INFORMATION 97年11月号

目 次


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雑 感
シリーズ ビッグバン
実践年末調整講座
シリーズ「社長になろうと思ったとき!」
情 報

雑 感

上 野 茂 樹

<世 相>

 11月を迎え、ホッと一息と言ったところである。この2ヶ月間なんと慌ただしかったことか。50歳近くになって、また以前のナポレオン的生活に戻るとは思わなかった。人の心の難しさを改めて思い知らされた。体のきついのは気力でカバー出来る。しかし、心理的ダメージと言うのは、相当応える。気がつけば、紅葉の季節。穏やかな気候に、心がなごむ。
世情に目を転じれば、霜月に入って1週間、なにやら騒がしい。香港市場から始まった株価の暴落は、東京、ニューヨークと市場を混乱させている。マスコミも、またぞろ大不況到来の合唱を始めた。本当だろうか。毎日、クライアントのデータに目を通しコメントしている私としては、いささか合点がいかない。結構業績は、回復基調にある。もちろん、全般的に落ち込んでいる業種もある。しかし、その中にあって順調に実績を上げている企業もある。
 今株価の落ち込んでいる企業は、不動産投資に失敗した建設関連企業、及びこれに融資をした金融関連企業。いずれもバブルの後遺症。マクロで見た場合、これらの企業が景気の足を引っ張っているようだ。そのような中で、金融機関は、来年の3月までに不良債権を明らかにしなければならないそうだ。当然混乱はあろうが、戦後50年の澱をきれいさっぱり洗い流して再出発するには良い機会だ。バブルの崩壊以降、制度をずいぶんいじくり回した。しかし、そこからは、何も生まれていない。やはり規制を捨て、競争原理に委ねるしかないではないか。時流を敏感にとらえ、リストラと低金利を利用して、早々と立ち直った企業は強い。日本経済の牽引車となるはずである。早くステージを提供してあげたいものだ。

<いったい何者?>

 11月11日〜17日までが、税を知る週間である。本冊子がお手元に届くまでには終わってしまうが、年に一度、税というものを考えてみたら如何だろう。
 話は変わるが、「税理士は一体誰の味方なんだ」と問われることが多い。私は、納税者の味方だと答えることにしている。すると、それ以上その事について追求されることはない。皆、納得したような表情になる。
 私の仕事のスタンスは、「一納税者としての立場で」ということである。
「国民は法律の定めるところにより納税の義務を負ふ」(憲法第30条)とある。私も、事業者も、給与所得者も、税務署員も、日本国民として国家の財政を支えるため、納税義務を負う訳である。それ故、ぬけ駆けしてルール破りをする者に不快の念を抱くのは、当然の心情である。
 こう考えて来ると、税理士は、単に納税義務者の味方と言うよりは、納税義務者全体の味方と考えた方が分かりやすい。そんな視点に立って、税法を解釈し、適用するのが税理士の仕事である。だからこそ、独立した公正な立場を取ることが要求されることになる。
 これが非常に分かりにくいところである。法律家である弁護士は、依頼者の代理人として共に戦ってくれる。職業会計人である公認会計士は、監査を生業とするから独立不羈の第三者である。いずれもすっきりしている。税理士は、法律家及び職業会計人としての性格を併せ持っているから分かりにくい。
 「当社の顧問だから味方だと思ったら、その件については税務署の言うとおりですときた。」「そうかと思うと妙にこだわって、その考えには納得できないから修正に応じられないと突っ張ってみたりね。」「たいした金額じゃないんだから、言われたとおりにして早く調査を終わらせれば良いのに。」「ありゃ、いったい何者だ。」これが大方の税理士の税務に関する評価である。しかし、この姿勢が「納税義務の適正な実現」を図ることにつながると御理解戴ければありがたい。
 ところで我々は、納税の現場にばかり注目していて、その使い道に目を向けることは少なかった。税の使い道を的確に答えられる人は、少ないのではないだろうか。私の納めた税金がどのように使われどのように国民に還元されているのか。年に一度位はその使途に厳しい目を向けたいものだ。我々の目から見た日本国は、驚いたことに倒産しないのが不思議な会社なのだから。

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シリーズ ビッグバン

 前回「ビッグバンの目玉」は、日本の金融機関を国際標準に近づけることを目的にしている「外為法改正」であるとお伝えしました。これにより金融機関はどう変わるのか?私たちの預金はどうなるのか?私たちが一番気になる点を今回は取り上げてみました。
1,200兆円が海外へ

 「1,200兆円」って何のことかわかりますか?これは日本国民の個人金融資産(預貯金・株式・保険など)といわれている金額です。なんと世界一の多さです。この巨額の個人金融資産が、来年の4月1日に外為法が改正されると、堰を切ったようにどっと金利の高い海外へ流出するといわれています。

●日本国内の「超低金利」

 例えば、現在100万円を1年定期にして受け取れる利子(0.25%)は、税金20%を差し引かれるとたったの2,000円。来年4月の外為法改正で海外の金融商品の購入が容易になれば、国内に魅力ある金融商品が現れない限り、少しでも金利が高い海外の金融商品の購入に流れるのも不思議ではありません。

変わる資産運用

 日本では資産運用の方法として安全性の高い預貯金が多く利用され、個人金融資産の約62%を占めています。一方アメリカでは、預貯金よりも株式・債券や投資信託が多く、個人も積極的に資産運用を行っています。
来年4月の外為法改正を皮切りに、海外の金融商品が買いやすくなり、また規制撤廃で銀行でも株式や債券などを販売するようになれば、株式や投資信託がもっと私たちの身近な商品となるでしょう。あなたの工夫次第で今ある資産をもっと有効に運用できるようになるかもしれません。
ただし、ハイリターンを求めるには、それ相応のリスクを覚悟するのが投資の基本です(自己責任原則)。私たちの大部分は、何もしないでも数年後に元本と利息が戻ってくる預貯金に慣れてしまっています。最初は少ない金額から挑戦し、投資の仕組みを勉強していくことが必要でしょう。

日本の金融機関はどうなるの?

 今年10月に合意された県内の2つの合併(甲斐信用組合・山梨県信用組合・峡東信用組合と巨摩信用組合・武田信用組合)の話は、記憶に新しい出来事だと思います。これにより、来年の10月から県内の信用組合は9つから6つに再編されます。今、全国でこのような銀行業界の再編劇が繰り広げられています。この再編で、経営が悪化している金融機関、体質が改善できない金融機関が数多く淘汰されることが予想されます。

●経営改善を促す「早期是正措置」(98年4月)

外為法の改正に合わせ、来年の4月からは新しく設立される金融監督庁(大蔵省や通産省等の金融関係者により作られる官庁)が「この銀行は潰すべきだ」と判断したら、解体・消滅させる措置がとられます。この対象になるのは、自己資本比率がマイナスの「債務超過」の金融機関です。今後、各金融機関は自己査定し、不良債権の処分を行い健全な経営を行うことが当然必要となるでしょう。さらに、経営情報を正しく公表し、利害関係者の判断を誤らせないことが強く望まれます。
 この早期是正措置に向け、第二地方銀行・信用金庫・信用組合など、自己資本比率の低い地銀以下の小規模金融機関では、「今から経営改善しても来年4月に間に合わない」という声も出ているようです。これらの金融機関の中からは経営改善命令を受ける前に体力・営業力強化を目的とした合併の道を探る動きが出ています。また自立経営が難しい金融機関では徹底したリストラで経営内容を改善し、都市銀行の系列に入る道を模索しているようです。

 ビッグバンにより、国際経済の中に突入し、金融機関のあり方や資産運用の方法など様々なものが大きく変革されます。「銀行は潰れない」という常識はもう通用しません。私たちは、国際経済や金融機関の経営情報などに対して敏感になり、必要に応じて対処していく行動力を培わなくてはなりません。また、資産運用においてもメリットとデメリットなどをきちんと理解し、自分が納得いくものに投資していく姿勢が必要となります。これからの時代は「自分の目と耳と足を信じて行動する」ことが重要になるでしょう。

(担当:中 村)

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実践年末調整講座

 今年も年末調整のシーズンが近づいてきました。年末は、この時期特有の業務が加わり多忙となることと思います。そこで、年末調整を事前に理解して頂き、年末調整事務がスムーズに行えるよう、今月号と来月号に渡って年末調整とはどういうものなのかを説明していきます。□があるところは、チェック欄としてご利用下さい。


Q1.年末調整がなぜ必要なんですか。

A1.毎月、給与の支払いをする都度、源泉徴収税額表を使いその支払額に応
   じて源泉徴収を行っていることと思います。この毎月徴収された税額の
   合計額は、1年間の給与所得に対する年税額とは一致しないのが通常で
   す。その不一致を精算するために年末調整が必要となります。
   その不一致の主な理由として、次のようなことが挙げられます。

 @給与支払い時の所得税の月額表は、給与の金額に変化がないものとして作
  成されていますが、実際は年の中途で給与の額に変動があります。また、
  年の中途で扶養親族等に異動があっても、その異動後の支払い分から修正
  するだけで、遡って各月の源泉徴収税額は修正されていません。

 A各人ごとに配偶者控除や生命保険料控除等が異なっているため、これらの
  各種控除は年末調整の際に一括して控除することとなっています。


Q2.年末調整の対象となる人・ならない人を教えて下さい。

A2.年末調整は、原則として給与の支払いを受けている人は、全て対象とな
   ります。しかし、次のような人は年末調整の対象にはなりません。

  □本年中の給与等の総額が2,000万円を超える人
  □本年最後の給与の支払いをする時までに「給与所得者の扶養控除等申告
   書」を提出していない人(乙欄適用者)
  □2ヵ所以上から給与の支払いを受けており、「給与所得者の扶養控除等
   申告書」を他の給与支払者に提出している人(乙欄適用者)
  □日雇い労働者などで日額表の丙欄によって源泉徴収を受けている人                               (丙欄適用者)
  □災害により被害を受け、その年中の給与等に対する源泉所得税の徴収猶
   予、又は、還付を受けた人


Q3.年末調整の際、どのような書類・資料を用意すればよいのですか。

A3.用意する書類・資料を、それぞれいつ用意するかで大きく4つに分けて
   みました。

 @年末調整を行う前に用意しておく書類
  ・次の書類は既に会社の方で記入及び保存されているべきものです。
  □給与所得に対する所得税源泉徴収簿
  □給与所得者の扶養控除等申告書(遅れている場合は、その年の最後の給
   与の支払いをする時までに速やかに提出してもらいます。)
  ・次の書類は早めに社員に配布し期限を決めて提出してもらいましょう。
   なお証明書等の添付が必要となる場合がありますので注意して下さい。
  □給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書
  □給与所得者の住宅取得等特別控除申告書

 A年末調整をする際に必要となる資料
  □年税額速算表           
  □給与所得控除後の金額の算出表
  □各種控除額の早見表(配偶者控除、扶養控除、基礎控除、障害者控除等)

 B年末調整が終了してから必要となる書類
  □徴収高計算書(納付書)
   年末調整の過不足額を精算し、12月分の徴収税額を納付します。
      (納付する税額がない時でも、税務署に提出します。)

 C年末調整終了後、法定調書として会社が作成しなければならない書類
  □給与所得の源泉徴収票及び総括表
    □報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書
    □不動産の使用料等の支払調書 
  □不動産の譲受けの対価の支払調書
    □法定調書の合計表      
  □退職所得の源泉徴収票   など
   以上の法定調書を作成し、翌年の2月2日までに各提出先に提出しなけ
   ればなりません。(詳細については担当者にお問い合わせ下さい。)


Q4.昨年と比べて変わった点を教えて下さい。

A4.平成9年の改正点のポイントは次の通りです。

  ・昨年まで実施されていた特別減税が、本年は実施されません。
  ・「給与所得者の保険料控除申告書」と「給与所得者の配偶者特別控除申
   告書」の様式が、今年度から1枚(兼用様式)になりました。
  ・住宅取得等特別控除制度について、適用される控除率が一部改められた
   他、適用期限が、平成13年12月31日までの5年間延長されました。
   なお、初年度は確定申告による控除となり、この改正後の取り扱いが年
   末調整において適用されるのは、平成10年分からですので注意して下
   さい。

 今回は、年末調整とはどのようなものかということを簡単に説明しましたが、理解して頂けたでしょうか?次回は、年末調整の流れと進め方について説明していきたいと思います。

(担当:田原・山本和也)

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シリーズ『社長になろうと思ったとき!』

第17回 売掛債権の回収

 前回は手形・小切手の取引を勉強した友達ですが、また深刻な問題を抱え先輩の所に慌ただしくやってきたようです。


先輩 「どうした、そんなに慌てて。」
友達 「売上は順調なのですが売掛金の回収状況が悪いのです。一体どう
    したら良いですか?」
先輩 「それはまずいね。もし、売掛金の回収が出来なくなれば資金繰り
    は厳しくなり、会社の発展どころか倒産の原因になってしまうん
    だぞ。じゃあ、どのように売掛債権を回収していくかを説明する
    よ。まずは下記のポイントを見てくれ。」

        ┌───売掛債権回収のポイント─────────┐         
        │1.請求漏れをなくす。                        │         
        │2.売掛金が回収されるまでの日数を調べる。    │         
        │3.売掛金回収時の値引き管理                  │         
        └───────────────────────┘         

友達「なるほど。しかし、それぞれのポイントをどのように注意していけ
   ば良いのですか?」
先輩「慌てるなよ。今から順番に説明するから。」

┌───請求漏れをなくす対応策──────────────────┐
│納品書を確実に発行する・・・売上の計上漏れや請求漏れが発生するの│
│は納品書の書き忘れや発行忘れが考えられます。常に、納品書・請求書│
│が正しく、漏れなく発行されているかを確認すること。              │
└────────────────────────────────┘

友達「私自身が納品書や請求書の確認作業を行っていますから請求漏れは
   絶対ないと思いますよ。」
先輩「それは良いことだよ。それと、契約書を取り交わし、売掛金の回収
   方法や支払期日を取り決め、さらに商品等の発送料や代金振込時の
   振込手数料等も当方持ちなのか先方持ちなのかをしっかりと決め、
   後日トラブルを招かないようにすることも重要だよ。」


┌───売掛金の回収日数を調べる対応策──────────────┐
│売掛金の管理に関しては、取引先をアイウエオ順で整理するのではなく│
│末日締めの翌月5日回収グループや末日締めの翌月末回収グループとい│
│うように回収基準ごとにまとめて整理し、さらに一覧表等にしておくと│
│売掛債権回収を早めるときの有効な資料になります。また、下記のよう│
│な変化が取引先に認められた場合は対策を検討する必要があります。  │
│〈取引先の要注意事項〉                                          │
│1.集金日、入金日がだんだん遅れている。                        │
│2.入金される金額が全額ではなく内金になってきた。              │
│3.入金されるべき金額が100%現金だったものが手形に変わってきた │
│4.現金と手形が半分づつだったものが手形の割合が高くなってきた。│
│5.手形のサイトが徐々に伸びてきた。                            │
└────────────────────────────────┘

友達「そういえば、我が社はアイウエオ順で管理してます。早速改善しな
   ければいけないですね。」
先輩「そうだね。それから、君の会社は代金回収の一部を営業マンが行っ
   ているんだよね。そこで注意するのが値引の管理なんだ。例えば、
   集金時に全額を集金しているのに値引きとして差額を着服する事も
   考えられるだろ。だから金額や確定日を書面等で明確にすることも
   忘れずにね。」
友達「よし、早速会社に戻って準備に取りかかります。ありがとうござい
   ました先輩。」
先輩「待て、待て、これからは取引先の危険度の目安として下記の事にも
   注意すると良いよ。」

┌───得意先の危険度──────────────────────┐
│1 手形の決済を延ばして欲しいとの依頼。2 支払期日の延期の依頼。  │
│3 メインバンクの変更。4 在庫の増加。(売上の減少と考えられる)  │
│5 社長がいつも不在。6 社長が重病になった。(同族会社では倒産につ│
│ながる可能性もある)7 経理など支払窓口との連絡がとりにくい。(経│
│理担当者の退職は特に注意)                                      │
└────────────────────────────────┘

友達「なるほど。要するに危険信号ですね。」
先輩「その通りだよ。いろいろ大変そうだけどしっかりがんばれよ。」

  売掛金の回収がしっかり出来なければ会社経営に大きな影響を受けます。自社の回収状況や入金サイトを確認してみましょう。

(担当:山本大吾)

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情 報

議事録の重要性

 近頃、銀行や証券会社での不祥事が世間を騒がせておりますが、逮捕される重役たちの容疑はほとんどが商法違反です。例えば、取締役がその任務に背いて会社に損害を与えることを禁じた商法第486条(発起人・取締役等の特別背任罪)や、総会屋への利益供与を禁じた同第494条(会社荒し等に関する贈収賄罪)に違反しているという疑いです。
 同じように、株主総会や取締役会において作成される議事録も商法第244条(総会の議事録)・同260条の4(取締役会の議事録、株主によるその閲覧)に作成義務が規定されており、これを怠った場合は商法違反となり罰金が課せられます。それは会社規模の大小に関係ありません。父ちゃん母ちゃん会社と言われるような零細企業から上場している大会社まで全て同様です。
 議事録は議事の内容を明確にする資料であり、裁判や税務調査において株主総会や取締役会が現実に開催され、審議して決議したものであるか否かを判断する重要な証拠になります。議事録が正しく作成されていない場合、会議は行われなかったと言われても反論できなくなってしまいます。商法違反で罰金が課せられるだけではなく、例えば役員報酬を全額否認されるといった税務上の問題が発生する可能性もあります。

議事録の証拠力

 証拠書類には企業内部で作成される内部証拠書類と、企業外部から入手する外部証拠書類があります。議事録は内部証拠書類にあたり、外部証拠書類に比べて証拠力が弱くなります。しかし、議事録には報酬の配分や役員の改選などの重要な事項が盛り込まれているため、外部証拠書類に劣らない位に証拠力を高める必要があります。議事録の証拠力を高めるためには客観的に見て手続きが正しく行われ、かつ関係諸規定にすべて適合した処理がなされていることが重要です。

議事録の不備が原因でこんなことが

 それでは議事録が正しく作成されていな場合に起こる問題点をいくつか考えてみましょう。



Q1.議事録作成上の誤り
  退職した役員に対して株主総会の決議に基づいて退職金を支給し、議
  事録も作成しました。しかし、その後の税務調査で調査官に提示した
  議事録は日付が間違っており、署名押印もされていませんでした。議
  事録を正しく作り直せばそれで良いでしょうか。

A1.このような場合には株主総会が開催され役員退職金が決議された唯
  一の証拠資料である議事録が信用できる資料ではないため、決議は行
  われなかったと断定されかねません。そうなれば損金に計上した役員
  退職金は全額否認される可能性が高くなります。従って議事録の内容
  は慎重に吟味し、不完全な議事録にならないように注意しなければな
  りません。


Q2.手続き上の不備     
  取締役会を開き取締役の報酬を増額改定した際、株主総会で定められ
  た取締役報酬年額の枠を超えることになりました。しかし、取締役全
  員の所有する株式を合計すると発行済株式の90%なので、株主総会
  でも承認されたものと同様に考えて議事録を作成しました。しかし税
  務調査では報酬年額の枠を超える部分は認められませんでした。なぜ
  でしょうか。
 
A2.この場合には議事録が正しく作られたとしても、他の10%の株主
  に対して株主総会の招集を連絡していないのでその決議は無効になり
  ます。つまり召集手続きの不備が問題です。よって取締役報酬年額の
  枠を超える部分は認められません。


議事録の証拠力を高めるために

 議事録は以外と安易に作成してしまいがちですが、その内容や一連の手続きに不備があると後で大問題になってしまいます。従って議事録の証拠力を高めトラブルを未然に防ぐために、議事録原表の作成をお勧めいたします。議事録原表は決議が正しく行われたことを証明する重要な証拠となり得ます。また、議事録原表を利用することにより議事録に外部証拠書類に近い証拠力を持たせることが可能です。(議事録原表の作成方法等は当社担当者にご相談ください。)

(担当:乙黒謙一)

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