INFORMATION 97年4月号


目 次


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雑 感
情 報
改正消費税Q&A
シリーズ消費税改正 その10
シリーズ「社長になろうと思ったとき!」


雑 感


上 野 茂 樹

<消費税改正と経営者の役割>

 3月5日、28日と日経ベンチャー経営者クラブの「改正消費税」の講師をさせて戴いた。消費税に関する経営者の反応は、鈍い。また、消費者という立場での反応も、マスコミ報道で一時的に火がついたぐらいで、やはり鈍い。3%が5%になっただけじゃないか。目くじら立てる程のことではあるまい。これが一般的な受け止め方のようだ。恐らく、標準家庭で収入の50%以上を、税金もしくは、社会保険料として徴収されない限り、国民感情は、こんなものであろう。
 とはいえ、企業経営者は、もうちょっと改正消費税を真剣に考えて欲しい。これが私の本音である。「経理のことは、担当者と会計事務所に任せておけばいい。社長たるもの経営全般を見なければならぬ。そんなことに時間が割けるか。」ごもっともな言い分である。しかし、消費税は、取引毎に課税する流通税、経営戦略に最も近いところにある。軽々に扱うことは出来まい。
 平成9年4月1日は、消費税(附加価値税)が、試用期間を終えてやっと本採用になった記念日(?)である。私の口癖だが、中小企業の長所は、TOP DOWNで、決断の早いことだ。それを消費税改正でも活かしてほしい。改正消費税は、附加価値税=INVOICE方式へ大転換なのである。会社を守るため取引先と交渉しなければならないことが、多々起きてくる。経営効率化のためのOA化も大きな課題。これは、TOP主導でなければ出来ないこと。だからこそ、経営者も消費税改正のポイントぐらい熟知して欲しい。

<景気回復>

最近倒産事件が身近に感じられるようになった。ここ数年は、よその世界の出来事と思っていただけに、ピーンとくるものがある。今年は、年明けから相談が多い。行き詰まってしまった者と、巻き込まれてしまった者の両方からだ。どちらも耐えに耐えてきた者たち。
 日々、巡回監査後のデータを見てコメントしている私としては、景気は順調に回復基調に在るとの実感がある。にもかかわらず、この手の相談が多い。いや多すぎる。私が最近、多忙な原因の一つである。
 皆さんは、どう判断されるだろう。円安基調の影響もあって、国内製造業は良くなってきた。景気は回復しつつあるのに、何故バタバタ行くのか。私はこう考える。あくまでも実務家の経験則であるが、この手の相談が増えるときは、景気が底をつき、上昇に転じたときである。
 景気が後退すると、まず放漫経営の企業から潰れる。つぎに巻き込まれた企業。残った企業は、ひたすら耐える。そして、上昇に転じたその瞬間、その幾つかは、息絶えてしまう。何とも悲しい。つまり、離陸を支えるだけの燃料が残っていなかったという訳である。
 仕事はある。しかし、資金がない。土地の担保価値が下がり、枠がない、融資が受けられぬ。こんな現実を思い浮かべて見れば、得心してもらえよう。故に、こんな時こそ、行動は慎重に。

<ガリバーウォーク>

 毎朝の散歩コースに、3月下旬頃から、ツバメが巣作りを始めた。今年は例年になく早いような気がする。
 寒い時期の早朝の散歩は、体に良くないと医者のアドバイスを受け、1月下旬頃から2月下旬にかけてお休みしていた。さて、そろそろと思ったら、目が痒く鼻が詰まる。頭が重い。忙しい時期に寝込むような病気では困ると思い、医者に行くと花粉症の診断。驚いてしまった。田舎育ちの私には絶対縁の無い病気と確信していたからだ。そんなこともあって、散歩の再開は、3月下旬になってしまった。
そんな折り、前日経ベンチャーの編集長 高橋銀次郎氏が「日経ヘルス」という雑誌の5月号増刊を送ってくれた。日経BP社から新しく発行される健康誌で氏が発行人兼編集長になっている。なかなか面白い。その中に「ガリバーウォーク」という特集があった。それは大股で歩き、太股前面の大腿四頭筋を強くするのを始めとして、下半身を強化するというものだ。すると持久力を出す「赤筋」が鍛えられる。詳しくは本を読んでもらうと良い。とにかく私にとって注目すべきは、これによって内臓脂肪を燃やしてくれるということ。おなかの脂肪が無くなってくれることを夢見て、毎日せっせと歩いている。

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情 報



 平成9年4月は改正消費税法の施行、法定労働時間に関する猶予措置の廃止(週40時間制への移行)を
はじめとして、商標法の改定や容器ごみリサイクル法の制定等、例年になく慌ただしい月と感じている方も
多いことでしょう。また、平成9年3月24日には印紙税や不動産取得税等の不動産取得促進を中心とした
平成9年度の税制改正法案が可決されています。


1.平成9年度税制改正


 平成9年度の税制改正法案が3月24日の参議院本会議で可決され、成立しました。今年の改正は、4月
1日からアップした消費税の影響により、住宅等の需要が減少することを懸念し、住宅取得促進に係る税制
改正が数多く盛り込まれています。この中で印紙税は下記の通り改正されました。当社で進呈している平成
9年度版デスクマットの一部も変更となりますので、ご注意下さい。

  平成9年4月1日から平成11年3月31日までの間に作成される、
  「不動産譲渡契約書」及び「工事請負契約書」に係る印紙税
  が次の通り引き下げられます。
                                                                       
         ┌───────────────┬──────┬───────┐    
         │        契 約 金 額        │ 改 正 前  │   改 正 後   │    
         ├───────────────┼──────┼───────┤    
         │  1,000万円超 5,000万円以下  │    2万円   │   1万5千円   │    
         ├───────────────┼──────┼───────┤    
         │  5,000万円超   1億円以下  │    6万円   │   4万5千円   │    
         ├───────────────┼──────┼───────┤    
         │      1億円超   5億円以下  │   10万円   │      8万円   │    
         ├───────────────┼──────┼───────┤    
         │      5億円超   10億円以下  |   20万円   │     18万円   │    
         ├───────────────┼──────┼───────┤    
         │     10億円超   50億円以下 │   40万円   │     36万円   │    
         ├───────────────┼──────┼───────┤    
         │     50億円超                 │   60万円   │     54万円   │    
         └───────────────┴──────┴───────┘


2.法定労働時間の猶予措置廃止(週40時間制への移行) 


○指導期間

 主に中小企業に認められていた法定労働時間の猶予措置が廃止になり、一部の事業所を除き法定労働時間
が平成9年4月1日より週40時間となりました。しかし労働省の調査では、3月末で猶予措置が期限切れ
となる事業所は全事業所の約50%あり、このうち4月時点で週40時間を達成出来ない事業所は約44%
と見込まれています。そこで、労働省では時短促進法を改正し、円滑な週40時間への移行及び週40時間
制の定着を図るため、向こう2年間を指導期間とし、さらに時短方法の指導や省力化投資への助成金の支給
期間を延長することとしました。
 一部の事業所では、この指導期間を週40時間の実質的な猶予期間の再延長と誤解しているようです。し
かし、この2年間はあくまで指導期間であり、猶予期間の延長ではありません。指導期間は、大企
業の下請け企業などが自分の都合で段取りの変更が出来ない場合が多いため、週40時間への対応が遅れて
いることを考慮して、2年間は違反があっても直ちに摘発せず行政指導に重点をおくというもので、原則週
40時間には変わりないのです。従って、達成していない場合はやはり労働基準法違反であり、特
に悪質な場合は摘発されることもあります。

○週40時間のためのワンポイント留意点

その1 休日労働

 労働基準法では「法で定める休日」(以下、法定休日という)に労働した場合、休日労働の割増賃金を支
払わなければならないことになっています。この法定休日については次の通り規定しています。

 「法定休日」・・・毎週少なくとも1日若しくは4週を通じて4日以上労働者に対して与えられる休日。

 例えば、完全週休2日制の事業所で2日の休日の内1日を労働させたとしても、毎週1日という最低の法
定休日は守られているので、原則として休日労働には該当せず、休日労働の割増賃金の支給はしなくても良
いことになります。ただし、この休日出勤により週の労働時間が所定労働時間をオーバーした場合には、そ
の分についての時間外手当は支給する必要があります。

その2 振替休日と代休

 業務の都合によっては法定休日に労働しなければならないこともあります。このような場合にはその法定
休日に労働した代わりに他の日を休日とすることがあります。同じ代わりの休日であっても「いつ休日にす
るか」を指定する時期によって、「振替休日」と「代休」の二つに分けられ、労働基準法上の取り扱いが大
きく変わります。休日労働させる前に伝えた場合は「振替休日」となり、特に割増賃金を支払う必要はあり
ません。しかし、休日労働させた後などに伝えた場合は「代休」に該当し、この場合はあくまでも休日労働
となるため、原則として割増賃金を支払うことになります。振替休日を適用するためには、下記の条件をす
べて満たさなくてはなりません。また、振替休日のつもりであっても代休となるケースが有りますので注意
が必要です。

<振替休日となるための条件>

 (1)就業規則で休日の振替措置をとる旨が定めてあること。
 (2)振替えるべき日を遅くとも前日の業務終了時刻までに特定し、周知すること。
 (3)振替日はその日を含む4週間以内とすること。

<代休になってしまうケース>

 上記振替休日の条件を備えていない場合には、別に休日を与えたとしても代休となってしまいます。
  例えば・・・

 (1)「いつか代わりの休日を与える」と事前通知して休日労働させるケース
 (2)休日労働させた後で「後日、休日を取るように」と事後通知したケース

 いずれの場合も、特定の休日を労働日と振替える措置を事前にとっていないため、労働した日は
「休日労働」の扱いとなり、後日与える休日は「代休」として扱われます。

(担当:篠原・井上)

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改正消費税Q&A


実務上の問題点


 今回は、これまでに開催した改正消費税法研修会において関与先の皆様から出された質問を中心に、消費
税改正によって起こった問題点について考えてみたいと思います。

<納付税額の増加>

Q1 消費税の改正により納める税額はどのくらい増えますか? 

A1 課税売上や課税仕入の内容に変動が無いものとして税率の増加だけを考えてみます。例えばこれまで
    年間100万円の消費税を納付していた場合、今後は約166万円の納付になると予想されます。さら
    に、これまで簡易課税制度を選択していた第4種事業者で、今後は第5種事業に該当する場合は、事業
    年度などによっても異なりますが、これまで年間100万円の納付額が約212万円に増額します。

Q2  預かった消費税が運転資金に回り、納付が遅れてしまう業者が多いと聞きましたが、納付が期限を過
    ぎた場合に罰則はありますか?

A2 法人税などと同様に、消費税の納付が期限を過ぎてしまった場合には、年率で14.6%(納期限の
    翌日から2ヶ月間は7.3%)の延滞税が課されます。また、誤って税額を少なく申告した場合は過少
    申告加算税が、申告を忘れてしまった場合は無申告加算税が課されてしまいますので、期限内に適正な
    申告及び納付をすることが大切です。
   さらに消費税の滞納などによる不利益はこれだけではありません。地方自治体が実施する入札へ参加
    する際や、自治体の制度融資を受ける際には、法人税(個人の場合は所得税)などの納税証明書の提示
    を求められまが、今後はこれに消費税の納税証明書も追加されることが予想されます。消費税を滞納し
    た場合には入札に参加できなくなるなど経営に大きな影響が生じることとなりますので注意が必要です。
   
Q3  納税資金の準備はどのようにすれば良いですか?

A3 消費税は、消費者からの預り金としての性格を有しています。よって営業のための運転資金とは別枠
    で準備する事ができれば最良です。今後は納税額の増加が予想されるため、納付時に慌てないようにあ
    る程度の納付額を予測してそれに見合った金額を毎月積み立てて行くなどして計画的に資金を確保して
    下さい。

<4月1日をまたぐ取引>

Q4  経過措置の適用を受けない請負工事について、施主から3月までに進んだ工事分については3%、4
    月以降の工事分については5%の消費税を払えば良いのではないかと言われましたが・・・?

A4 消費税は原則として商品の引き渡し時やサービスの完了時に発生する税金です。請負工事の場合は、
    請負った物件の全部が完成してこれを引き渡した時に消費税が発生しその時点での税率が適用されるた
    め、ご質問のケースでは請負金額全体に対して5%の税率となります。

Q5  3月末までに終わる約束で今年の1月に契約した工事について、天候不順などのやむを得ない理由で
    工期が延びてしまい4月1日以降の引き渡しとなりそうですが、この場合の消費税率は3%でよいでし
    ょうか?

A5 経過措置の適用がなく引き渡しが4月1日以降になる工事については、理由の如何にかかわらず消費
    税率は5%となります。

Q6  上記のような場合は、施主から2%分の消費税を追加で入金してもらうことは困難と思われますがど
    うすれば良いですか?
       
A6 施主の理解が得られればそれに越したことはありませんが、契約の経緯などの関係で難しい場合が多
    いようです。これに似た事例が自動車販売業界に起きているようですのでご紹介します。
      自動車の引き渡しは陸運局への登録が終了した以降でなければ出来ませんが、人気のある車種は注文
    してから数ヶ月待ちという場合もあり、4月1日には間に合わないという事態も発生します。何ヶ月も
    前に注文した購入者としては、ディーラー側の都合によって支払額が増加することには納得できないわ
    けです。だからといってディーラーも消費税をおまけすると言ったのでは、いわゆる公取法に触れる恐
    れがあります。そこでやむを得ず本体部分の値引き幅を増額して総額の調整を行うことで購入者に納得
    していただいているようです。

<仕入税額控除>

Q7  経費の支払いを銀行振込で行った場合には、振込票の控えを領収書の代わりとしておりますが、これ
    で仕入税額控除は受けられますか?
       
A7 振込票の控えでは支払いの事実は証明できますが、購入品名や支払いの内容が分からないので、仕入
    税額控除を行うための全ての要件は満たさず、仕入れ税額控除は行えません。仕入税額控除を行うため
    には支払いの根拠となった請求書などが必要です。 

Q8  下請け業者からの請求書で「別紙見積書の通り」と記載されたものを受け取っていますが、仕入税額
    控除は可能ですか?
      
A8 ご質問の「別紙見積書の通り」という記載では内容が不明であるためその請求書だけでは仕入税額控
    除は行えません。しかし、該当する見積書を請求書とともに保存し、いつでも確認可能な状態にしてお
    くことで仕入れ税額控除は可能となります。今後は、事務量の削減を計るためにも下請業者に対して内
    容が明確な請求書の発行を依頼して下さい。

(担当:乙黒謙一)

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シリーズ消費税改正 その10


改正後も抱える問題点



社   長「いよいよ改正消費税が施行されたな。」

経理担当者「はい、かなり前から準備を進めていましたが、やっぱり実際にやってみると結構大変ですね。」

社   長「何を言っているんだ。早くも消費税率10%なんて言う話しも出ているし、食料品だけの軽減
      税率なども検討されているんだぞ。これからはもっと複雑になるかも知れないよ。」

経理担当者「えっ!もっと複雑になるんですか?とほほ...」

監査担当者「消費税率10%なんて、ずいぶん先のことを考えていますね。」

社   長「そんなことは無いぞ、欧米諸国の税率や今の日本の財政を考えると近い将来5%ではやってい
            けないかもしれないと言われているじゃないか。」

監査担当者「おっしゃるとおりです。おそらく今後、消費税の重要性は増すことになります。今回は、改正
            後も抱えている実務上の問題点として『簡易課税制度』を取り上げてみたいと思います。」

                       
簡易課税制度のおさらい
監査担当者「簡易課税方式というのは、課税売上にかかる消費税額から、その額に所定のみなし仕入率を乗 じて計算した金額を差し引いて、納税額を求める方法です。みなし仕入率は、業種に応じてあ らかじめ定められています。」 簡易課税のみなし 仕入率 ┌─────┬──────┬───────────────────────────┐ │ 事業区分 │みなし仕入率│ 事業の種類       │ ├─────┼──────┼───────────────────────────┤ │第一種事業│  90%  │ 卸売業(他の者から購入した商品を、その性質及び形状を │ │     │      │ 変更しないで他の事業者に対して販売する事業) │ ├─────┼──────┼───────────────────────────┤ │第二種事業│  80%  │ 小売業(他の者から購入した商品を、その性質及び形状を │ │ │ │ 変更しないで販売する事業で、第一種事業以外のもの) │ │ │ │ 注)食料品小売業が行う「加熱を伴わない軽微な加工を施 │ │     │      │ しての販売」は第二種事業 │ ├─────┼──────┼───────────────────────────┤ │第三種事業│  70%  │ 農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を │ │     │      │ 含む)電気業、ガス業、熱供給業、水道業 │ ├─────┼──────┼───────────────────────────┤ │第四種事業│  60%  │ 第一種、第二種、第三種及び第五種事業以外の事業   │ │     │      │ 例)飲食店業、金融・保険業等 │ │     │      │ 注)事業用固定資産、不要物品等の売却は第四種事業 │ ├─────┼──────┼───--───────────────────────┤ │第五種事業│  50%  │ 不動産業、運輸・通信業、サービス業(飲食店業を除く) │ └─────┴──────┴───────────────────────────┘ 経理担当者 「こで注意する点は、1つの事業所でも複数の取引をしている場合、その取引ごとに事業区分       を判断しなくてはならないということですよね。」 監査担当者「はい、そこが簡易課税制度を難しくしている理由なんです。」
簡易課税制度は複雑課税制度?
監査担当者「先ほども説明したとおり、簡易課税方式の計算と切っても切り離せないのが業種の判断です。 今回の改正により新たに業種の範囲が増えたため、自社の取引が第何種事業に該当するかの業 種の判断がより難しくなったと言えます。」 社   長「難しくなったと言っても、4つの業種が5つになるだけでそんなに大したことないだろう。」 監査担当者「いいえ、他にも問題点があります。例えば、あるお肉屋さんが、下の表のような業務内容だっ た場合、簡易課税制度の事業区分の適用は次のようになります。」 お肉屋さんの事業区分 ┌─────────────────────-┬──────┬──────-┐ │ 業務内容 │ 事業区分 │ みなし仕入率│ ├─────────────────────-┼──────┼──────-┤ │ 精肉を会社や個人事業者に販売した場合   │ 第一種事業 │  90% │ ├────────────-─────────┼──────┼──────-┤ │ 精肉を一般消費者に販売した場合    │ 第二種事業 │  80% │ ├─────────────────────-┼──────┼──────-┤ │ 自家製コロッケなどの加工食品を販売した場合│ 第三種事業 │  70% │ ├─────────────────────-┼──────┼──────-┤ │ 食堂の経営 │ 第四種事業 │  60% │ ├─────────────────────-┼──────┼──────-┤ │ 駐車場の貸し付け │ 第五種事業 │  50% │ └─────────────────────-┴──────┴──────-┘ 経理担当者「1つのお店に5つの事業があるなんて大変だ。これを全部分けるんですか?」 監査担当者「はい、消費税の申告をするときには各事業ごとに売り上げを分けて、それぞれにみなし仕入率 をかけて消費税の計算をします。今まで4つの事業区分でも難しかったものが、今度は5つの 事業に分けなければならないのですから、実務上は大変困難になります。例えばそのお客さん が事業者(卸売り)なのか消費者(小売り)なのかを個々の取引ごとに判断し、それぞれの売 り上げを分けるという作業は不可能ではないかと思います。」 社   長「確かに、これは複雑だわい。」
これからの簡易課税制度
経理担当者「今回の改正の中に、簡易課税制度の適用限度額が基準期間の課税売上高4億円から2億円にな ったことも何か理由があるんでしょうか。」 社   長「それは君、本則課税方式が本来の姿なんだから、簡易課税制度を適用している事業所をだんだ んと減らしていくのが目的だろう。」 監査担当者「簡易課税制度は問題点が多く、その問題点を解決しようとするとさらに複雑になる可能性があ ります。しかし、比較的規模が小さく事業内容も単一だった場合、簡易課税制度の方が事務負 担が少なくなるため簡易課税制度は廃止されないのではないでしょうか。」 社   長「でも、おそらく適用限度額はどんどん下がって、本当に規模が小さい事業所でないと適用でき なくなるんだろうなあ。まあ、うちはもっと売上を伸ばさなくちゃならないから本則課税方式 で行くことになるだろう。」 経理担当者「そうですね、私も今からうちの会社の事業区分の判断なんて出来ませんので、そのためにも売 り上げを伸ばして本則課税で行きましょう!」 社   長「やれやれ、ずいぶん簡単に言うヤツだなあ...」

(担当:野呂瀬)

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シリーズ『社長になろうと思ったとき!』


第10回 従業員の募集


 友達の会社もいよいよ従業員の募集をすることになったようです。さて、従業員の募集についてどの様に
したら良いのでしょうか。おや、先輩からの電話が掛かってきたようです。

先輩
  「どうだい調子は?なかなか順調そうだけど。」

友達
 「どうも先輩。順調なんだけど忙しくて人手が足りないんだよ。早く従業員を雇わなきゃ。」

先輩
 「開業早々に嬉しいことじゃないか。この調子でどんどんお客さんが来ればいいねえ。えーと、従業員の
  募集方法だね。」

友達
 「そうなんですよ、なるべくお金をかけないで優秀な人材を採用したいのですが、何か良い方法を教えて
  下さいよ。」

先輩
 「わかった、わかった。やっぱり、君の言うように従業員の募集で最大のネックになるのはお金なんだ。
   資金的に余裕があれば多種多様な手段を使った求人広告も出来るけどね。君みたいに開業当初は募集費
    用までは手がまわらないのが実状なんだ。よし、早速費用を抑え、優秀な人材を確保する方法を伝授す
    るよ。」 

     ┌─従業員募集のコツ─────────────────────────┐
     │ お金をかけないで優秀な人材を確保するには、アイデア勝負と頭を切り換│
     │えることです。どんな募集方法を選んだとしても、大切なのはあなたの熱意│
     │と創意工夫です。基本は人任せにせず、自分から働きかける姿勢が求められ│
     │ます。                                                              │
     └──────────────────────────────────┘

 従業員募集の種類とメリット・デメリット


1.縁故による募集

 友人・知人・親類に紹介してもらう縁故募集は、最も手っ取り早い方法です。

    メリット  ・・・(1)費用がかからない。(2)事前に経歴や人柄が分かる。
    デメリット・・・(1)必ずしも欲しい人材が集まるとは限らない。(2)誰々の知り合いや子供となると、
                     面接でダメだと思っても、不採用とは言いづらい。(3)上下関係がなれ合いになって
                     しまう可能性がある。縁故募集の決め手は、その人物に関する正確な情報収集と気
                     兼ねを取り除いた公正な評価にあります。 

2.学校を利用した募集


  新規学卒者を採用したいのなら学校へ求人を申し込む方法もあります。目的(専門)に合わせて申し込む
学校を選んで下さい。例えば、経理事務員ならば、経理専門学校や商業学校といった具合です。

    メリット  ・・・(1)無料で紹介してもらえる。
    デメリット・・・(1)就職担当の先生の意見が生徒の就職先の決定に影響を及ぼす傾向が強い。(2)手当
                     たり次第に申し込んでも希望する人材は集まらない。

 まず、大切なことは就職担当の先生にあなたの顔を覚えてもらい、地道なコミュニケーションを図ること
です。そして、先生とあなたとの間に良好な関係を築くことができれば、「この社長なら、うちの生徒を任
せても大丈夫」と思ってもらえるでしょう。

3.公共職業安定所による募集

  最近、「ハローワーク」とも呼ばれるようになった公共職業安定所では、総合職業紹介サービス等、多彩
なサービスを展開しています。求人の申し込みをする場合は、求人申込書に事業内容、従業員数、採用する
職種、就業時間、休日、給与、社会保険加入の有無等を記入します。ここで特に注意しなければならないの
は、次の点です。

・内容を出来るだけ詳しく書くこと。

 「一般事務」とだけ書くのではなく、例えば、「伝票記入、ワープロ」という具合に詳しく書いておくと、
相手も具体的なイメージをつかむことが出来ます。

・背伸びをした条件を書かないこと。

  大勢の人に面接に来てもらいたいために、背伸びをした雇用条件を書いてはいけません。例えば、給与は
20万円と書いてあったのに実際に採用されてみると18万円だったというようではトラブルのもとになり
ます。あなたの事業に見合った「等身大の条件」を出すように心掛けて下さい。

    メリット  ・・・(1)無料で紹介してもらえる。就職の特に困難な人、つまり高齢者等などを雇い入れる
                     と、国から助成金が支給される。
    デメリット・・・(1)上に記載したように条件面でのトラブルが起こりやすい。そのトラブルを避けるた
                     めにも求人申込書の記入の時にはハローワークの担当者に相談をした方が良いでしょ
                     う。
 開業ホヤホヤの会社にとってはハローワークは使い勝手のある求人ツールです。

先輩
 「このぐらいがなるべくお金がかからない募集の方法なんだ。お金をかけて募集する方法としては新聞等
    の方法もあるんだけど、今話した方法の中から選んだらどうかな?」

友達
 「そうだなあ。やっぱりハローワークが一番良いのかなあ。」

先輩
 「そうだね。やっぱりお金がかからないことは一番の魅力だね。それに働きたい人が一番集まっていると
    ころでもあるしね。」

友達
 「それと、就職の困難な人を雇うと国から助成金をもらえると言っていたけどどういう事なのか教えてく
    れないか。あっ。閉店時間だ。じゃあまた電話をするから助成金のことを教えて下さいね。」

先輩
 「勝手なヤツだな・・・。」

 今回は、従業員の募集方法について勉強をしました。いずれにしましても「企業は人なり」と言うように
優秀な人材の確保が企業の発展には重要です。

(担当:山本・田中)

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