企業内外の情報利用者(利害関係者)に正しく企業情報を伝えること。
税法の目的・・・憲法30条(納税の義務)を公平に果たすこと。

 では、実際にどんな時に税効果会計が必要になってくるのか、(株)UBCを例に見てみましょう。

<事例:棚卸評価損が発生した場合>
 (株)UBCは、今期順調に2,000万円の利益が計上できましたが、流行遅れによる1,000万円の不良在庫を抱えていました。そこで社長は、この事実を株主に包み隠さず開示し、財務諸表上も1,000万円の棚卸評価損(下記表A)を計上し、当期の利益を1,000万円(下記表B)としました。しかし、税法では一定の条件を満たさないと評価損を認めないため、その分法人税等を納めて(有税で)評価損を計上することにしました。

<(株)UBCの法人税額>
(税引前当期利益額 棚卸評価損) ×  税率 法人税額
( 1,000万円 1,000万円 ) × 50% 1,000万円(下記表C)

 一方、今期2,000万円の利益を計上した同業のA社も(株)UBC同様に1,000万円の不良在庫を抱えていたのですが、税法上の要件を満たさないために、評価損を計上しない決断をしました。

<A社の法人税額>
(税引前当期利益額 棚卸評価損) ×  税率 法人税額
( 2,000万円 0円) × 50% 1,000万円(下記表D)

 では、この2社の「税引後当期利益額」を比較してみましょう。

【不良在庫発生事業年度の税引後当期利益額の比較表】
 

(株)UBC

A社

評価損計上前利益 2,000万円   2,000万円  
棚卸評価損 △1,000万円 (A) 0円  
税引前当期利益 1,000万円 (B) 2,000万円  
法人税(税率50%) △1,000万円 (C) △1,000万円 (D)
税引後当期利益額 0円 (E) 1,000万円 (F)

 (株)UBCおよびA社が納める法人税額は、ともに同じ1,000万円にもかかわらず、棚卸評価損を計上した(株)UBCの税引後当期利益額は0円(前頁表E)となってしまい、一方A社の税引後当期利益額は1,000万円(前頁表F)になっています。この税引後当期利益額だけを比較すると、A社の方が経営成績が良かったように見えますが、果たしてこれで本当の経営成績がわかるでしょうか?そこで税効果会計が登場します。
 (株)UBCの棚卸評価損1,000万円は、現状では税法上の要件を満たさないために有税となっていますが、将来、一定要件を満たした時には税法上も認めてもらえることになります。つまり、棚卸評価損1,000万円に対する法人税相当額(1,000万円×50%=500万円(下記表G))は、税金の前払い分と考え、繰延税金資産として貸借対照表の資産に計上し、翌期以降に繰越すとともに法人税等調整額(下記表G)として税引後当期利益額をプラスすることができます。これにより(株)UBCの税引後当期利益は、500万円増加することになります。

【税効果会計を適用した(株)UBCの税引後当期利益額】
 

(株)UBC

 

 

 

 

税効果会計を適用する前よりも500万円増加

評価損計上前利益 2,000万円  
棚卸評価損 △1,000万円  
税引前当期利益 1,000万円  
法人税(税率50%) △1,000万円  
法人税等調整額 500万円 (G)
税引後当期利益額 500万円 ←←←

 翌事業年度に棚卸評価損が税法上認められる要件が充足した場合、A社では1,000万円の棚卸評価損(下記表H)を計上しなければならず、税引後当期利益額は大幅に減少してしまいます。しかし、事前に棚卸評価損を計上し税効果会計を適用した(株)UBCでは、繰延税金資産を取崩した500万円(下記表I)がマイナスされるだけとなります。(紙面の都合上細かい計算は省略しています。)

【税法上、棚卸評価損が認められた事業年度の税引後当期利益額の比較表】
 

(株)UBC

A社

評価損計上前利益 2,000万円   2,000万円  
棚卸評価損 0円   △1,000万円 (H)
税引前当期利益 2,000万円   1,000万円  
法人税(税率50%) △500万円   △500万円  
法人税等調整額 △500万円 (I) 0円  
税引後当期利益額 1,000万円   500万円  

 税効果会計は会計と税法のズレを調整し、利害関係者に正確な情報を提供する役割があります。事例のケースでも、2年間を合計すると、(株)UBCとA社は税引後当期利益も法人税額も同額になります。しかし、税効果会計を利用した(株)UBCの方が会計と税法のズレを正しく表示しており、利害関係者に対して適正な情報を提供していることになります。

(担当:乙黒智子)

内容へ戻るメインページヘ


シリーズ『社長になろうと思ったとき!』


第63回 会社で掛ける保険 Part3


 前回は、各種リスクに対応する保険や、従業員の保険について勉強しました。今回は、経営者の保険についてです。

先輩「早速、経営者の保険について勉強しよう。経営者の場合には、従業    員と同様に生活を守るという事もあるけど、先ずは会社を守ってい    くことを考えなくてはならないよね。もし、君が不慮の事故で急に    亡くなってしまったら、会社はどうなるかな?」         友達「それは、一大事です。今は保険にも加入していないわけですから、    保険金もありませんし、最悪は資金繰り悪化により倒産となってし    まうかもしれません。」                    先輩「それを避けるために、経営者が保険に加入するわけだね。まず、経    営者に万一の事があった場合、会社で必要になる資金を簡単に勉強    しよう。」                          ┌─会社で必要になる資金────────────────────┐ │1会社では何らかの形で債務(借入金等)を抱えているはずです。こ│ │ れらの債務をカバーする資金を準備することが必要です。    │ │2社員の不安を取り除くためには、社員給与の半年〜1年分は用意す│ │ ることが望ましいといえます。                │ │3経営者本人の家族のためにも、生活していけるぐらいの退職慰労金│ │ や弔慰金は必要です。(役員退職金規程等の準備が必要)    │ └───────────────────────────────┘ 先輩「会社を継続させていくには、上記の資金を現預金等で確保しておき    たいところだけど、実際には資金を確保するための手段として生命    保険を利用している場合が多いんだ。」             友達「なるほど。そうなると会社の規模等により、どのぐらいの生命保険    に加入すれば良いかは把握できますね。しかし、この経済状況の中    では上記資金を全て確保するだけの大型保険に加入し、保険料を支    払う事が厳しいのではないでしょうか?」            先輩「その通りだね。しかし、中小企業の場合は『経営者の信用=会社の    信用』となっているケースが多く、社長の突然の死亡により、金融    機関や取引先の信用が低下し、融資がされなくなったり、取引条件    の変更を迫られたりすることで、運転資金の不足を招く場合もある    んだ。だから、本当の意味で必要な保険に加入する事が経営判断で    も重要となるわけだね。」                   友達「そうですね。でも、これだけたくさんの生命保険がある中で、一体    どんな保険を選択すれば良いのですか?」            先輩「当然の事ながら、経営者のニーズにもよるけど、次のような保険が    あるから、検討してみなよ。」                 ┌─経営者保険の代表例─────────────────────┐ │1保険料は安く、保障は大きくという場合            │ │ 短期(保険期間10年以内程度)の掛け捨て型の定期保険を活用し│ │ ます。保険期間が短いために、当面の保険料は安くなります。ただ│ │ し、更新時には保険料はアップします。            │ │2長期期間の保障と生存退職金の財源にという場合        │ │ 上記とは逆に、保険期間を長期に設定し、満期返戻金のある保険を│ │ 活用します。満期返戻金があるので、退職金財源の一部とする事も│ │ できます。なお、契約期間や加入時の年齢により保険料が全額損金│ │ となるものや一部が積立金となる保険があります。また、保険料が│ │ 一定のため資金計画は立てやすく、解約返戻金があるので資金繰り│ │ 上必要な場合は取り崩し利用することもできます。       │ │3毎年保障を変えたいという場合                │ │ 保険金額が毎年一定の割合で増加or減少する保険を活用します。│ │ 役員の在任年数に伴って、増加していく退職金等に対処したり、借│ │ 入金の返済で減少していく債務と同様に、保障を低くしたいといっ│ │ た場合に対処する保険です。                 │ └───────────────────────────────┘ 友達「なるほど。いろいろな保険がありますね。自社の経営状況に合わせ    て慎重に保険を選択していくべきですね。」           先輩「そうだね。最近では1・2の保険で配当金や解約返戻金をなくし、    極力保険料を安くした保険もあるんだ。それから、今まで保険加入    は無理だった高血圧や高脂血症の治療中の人でも、通常の保険料で    加入できる保険もあるんだよ。いずれにしても、自社そして経営者    自身に合った保険に加入することが重要だね。」        

 今回勉強した保険以外にも、経営者の保険には様々な種類があります。どんな保険に加入するか迷っていたり、現在の保険を見直したいという方は、各担当者にお問い合わせ下さい。

(担当:山本大吾)
内容へ戻るメインページヘ

データ処理実績証明書


ご存じでしたか?データ処理実績証明書の重要性

 決算申告後皆様にお届けしている決算報告書の中に、『データ処理実績証明書』という青いA4判の用紙が1枚入っていることに気が付いていますか?今月号では、このたった1枚の『データ処理実績証明書』が持つ重要な意味についてご説明します。

 御存知の通り私どもでは毎月関与先企業に赴き、巡回監査を行っています。巡回監査では財務データをチェックし、取引が正しく処理されていることを確認します。監査済みのデータは電話回線を使いTKC情報センターに伝送することで、月次試算表が作成され翌日私どもに届けられます。この試算表は担当者及び上司等の検証後に各企業に送付されます。
 毎月の巡回監査を12回行った後、いよいよ事業年度の決算です。決算では月次巡回監査で処理された取引を再度見直し、法人税や消費税等の税額計算を行って当期利益を確定します。その確定に必要なデータを決算処理分として、巡回監査分と同様にTKC情報センターに伝送し、翌日セン ターから決算書が届けられ決算処理は終了します。
 事業年度中には決算処理まで含めて通常は合計13回の伝送処理が行われますが、TKC情報センターでは、その処理がいつ行なわれたかをデータとして蓄積しており、毎期決算終了時にこの処理実績を証明書として出力しています。これが「データ処理実績証明書」で、月次巡回監査の処理状況12回と決算整理の処理状況1回が処理実績として記載されています。このデータ処理実績証明書の持つ意義は次の3点に集約されます。

┌─────────────────────────────┐ │1期中の月次決算において、会計帳簿の改ざんにつながる過去の│ │ データの訂正・削除・追加等の処理が一切行なわれなかったこ│ │ とを申告書や決算書を作成する会計事務所ではない第三者が証│ │ 明していること。                    │ │2当期の決算報告書は、日々の記帳に基づく会計帳簿からそのま│ │ ま誘導されて作成されたものであり、単独で作成されたもので│ │ はないこと。                      │ │3月次決算及び年度決算がタイムリーに行われたこと。    │ └─────────────────────────────┘

<データ処理実績証明書>

 市販されている財務会計ソフトの中には、過去に遡って会計データを修正・追加・削除できるものもあります。しかし、TKCシステムでは、いったんTKC情報センターに伝送されたデータは、取り消すことができません。伝送後に間違いが発見された場合には、翌月以降でその取引自体をマイナスで入力し、正しい取引を再度入力することによって修正されます。つまり、修正があったとしても、その修正履歴がデータ上残る仕組みになっています。
 データ処理実績証明書には、TKC情報センターの処理日が記載されますので、関与先企業及び私どもが会計処理を遡って処理していないということが第三者によって証明されることになります。このように処理状況が明確にされていることによって、税務当局の疑問に対し、正当性が立証されたという事例も少なくありません。
 さらに、毎月の巡回監査の処理を積み重ねた数値から、誘導されて作成されている決算書にはデータ処理実績証明書に記載されている番号と同じナンバリングが付されており、決算報告書の信頼性を担保する証明書として、データ処理実績証明書は税務当局をはじめ金融機関等から高い評価を受けています。

 毎月の月次決算を遅滞なく行うことは、自社の成績をタイムリーに把握するために必要であるばかりでなく、対外的にも即座に財務状況を報告することができ、自社を守るために非常に重要な手続きです。巡回監査での月次処理の遅れはデータ処理実績証明書によっても証明されてしまいます。月次決算の重要性を再度御確認下さい。

(担当:田原)

内容へ戻るメインページヘ


2002年7月の税務


┌───────────────────────────────┐
│10日 本年6月分源泉所得税・住民税の納付          │
│   (源泉所得税の納期の特例の適用を受けている場合は    │
│    本年1月〜6月分の源泉所得税を納付)         │
│15日 所得税予定納税額の減額申請              │
│31日 本年5月決算法人の法人税等確定申告          │
│    本年5月決算法人の消費税確定申告           │
│     本年11月決算法人の法人税等中間申告        │
│   <前年度の消費税額が年間48万円超400万円以下の場合>│
│    本年11月決算法人の消費税中間申告          │
│   <前年度の消費税額が年間400万円超の場合>      │
│    翌年2月決算法人の消費税中間申告(第1回分)     │
│    本年11月決算法人の消費税中間申告(第2回分)    │
│    本年8月決算法人の消費税中間申告(第3回分)     │
│    所得税予定納税額第1期分の納付            │
│    固定資産税(都市計画税)第2期分の納付(条例による) │
└───────────────────────────────┘

内容へ戻る


メインページヘ