INFORMATION 97年12月号

目 次


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雑 感
実践年末調整講座
シリーズ ビッグバン
情 報
シリーズ「社長になろうと思ったとき!」

雑 感

上 野 茂 樹

<振り返ってみれば>

 あっと言う間に師走。確か昨年も同じことを書いたような気がする。年々、加速度的に時の経過が速まるようだ。でも改めて振り返ってみると、年明けから、随分色々なことがあった年でもある。
4月から消費税が改正されると言うことで、元旦から勉強を始め、テキストを作り、テープを作り、研修会を開き、講師を勤めと、4月までは忙しく駆け回った。本格的付加価値税の導入だと言うのに、東京での講演会では、以外に経営者の反応は鈍かった。大丈夫かなぁと思っていたら、案の定。結構トラブルがあったようだ。
4月からは、税理士会の役員を、またまた引き受けることになってしまった。東京地方会の理事と山梨県会の副会長職である。全く予定外の展開に、ライフプランが大幅に狂ってしまった。ああ!翻訳の時間がとれない。これも、浮き世の義理かと割り切って、2年間務めさせて戴くことにした。 秋口になると、そろそろ経済の雲行きに不安を抱くようになった。どういう展開になるのか、中小企業にどのような影響が出てくるのか、情報収集に走った。その結果、定説通り、危ないのは金融関係だなと確信するに至った。果たして、その危惧は、生保、銀行、證券の破綻となって現れることになった。
 これ以外に、通年力を入れたのが、社員教育。昨年から1年半に渡る毎朝の研修会。月一回の1日研修。外部研修。いずれも実践的勉強会である。それとは別に、LANを使った時間の有効活用。自ら業務を分析し、問題点を見つけ、解決を計る。週1回のノー残業デー、土日の出社禁止等々で、更に時間短縮と集中力を増す訓練を実施。結果、簡単に成果が出た。
 駆け足で振り返ってみた。こんなところが、私の1年。何と言っても一番の収穫は、社員教育であった。必要に迫られ力を入れたところ、昨年末から今年に掛けて5人の退職者が出た。普通なら、青くなるところだが、業務には何の支障もない。私と一緒に勉強に取り組んだ者は、見違えるように逞しくなった。
 各種試験に積極的にチャレンジし、合格者倍増。あと50社楽々引き受ける余力さえ生まれた。「“お客さん社員”が居なくなった」と言うのはすばらしいこと。先輩社員が生き生き。負担だったんですね。

<新春講演会>

「OO銀行大丈夫ですか」
 「OO生命危ないそうですが、解約した方がいいですか」
 笑うなかれ。先月から今月にかけ、私に掛かってくる電話の60%は、こういう内容である。日産生命、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一證券、と来れば、次はどこかと疑心暗鬼になるのも当然であろう。都銀は、資金量で見ると、東京三菱の約60兆円を筆頭に、約40兆円が三和、第一勧銀、住友、さくら、富士と並んでいる。こんなBigな銀行が大丈夫かと言う問い合わせである。
 先に破綻した拓銀(都銀)の資金量は、約8兆円。その為に、今、北海道は、大変なパニック状態にある。拓銀の営業を一部引き継ぐことになった北洋銀行(第二地銀)は、内容は良いのだが、あまりにも荷が重過ぎる。中学生に大学生の面倒を見ろと言っているようなものだそうだ。北海道に支店のある都銀が束になって掛かっても、必要な資金量は、賄えないと言う。となれば、遅かれ早かれ企業が資金不足に陥ることになる。深刻な問題である。北海道と言う特殊な事情はあるにしても、銀行の破綻は、経済に途轍もない打撃を与えてしまう。こう考えてくると、潰れないと言うよりは、政府が潰さないと考える方が正しいのかも知れない。もし一角が崩れたら、日本経済に与える影響は、拓銀の比ではない。
 さて、生保であるが、『S&P社』と『Moody’s社』の格づけで山一證券が廃業に追い込まれたときのランク以下が5〜6社見受けられる。しかし、外資が安い買い物と見て買収したとしたら、形勢逆転の可能性もある。何れにせよ、生保は、相互会社であって、公開されていないため、真実は、藪の中である。
 今年の新春経済講演会で、さわかみ投資顧問(株)の澤上社長のお話を聞いた方は、「いよいよバトルが始まったか」と、案外冷静に捉えることが出来たはず。とは言え、来年4月の外為法改正は、世の中をもっとドラスティックに変えるだろう。自分の財産をどう守ったらいいのか、事業展開にどのような影響が出てくるのか、経験したことがないから分からないことだらけ。
 ここはやはり、澤上社長にお出まし願うしかない。時の人だけにモテモテ。そこを無理を承知で、友人のよしみと「温泉に浸かって美味しいワインを飲みましょう」と言う殺し文句で強引に1月24日(土)午後3:00〜6:00の講演をお願いした。前半講演、後半質疑応答の予定である。あらかじめ質問を戴くもよし、その場で質問をするもよし。乞うご期待。

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実践年末調整講座


 12月4日に行われた年末調整研修会には、多数の参加をいただき有り難うご
ざいました。先月は、年末調整とはどのようなものかについて説明してきました
が、今月は年末調整の流れと、進め方について説明していきます。研修会に参加
された方には復習となりますが、もう一度確認してみて下さい。今年中に処理を
終え、良い年を迎えられますように頑張りましょう。

年末調整に必要な書類
  1.給与所得に対する所得税源泉徴収簿
  2.給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  3.給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書

*2・3の申告書の提出をまだ受けていない場合には、年末調整を行うときまで
 に提出してもらって下さい。また、2の申告書では、本年中に結婚や出生など
 で扶養の数に異動がある場合がありますので、年末調整を行う前に、再度確認
 する必要があります。

年末調整の計算の流れ
源泉徴収簿の1〜29までの番号に沿って進めていきます。

1.源泉徴収簿の集計・・・1〜8
   源泉徴収簿に記入されている各月の支給額、社会保険料の控除額、算出税額
  を集計し、それぞれ太枠で囲まれた合計欄(1〜6)に記入します。その記入し
  た合計額を年末調整欄の同じ番号の所へ転記します。
  この時、1、4の合計を7欄に、3、6の合計を8欄に記入します。

2.給与所得控除後の給与等の金額の算出・・・9
  7欄の金額について「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」
  により給与所得控除後の給与等の金額を求め、9欄に記入します。 

3.各種控除の転記・・・10〜17
  各人に提出してもらった各種控除の申告書に基づいて、それぞれ該当する金
  額を10〜16欄に転記します。(10欄については2+5を記入します)そして、
  10〜16の合計額を17欄に記入します。
                 
4.年税額の算出・・・18〜21
    9から17を差し引いた金額を18欄に記入します。次に、18の金額から「年末調
  整のための所得税額の速算表」により所得税額を求め、19欄に記入します。
  住宅取得等特別控除がある場合は19から20を差し引いた金額を21欄に記入し、
  ない場合には19と同じ金額を21欄に記入します。

5.年税額の精算・・・22〜29
  1年間の源泉徴収税額の合計額8から、今年の差引年税額21を差し引いた金額
  が、精算すべき過不足金額となり22欄に記入します。そして、計算した過不
  足金額が、超過額の場合は23〜27欄、不足額の場合は28〜29欄に記入し、そ
  れぞれ精算します。


年末調整終了後の整理事務

○納付書の作成と納付
 年末調整により確定した正しい税額や、年末調整による不足額・超過額などを
 徴収高計算書(納付書)に記載し、平成10年1月12日までに、納期の特例に
 関わる納期限の特例を受けている場合は、1月20日までに納付することにな
 ります。また、年末調整により、納付する税額が無くなった場合は、その旨を
 記載した納付書を必ず所轄税務署へ提出しなければなりません。

 
 先月号、今月号と年末調整について説明してきましたが、いかがだったでしょ
うか?是非自社で年末調整にチャレンジしてみて下さい。

(担当:田原・山本和也)

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シリーズ ビッグバン

これからの資産運用

 老後のため、子供の教育資金のためなど将来のために人は貯蓄をしますが、単にお金を保管するだけならタンス預金でも十分なはずです。しかし、お金は他人に貸したり預けたりすることによって利息を生み、増殖するという性質をもっています。それならば出来るだけ大きく増えて戻ってくることを望むのが人情です。しかし、現在のような低金利では・・・
 例えば一年複利での運用の場合、年利率7%だと10年で元金が倍になります。年利率0.7%だと100年かかる計算です。つまり一生かかっても元金は倍にならず、逆に実質的に目減りする可能性もあります。インフレ率が預金利率を上回っている現状では、時の経過と共にお金の価値が実質的に目減りしてしまいます。そのようなことにならないために、これからの資産運用は高利回りで、ある程度のリスクを覚悟した投資も必要になってくるのではないでしょうか。日本版ビッグバンによって、利回りの高さを前面に出した様々な金融商品が開発され売り出されることが予想されます。しかし、それらには高利回りと引き替えにリスクがあることも忘れてはなりません。そこでリスクをどのように考え、対処するのかが重要になってきます。

リスクをどう考えるか

 リスクに正面から立ち向かい対処していくために、古くから投資の原則と言われている事項をまとめてみました。

1.リスクに対する許容度の検討

どこまでリスクを背負うことが可能かを知るためには、自分の全ての財産を把握しなければなりません。全財産が1億円の人の3割(3千万円)と、10億円の人の3割(3億円)とでは、同じ3割でも内容が違ってきます。例えば、10億円の財産を所有している人が3割の財産を失ったとしても、余裕でいられるかも知れませんが、所有財産1億円の人が3割を失うことで、その人の生活が立ち行かなくなることも考えられるという訳です。

2.商品リスクの把握

 1つ1つの商品に対し、どこが危ないのか、どこが危ないからリスクがどのくらいあるのかなどを正しく把握しておかなければなりません。

3.分散投資

  同じリスクを取る場合、そのリスクを分けた方が良いということです。

4.分割投資

 同じ投資対象に1回でまとめて投資しないで、分けて投資した方が良いということです。例えば外貨預金を買う場合、1度にまとめて買わず、何度かに分けて外貨を買うことによって為替リスクが減少します。

5.損切りと益切り

パチンコと同じで、まだ出ると思ったら負け、今度は出ると思ったら負けるということです。ここまで損したら絶対にやめる、ここまで儲けたらやめるという線を引くことです。バブル期を挟んだ投資の成功と失敗の分かれ目は、ほとんどがこの損切りと益切りが出来たか、出来なかったかなのです。踏ん切りがつかないと、いつの間にか損が倍になってしまいます。

 日本人投資家の傾向として、投資して儲けたら「当然これは俺のもの」、投資して損をしたら「勧めた者の責任!!」となります。ビッグバンは選択肢が拡がるという意味で有利になると同時に、自己責任も重くなります。金融機関を選択する目、金融商品を選ぶ知識を身に付けなければなりません。

(担当:井上・乙黒)

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情 報

医療保険をご存知ですか?

 平成9年9月1日の医療保険制度の改正により、社会保険本人の医療費自己負担割合が1割から2割にアップされ、今後さらに自己負担額を段階的に増加してゆく方向にあります。しかし、医療費自己負担増とは全く反比例する形で今後は年金受給年齢の延長等、高齢者の収入源が縮小されることが予想されています。
 核家族化、高齢化が進み、また増大する医療費負担に備えるために、自分の死後の死亡保険金(遺族保障)よりも自分が生きている間の病気入院等に備えるための保障(医療保障)に対するニーズが高まってきています。つまり「遺族のための死亡保険金はそんなにいらないけれど、自分が病気や入院をした時の保障を充分にしておきたい。そして出来たら保険料が割安なものが良い。」というニーズです。このニーズは平均寿命との関係から女性に多いことが特徴です。

<医療費負担増>

 現在、社会保険加入の本人が病気をした場合には医療費の2割が自己負担としてかかります。加えて、入院をした場合には健康保険対象の医療費以外に、差額ベッド代(1日に5,000円〜60,000円)や、健康保険適用外の薬代、がんや脳血管障害等の治療に要する高度先進医療における技術料、看護の為の交通費など全額自己負担の費用が多額にかかってきます。かなりの方は、このような将来にわたっての医療費等の負担増に対する、自助努力の必要性を感じていらっしゃるのではないでしょうか。

<自助努力の方法>

 では、医療費負担増に備えての自助努力をどうすれば良いかと考えた場合、従来からの生命保険加入方式でいくと、例えば「入院保障だけ欲しい」という場合であっても、死亡保険金にセット(死亡保障の特約)で入院特約として加入するのが一般的でした。これは死亡保険金をベースとした保険契約に特約として入院保障を付けるというものです。今まで皆様の多くが、そういった形で入院保障の上乗せをしてきたのではないでしょうか。
 しかし、これでは必要のない死亡保障の保険料まで支払わなければならず、掛け金もかなり高額になってしまいます。中には払いきれずに解約してしまったケースも多いことでしょう。では、死亡保障を増やさずに、必要と感じている入院保障だけに加入する方法はないのでしょうか!!
外資系(カタカナ)生保中心に取り扱っている医療保険がそのニーズに合わせて開発された保険です。

<医療保険とは>

 入院保障にウエイトをおいた保険で、入院日額10,000円というように入院の日数に応じて給付金がもらえ、医療費の補填、家族の生活費等にあてることを目的に開発された「生きているときのための保障」です。ただしその分、死亡保障を抑え(通常入院日額の100倍)、掛け金を安く設定しています。保険期間も数多く用意されており、最も長いものとして終身(一生涯)の入院保障もあります。


参考としてある外資系の終身医療保険を紹介します。
 〈特徴〉
@ 保険期間が一生涯で、ほとんどの病気・ケガによる入院を保障します。
A 死亡保障を抑え、入院保障にウエイトをおいています。
  (死亡保障は、入院日額の100倍)                      
B 通算1,000日までの長期入院保障をします。
C 1入院730日(2年間)ノンストップ給付します。
  …病気は継続して8日以上、ケガは通算して5日以上入院で1日目から給付…
D 掛け金の払い込みは60歳満了型、65歳満了型などを用意してあります。
             (掛金は払い込み期間中同じです)
E 途中で解約した場合は保障にかえて解約返戻金が支払われます。
  例)  30歳で加入した男性が60歳の時に保障にかえて解約した場合は払い
         込み保険料の約84%が戻ります。

詳細につきましては、担当者にお申し付け下さい。パンフレットを持参致します。

(担当:INAひまわり生命 西脇)

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シリーズ『社長になろうと思ったとき!』

第18回 会社の支払能力(流動比率と当座比率)


 前回は、売上債権の回収について勉強した友達も順調に(株)マックスの経営
を行っているようです。今回は、友達が先輩のところに相談にやって来ました。

友達「こんにちは先輩。この間はありがとうございました。売掛金も順調に回収
   でき、預金が500万円程になりましたから資金繰りに余裕が出てきまし
   た。今後は、取引先も多くなってきたので、商品の品切れを発生させない
   ために在庫を200万円程多めにストックしておこうと考えているのです
   が、新たな借入金をしないで今の支払能力で更に200万円程の在庫をス
   トックすることが可能かどうか相談に来ました。我が社の貸借対照表を見
   て下さい。」

                      (株)マックスの貸借対照表
              ┌─────────────────────┐       
              │                    │                    │            
              │                    │流動負債 (600万円) │            
              │流動資産(1,200万円) │                    │            
              │                    │固定負債  (200万円) │            
              │                    │                    │            
              │                    │                    │            
              │                    │資  本(1,200万円)│            
              │固定資産 (800万円)│                    │            
              │                    │                    │            
              └─────────────────────┘
先輩「なるほど、君の会社は1年以内に返さなければならない借金である流動負
   債が600万円あるのに対して、1年以内に現金化できる流動資産が倍の
   1,200万円もあるじゃないか。かなり流動比率は高いね。当座比率は
   どのくらいなの?」
友達「流動比率と当座比率?・・・詳しく教えて下さい。」
先輩「しょうがないヤツだなあ。じゃあ、説明するよ。」
┌─流動比率─────────────────────────────┐
│1年以内に現金化する流動資産と1年以内に返済または支払わなければなら│
│ない流動負債とのバランスから、会社の支払能力を見る比率です。現・預金│
│をはじめ受取手形、売掛金、棚卸資産などの流動資産が支払手形・買掛金・│
│未払金・短期借入金などの流動負債より多くなければ会社の資金繰りが厳し│
│くなるということです。                                              │
│                              流動資産                              │
│            流動比率(%)=──────×100                    │
│                              流動負債                              │
└──────────────────────────────────┘
┌─当座比率─────────────────────────────┐
│流動比率の計算上では流動資産の中に棚卸資産を含んでいる為、デッド・ス│
│トックが多くあれば流動資産は多くなり、流動比率が高くなることもあり得│
│ます。そこで、流動資産の中でも特に換金性の高い当座資産(現金・預金・│
│売掛金・受取手形等)と、流動負債とのバランスから会社の支払能力を見る│
│わけです。                                                          │
│               当座資産                              │
│            当座比率(%)=──────×100                    │
│                流動負債                              │
└──────────────────────────────────┘
友達「そうすると、流動比率より当座比率で支払能力を見た方が良いですね。我
   が社の当座資産は預金500万円と売掛金300万円の計800万円です。
   当座比率は800万円÷600万円×100で約133%になりますね。」
先輩「そうだね、一般的には100%以上が望ましいけど80%程度あれば合格
   といえるよ。君の会社はかなり高い数値だよ。今の状況で在庫を掛け仕入
   で更に200万円ストックすると買掛金が増加し、流動負債が800万円
   になるから当座比率は100%ということだね。」
友達「なるほど。早速、仕入に行ってきますよ。」
先輩「待て、待て。流動比率や当座比率が高いからといっても絶対大丈夫という
   事はないんだ。常に資産と負債の内容を細かく把握しておくことが重要だ
   ぞ。例えば、支払手形と受取手形のサイトの比較、売掛金と買掛金の決済
   期間の比較、棚卸資産の中にデッド・ストックが無いか等をね。」

 会社の支払能力を社長が知ることは当然のことです。現在の自社の支払能力は
どのくらいありますか?

(担当:山本大吾)

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