INFORMATION 2002年9月号

目 次


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雑 感
情 報
シリーズ ビッグバン
シリーズ 『社長になろうと思ったとき!』
情 報 2
事務所よりのお知らせ
2002年10月の税務

雑 感

上 野 茂 樹

<秋の予兆>


 ペイオフを半年後に控え、また延期論議が浮上してきた。誰だって辛い思いはしたくない。偉い先生方が声高に叫ぶ「決済性預金は全額保護すべきだ」という力強い発言は、心地よく伝わってくる。だが延期は、問題を先送りするだけだ。手術で全快できる人に対症療法を繰り返し、段々体力を消耗させ、手遅れにしてしまうようなもの。民主主義も悪い面が出ると衆愚政治に陥る。
 ところで、日本のGDPがどの位あるかご存じだろうか。約500兆円である。米国が約1,100兆円、EU全体で約1,000兆円。貿易立国という言葉に騙されているが、日本は輸出入とも貿易依存度は約8%。米国も約8%であり、先進国で1桁は両国だけである。日本には、巨大な国内消費力がある。換言すれば、手術をしても立ち直れるだけの体力が十分残っている。
 懸念するのは、船頭が多いせいか「痛みを伴う改革」が、座礁しかかっていることだ。巨大国営銀行「郵貯」の改革や道路公団等の改革無くして、金融政策及び財政政策の効果、公共投資の乗数効果も期待できない。経済を活性化させるためには社会主義体制から資本主義体制へと構造改革するしかない。「神の見えざる手」に委ねれば、短期間の痛みで経済は回復基調に転ずるはずだ。
 にもかかわらず、心配なのは我が国の指導者の苛立ちと諦めに似た言動である。衆愚政治の後の専制政治、この歴史の愚は避けたい。ピータ・タスカ氏の近著「神の震撼する日」は、日本に独裁者が現れるストーリー仕立てになっている。日本に対し欧米や中国が潜在的に持つ恐怖心を著したものだそうだ。しかし、小田原評定が続くと、強力な指導者を求める自分があることに気付き怖くなる。
 ところで、我が国は、経済規模も国内需要も大きい。この経済の中で退場企業とデビュー企業が入れ替わる。変革期には、それが一挙に激しく起こる故、退場企業及びその周辺は大変な思いをすることになる。我々も退場企業になるかも知れない恐怖感はある。しかし、我々は絶対生き残るんだ、という信念の下に最大限の努力をするしかない。この秋、これから起きることの予兆が見えるはずだ。

<監査不信>


 米国企業エンロン等の不正会計による破綻で、監査に対する信頼が揺らいでいる。今まで世界一厳格だった米国会計事務所の監査が問題になっている。コンサル部門を持っているから監査が甘くなったという批判が一番強い。日本では禁止しているが、米国ではコンサルと監査は両立しうるというのが定説であった。両立しても監査人の経済的独立性を脅かすことはないとの理由による。
 コンサルへの批判は的を射ていない。米国では半世紀に渡り監査が投資家を始め利害関係者の信頼を勝ち得てきたからだ。それより監査の基本と限界を見直すべきだ。監査の基本は精査である。証憑、伝票、帳簿をひとつひとつ照合し、突合する。しかし、企業規模の拡大は、作業時間とコストを問題とし、内部統制組織の確立を前提に、試査、分析、統計手法を監査手続に多用するようになった。
 更に巨大企業は、監査対象を数字そのものより、コンピュータを使った帳簿管理プログラムや内部監査等、企業内の会計手続きに重点を移した。その結果、中間管理層の帳簿操作は防げるも、企業トップの数字操作は発見不可能となる。監査の経済合理性が、監査の質を落としてしまった。信頼回復のためには「帳簿の数字を証憑に当たってきちんと調べる」監査の原点に可能な限り戻るべきだ。

<経営計画発表会>


 9月2日、UBC第14期経営計画発表会を人材開発センターで行った。12期売上実績が前期比3.6%減、13期売上実績が前期比1.3%増であるから回復に至っていない。また、12期、13期は廃業及び貸倒れが増えた。顧客数の増が減を大きく上回っているものの、多額の貸倒れの発生により売上は伸び悩んでしまった。この傾向は、今期も続くであろう。
 増客の大きな原因は、お客様方のご紹介に依るところが大きい。11期から委員会活動を立ち上げ、12期からは4業種に分け部門特化を推進した。13期に入ると医療・福祉、建設・不動産、卸・小・売サービス、製造・その他の各部門活動が活性化してきた。研修会の開催、ビデオ作成、資格取得等、メンバーが行動するようになった。それを見て、お客様が評価して下さったからだと考える。
 業況は依然厳しい。しかし、経済をマクロの目で見ると、我が国のGDPは凡そ500兆円。経済規模に大きな変化がないと仮定すれば、自社の売上減は、他社の売上増になっていると考えるのが妥当。もちろん業種は異なるかも知れない。それ故、不況という言葉に酔いしれてはいられない。今期も当社は必死である。人財を確保し、勝ち組に成るべく頑張る所存。お互い競争しようではないか。


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情  報


−商法改正〜新株発行規制の緩和−

 昨年、平成13年の商法改正で額面株式が廃止され、株式はすべて無額面株式一本となりました。この改正により新株発行や株式分割などが利用しやすくなり、これまでと比べて、より柔軟な資金調達や資本政策ができるようになりました。今回はこれらの改正ついて簡単に説明していきます。

<額面株式の廃止と無額面株式への一本化>

改正前の額面株式と無額面株式の違い
  額面株式 無額面株式
定款に1株の金額を決める必要
株券に金額の記載
新株を発行する時の発行価額の制限 制限有:額面金額以上(改正前5万円以上) 制限無:自由に決めることができる
株主の権利 同   じ
株式発行時、最低限資本金へ組入が必要な額 額面金額か発行価額の2分の1のいずれか大きい方 発行価額の2分の1以上

改正商法によって 廃止 従来通り発行できる

 今回の商法改正により、額面株式が廃止され、無額面株式に一本化されました。従って、現在発行されている額面株式は、額面に金額の記載があってもすべて無額面株式とみなされ、額面金額は意味が無くなります。
 では何故、額面株式が廃止されたのでしょうか。それには以下のような無額面株式の優位性があるためです。

1.額面株式で新株を発行する場合、額面金額の5万円以上で発行する必要があったため、その会社の株価が5万円を大きく割れている場合は、引受先を見つけるのが困難となり、なかなか増資による資金調達ができませんでした。しかし、無額面株式は、新株発行時に発行価額の制限を受けないため、業績の悪い会社でも資金調達が可能となります。

2.会社の業績が好調で株価が非常に高いため、1株当たりの株価を下げたくても、額面株式は制限が多く対策が難しくなっていました。しかし、無額面株式は額面株式より規制が緩いため対策が取りやすくなります。

3.株主の配当について、以前は「額面に対して1割」などというようにされていましたが、最近は「1株について5円」などというように配当されており、額面というものは使われなくなっていました。また、新株の発行においても、公募による時価発行が一般的となり、額面株式の存在意義はなくなっていました。

<株式分割を利用した中小企業の資本対策>
 株式分割とは既存の株主にタダで株式を割り当てることをいいます。例えば、「時価10万円の株式1株を2株に分割」といった場合には、現在1株を所有している株主は分割により1株増えて、時価5万円の株式2株を所有することになります。一般的には、会社の利益が大きくなり、株式の時価が高くなると、投資家がその会社の株式を買いにくくなるので、割安感をだすため等に株式の分割が行われます。
 株式分割を利用した中小企業の資本対策としては、次のようなことが考えられます。

  1.株式分割を活用した生前贈与による事業継承対策
 会社の業績が好調で1株当たりの時価が高く、贈与税の基礎控除額(年間110万円)を大きく超えているような場合、株式の分割を行い1株当たりの株価を下げることによって、創業者などが後継者に株を贈与する際の贈与税負担を軽減することができます。

2.株式分割を活用した株式公開への対策
 株式公開を行う際には、自社の株式を多くの人に買ってもらう必要があります。従って、株式公開前に株式数を増資や分割などにより増加させ、1株当たりの価格を下げ、公開後には一般の方にも手が届く株価の実現を図る必要があります。商法改正前は、分割についての規制が厳しかった為、増資等によって株式数を増やし、株価を抑える対策が図られていました。しかし、今回の新株発行規制の緩和により、比較的コスト等の面で有利な株式分割で株価を抑える対策が図れるようになりました。

 新株発行や株式分割を行うには、商法に基づき取締役会の開催等の手続きを踏む必要があり、専門的な知識が必要となります。また、場合によっては税務上課税が生ずる場合もありますので、検討・実行される際には事前にご相談下さい。

(担当:山本和也)

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シリーズ ビッグバン


会計ビッグバン 〜退職給付会計〜

 今月号は、多くの企業が抱えている隠れ債務「退職金」の問題を表面化させる目的で登場した「退職給付会計」について退職金制度と共に考えて行きます。

退職金制度とは?
 第二次世界大戦によって全ての産業が荒廃し、一旦活動が止まった日本経済は、戦後まもなく世界でも類を見ないスピードで発展を遂げました。この経済発展に大きく貢献したと言われるのが退職金制度です。
 その当時、経済を発展させ日本を復興させるためには、多くの労働力が必要でした。しかし、戦後の日本企業には、労働力に見合う給料を支払うだけの資金力が無く、その解決策として登場したのが、給料の後払い方法である退職金制度です。若い労働者の労働力を活用し、そこから得ることができた利益を企業が積み立てておき、その労働者が退職した時に退職金と言う形で、給料の精算をすることとしたのが始まりです。
 戦後57年を経過し、現在多くの企業が退職金制度を取り入れています。しかし、将来の債務である退職金に備えた利益が企業に積み立てられているかどうかは疑問です。そこで退職金という将来の債務を財務諸表に反映させる目的で登場したのが『退職給付会計』です。

損益計算書の「退職給付費用」

 退職給付会計を導入していない企業が、退職金を費用として処理するタイミングは原則として退職金を支払った時点となります。その為、定年退職者や自己都合退職者等が多数重なった事業年度では、退職金として処理する費用は膨大な金額となり、時として適正な経営状況の判断を誤らせることがあります。  そこで、退職給付会計では退職金は本来「労働対価の後払いである」という考え方に立ち、その事業年度に従業員の労働によって生みだされた収益から、その事業年度に発生した将来支払うべき退職金相当額を費用として控除することにしたのです。
 具体的には、従業員が退職する時点に必要となる退職金の内、その年一年間に従業員が働いたことによって支払うことが確定した退職金相当額を、その年の「退職給付費用」として費用処理します。これにより、その事業年度の収益を得るために必要となった労働に対する費用の全額が損益計算書に反映されることになり、より正確な企業の経営状況を表すことが出来るようになります。
 ただし「退職給付費用」は税務上損金となりませんので、有税で処理することになります。

貸借対照表の負債「退職給付引当金」
 貸借対照表の負債項目へ計上される「退職給付引当金」は、退職率や死亡率、昇給率などを基礎に従業員が、将来定年等で退職した時点で企業が支払う退職金見込額を予測し、その内その事業年度末までに支払義務が発生していると認められる金額を計算して、更にその金額を現在の価値に割り引いて計算した金額となります。そして、実際に従業員が退職した時には、その金額を退職給付引当金から取崩します。
 また、企業によっては厚生年金基金や適格退職年金等を利用して従業員の退職金の一部を社外へ積立てている場合があります。この場合は、既に社外へ積立済みの金額を差引いて、退職給付引当金を計上することになります。ただし、厚生年金基金等の多くは、有価証券等で運用しているため、その運用状況を考慮した時価金額を社外積立金額として差引くことになります。中には、バブル崩壊後、運用利回りの悪化から掛金よりも積立時価金額が下回り、積み立て不足を多額に抱えてしまうものもあり、結局この積み立て不足を企業側で準備しなければならないケースも出ています。
 また、新たに退職給付会計を導入する際には、過去の積立不足分を、制度導入年度に全額費用処理する必要が出てきます。しかし制度導入年度だけで全額費用処理を行なうと、その年の損益に与える影響が大きすぎる為、特別に制度導入前の不足額は最長15年間で費用処理することが認められています。いずれにしても長年かけて出来上がった債務を処理することは、企業にとって大きなダメージとなりそうです。今後の課題としては、積立不足額を発生させている厚生年金基金等の見直し、または退職金制度自体の変革、現在注目されている確定拠出型企業年金(日本版401Kプラン)の導入等、長期的な視点に立った意思決定が必要となってくるでしょう。   シリーズでお送りした「会計ビッグバン」も今月号の退職給付会計で、一旦終了となります。IT(情報技術)の発達とともに金融や証券市場の国際化は急速に進んでおり、今後も多くの改正が予定されております。日本の会計制度は今、グローバルスタンダードに合わせて本格的に動きだしています。

(担当:乙黒智子)

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シリーズ『社長になろうと思ったとき!』


第66回 「保証人と連帯保証人」 Part2


 前回は、保証人と連帯保証人について勉強してきました。今回は保証人や連帯保証人の具体例について勉強していきます。

友達「こんにちは。友人といろいろ話し合った結果、私が借入をする時に    は保証人になってもらうという事で連帯保証人を引き受けました。    ひとつ、気になっているのですが途中で保証人や連帯保証人をやめ    る事はできるのですか?」                   先輩「原則はダメだよ。でも、やめられる可能性もあるから覚えておくと    良いよ。」                          ┌─保証人をやめられるケース──────────────────┐ │すでに貸付が実行されてしまえばやめられませんが、その前の段階で│ │銀行に書類が届く前ならば、保証人としての契約を撤回できます。し│ │かし、銀行に書類が届いてしまえば、もう撤回する事はできません。│ │ただし、銀行が認めてくれれば撤回も可能ですが、実際には特別な事│ │情がない限り認める事はないと思います。            │ └───────────────────────────────┘ 友達「いずれにしても、途中でやめる事は無理そうですね。」      先輩「そうだね。保証契約の中に、途中でやめられる内容等を盛り込んで    いれば、可能性はあるかもしれないけどね。じゃあ、保証人になっ    ていた為に巻き込まれたトラブル事例を紹介するよ。」      Q1 知人の会社社長から「経営は順調だから頼むよ。」といわれたA氏   は安心して銀行からの借入の連帯保証人となりました。ところが、そ   の会社は1ヶ月後に倒産し、A氏は銀行から支払いの請求をされまし   た。後で調べると、連帯保証人になった時には、すでに知人の会社は   倒産寸前の状態だったという事でした。この場合A氏は銀行からの請   求を拒む事はできるでしょうか?                 A1 保証人としての契約はA氏と銀行が取り交わしたものです。確かに   詐欺によりダマされて契約したという場合には契約を取り消す事がで   きます。しかし、その事情を知らない銀行に対しては取消を主張する   事はできません。これは、法律用語の善意の第三者に銀行がなるから   です。逆に銀行がA氏がダマされている事を知っていて、保証契約を   したという場合には銀行は悪意の第三者となり、A氏は契約の取消を   主張できる事になりますが、それを証明しなければなりません。従っ   て、このケースではA氏が銀行からの請求を拒む事は不可能です。  Q2 B氏は友人のC氏から、B氏以外にも保証人がいるから安心して保   証人になって欲しいと頼まれ、C氏の借入の保証人となりました。と   ころが、後日B氏以外は保証人になる事に同意せず、結局保証人はB   氏一人だけという事が分かりました。B氏は他に保証人がいる事が条   件だったので銀行に対して保証責任を負わないと主張できますか?  A2 銀行に対して、他に保証人がいる事が条件である旨を明示していれ   ば、裁判になっても争う事ができますが、そうでなければ責任を負わ   ざるを得ません。                        先輩「どうだい。やはり、保証人や連帯保証人には、ならない方が良いと    実感させられるだろ?」                    友達「そうですね。でも、私も連帯保証人となった以上はその責任を負っ    ていかなければならないですからね。何とか友人が無事に全額を返    済してくれることを祈りますよ。それから、一つ教えてもらいたい    のですが、私の土地に根抵当権が設定されているのですが、抵当権    と根抵当権は何か違うのですか?」               先輩「じゃあ、簡単に説明しよう。」                 ┌─抵当権と根抵当権とは────────────────────┐ │抵当権とは、例えば、3,000万円の借金をする為に、3,000│ │万円の抵当権を付けるような場合であり、あらかじめ借金の額が決ま│ │っています。しかし、商売をやっていれば、借金の額がいくらかとい│ │う事は特定できません。そこで、最大限3,000万円(極度額)ま│ │でという抵当権を付けます。これが根抵当権となります。     │ └───────────────────────────────┘ 先輩「それから、根抵当権で注意するのは、極度額がいくらかという事と    いつ極度額の元本が特定するかという事なんだ。仮に君がその土地    を友人の借入1,000万円の担保にする事を決めた場合でも、そ    の土地に極度額が5,000万円という根抵当権が設定されていれ    ばどうなると思う?」                     友達「もし、元本の特定する日までに友人が5,000万円の借金をして    いれば、私は1,000万円の保証のつもりでいても5,000万    円の負担をしなければならない事になるという事ですね!そういえ    ば、この間の保証には極度額があったような・・・」      

 前回に引き続き、保証について勉強をしてきました。保証人や連帯保証人としての知識を高め、トラブルに巻き込まれないように最善の注意を払っていきましょう。また、抵当権や根抵当権についても条件がどのようになっているかをご確認下さい。

(担当:山本大吾)
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情  報 2


テレビCMで
 最近流れている某証券会社のテレビCMです。「おい、源泉分離課税が今年いっぱいでなくなるそうだぞ。」「えっ! 今年いっぱいで?」そして、そりゃ大変だとばかりに全員が駆け出していく。これを見て、「何が大変なの? もしかして私も大損してしまうの?」と不安になった方はいないでしょうか。これには、株式の売却利益に対する課税方法を定めた「証券税制」の改正が関係しています。

何が大変か?
 既にインフォメーション222号(2001年12月号)でも一部お伝えしているように、今回の複雑怪奇な改正を理解するだけでも大変なことです。各証券会社では、繰り返し開催する投資家向けセミナーの講師に税理士を招くほどです。さて、大変なことのひとつ目は、テレビCMでもいっているように「源泉分離課税」の廃止です。源泉分離課税とは、上場株式を売却した場合に、たとえ多額の利益が出ていても売却額の1.05%を所得税として差引かれるだけで納税が完結し、改めて自分で確定申告をする煩わしさも無いという、忙しい投資家にとってはありがたい制度です。これが廃止となれば、全ての投資家の皆様は、原則翌年の3月には確定申告をしなければなりません。

タンス株券
 大変なことのふたつ目は、その年にいくらの売却損益が出たかを自分で計算しなければならない点です。売った金額から買った金額を差引いて、証券会社への手数料を必要経費として差引くという単純な計算です。しかし、「買った金額」が分からない場合が多いのです。例えば、むかし親から貰って金庫やタンスの奥に入れっ放しになっている株券などは、いくらで買ったか分からないので計算のしようがありません。一説にはこのようなタンス株券は全国に数十兆円あるといわれています。

特定口座
 これまで確定申告に無縁の方が、その年の損得を計算して申告するには大変な労力と時間が必要です。また、ただでさえ混んでいる申告時期の税務署が更に混雑することは目に見えています。そのような問題に対処するために、証券会社が計算を代行して税金を納めておいてくれる新たな制度が作られました。それが「特定口座」を使った取引です。上場株式を「特定口座」を通して取引すれば、毎月の損得計算をして、利益が出た場合は納税まで済ませてくれます。(税率は利益の15%)もちろん確定申告も要りません。ただしそのままにしておくと、一定の要件を満たした場合の非課税枠の利用や、損が出た場合の翌年への繰越しなどの特例が使えません。その場合は改めて確定申告をする必要があります。


買った金額は?
 所得税法には買った金額(取得価額)が不明な場合は、売却額の5%としても良いという規定があります。つまり取得価額不明のタンス株券は売却額の95%が儲けだということになります。しかしこれでは多額の税金が発生してしまいます。そこで証券会社がしきりに勧めているのがクロス取引です。源泉分離課税が使える今年中に一旦売却して売却額の1.05%の税金を払い、すぐに買い戻すという方法です。買い戻した金額が明確な取得価額になるから、本当に売りたい時に面倒が無いですよという訳です。確かにハッキリして良いのですが、気を付けたい事があります。それは今回の証券税制改正で新たに設けられた特例で、平成15年から平成22年の売却については、平成13年10月1日の株価の80%を取得価額としても良いという規定です。 この金額が現在の株価よりも低い場合は、クロス取引が有効ですが、高い場合は逆に損をしてしまうことも考えられますので、株価と税制を比べながらの難しい選択を迫られそうです。

 今回の証券税制改正は大変複雑な改正になっています。それだけに知らないで損したということも起こりそうです。内容をよく確認して少しでも有利な資産運用に役立てて下さい。

(担当:乙黒謙一)

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事務所よりのお知らせ


 恒例のUBCグループ経営計画発表会を9月2日に開催しました。建設・労務関連・OA・医療・ISO・業務改善・書面添付の各委員会が昨年度の活動内容と反省点、そして今年度の計画を発表し、顧問先への新たな情報提供やサービスの拡充、そして、顧問先拡大に向けた取り組みを確認しました。


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2002年10月の税務


┌─────────────────────────────────┐
│10日 本年9月分源泉所得税・住民税の納付            │
│15日 特別農業所得者への予定納税基準額等の通知         │
│31日 本年8月決算法人の法人税等確定申告            │
│    本年8月決算法人の消費税確定申告             │
│    翌年2月決算法人の法人税等中間申告            │
│    <前年度の消費税額が年間48万円超400万円以下の場合> │
│    翌年2月決算法人の消費税中間申告             │
│    <前年度の消費税額が年間400万円超の場合>       │
│    翌年5月決算法人の消費税中間申告(第1回分)       │
│    翌年2月決算法人の消費税中間申告(第2回分)       │
│    本年11月決算法人の消費税中間申告(第3回分)      │
│    住民税第3期分の納付(条例による)            │
└─────────────────────────────────┘

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