INFORMATION 98年7月号

目 次


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雑 感
情 報
FX2導入企業紹介
シリーズ ビッグバン
シリーズ 社長になろうと思ったとき!

雑 感

上 野 茂 樹

<指導者原理>

 参議院選も終わった。投票率も58%程度、でも前回より10%以上うわ回ったそうだ。それでも40%以上が投票した人に、白紙委任状を渡したことになる。特別な事情がある者を除いたとしても、自分で判断することを拒む人の何と多いことか。尤も民主主義の基本原理である多数決が必ずしも正しい訳では無い。国の行く末に関心のある者に従うという指導者原理の容認もひとつの選択肢かもしれない。
 今朝の新聞には、自民党惨敗の文字が踊っている。政府の政策が後手後手に回っているとの印象に嫌気がさしたのかもしれない。今は、我が国にとって重大な局面である。速く体制を整え、道筋を国民の前に示して欲しい。お隣の韓国では、IMFの勧告通り政府が、銀行の整理を断行している。外科手術で切開された銀行の社員、預金者、取引先は、大パニック。治すためとはいえ、手術には、相当の覚悟が必要だ。
 ところが我が国は、対症療法。回復の見込みがあるのか、座して死を待てと言うのか。一向に診断が下されない。世界中から名医を集め、指導者原理で解決を図ってほしい。人間ドッグを受けた時の、「じゃあどうすればいいの」といういらだちに似たものを感じるからだ。すばらしい人材はいるはず。どこに隠れているんだろう。

<自分への挑戦>

私は、先週2冊の本を戴いた。1冊は、「未来はいま決まる」(堺屋太一編著者)フォレスト出版。もう1冊は、「あなたは運用してますか」(澤上篤人著)ぱる出版である。どちらも良い本である。皆様にお勧めしたい。
 ところで澤上氏の本であるが、氏の卓越した歴史認識の下、運用とは何かを解き明かしている。今まで出版した3冊の本とダブるところはあるものの、切り口が違うため経済学のテキストとしても、最適ではないだろうか。グロ−バルスタンダ−ドを語るとき、ぜひ皆さんに確認して戴きたいことがある。ここを勘違いすると、攘夷論者になってしまう。
 日本社会の競争と欧米社会の競争の本質の違いを澤上氏は、明快に説明しているのである。「日本のような受験戦争や昇進競争の勝者が社会の上層階段を上っていく社会では、周りの人との競争が主体となる。相手を蹴落とせば、それだけ自分は有利となる。・・・出世のためには仁義無用で周りを蹴散らしてでも突っ走れということになる。だから、日本の競争は陰湿なものが多い。」
 「欧米の競争をみると自分への挑戦といった面が強い。・・・標的にする相手は機会つまりチャンスを如何につかむかということになる。・・・人それぞれが自分なりの人生挑戦を展開する社会では、自分の力量を認識することが出発点となる。・・・どうすれば、どの分野ならば、俺は勝って行けるだろう? この自問が欧米社会の競争の本質である。」
詳しくは、本を読んで戴くとして、「自分への挑戦」と村社会の「嫉妬」を原因とする競争との違い、分かっただろうか。頭を切り換えないと、適者生存の市場経済では、共倒れに終わってしまう。

<差別化>
法人の65%が、赤字法人だという。法人約239万社のうち、法定監査対象は、約6千社弱。殆どが中小企業である。一説によると、許認可あるいは融資を受けるための粉飾決算が、相当あるという。実態は、我々の認識よりひどい状況にありそうだ。
 こんな中、最近関与先から、嬉しい連絡が10数件舞い込んだ。例えば、2期連続赤字企業。融資は、無理かと思いつつも、申し込んでみた。事務所の指示通り、分厚い決算申告書の控えを持ち込んだ。社長は、継続MASで数字が頭に入っている。経営計画書をもとに要領よく説明した。
 驚いたことに、融資は、その場でOK。この決算書なら信用しましょう、と言われたという。びっくりしたのは、私達。今まで、2期連続赤字法人は、融資対象外。なのになぜ? 思うに、赤字法人が多すぎること、担保主義の反省等から、選定基準を変えてきたようだ。
 まず、経理のしっかりした、粉飾してない会社、次に、経営者が数字を把握している会社、更に、将来性のある会社等が好感を持たれているようだ。ともあれ、「粉飾も逆粉飾もしない」「質の高い決算書の作成」という私達の姿勢が、社会に受け入れられ始めた。嬉しい限りである。

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情 報


 平成10年度税制改正の中で、平成10年4月1日以降開始する事業年度から、一括経費処理することができる少額減価償却資産の基準額が20万円未満から10万円未満へ引き下げられたことは、既にインフォメーション98年4月号等で紹介した通りです。この改正により、「10万円以上20万円未満」取得資産の経理処理方法について最も迅速な対応を要求されています。
 先頃この経理処理方法について、3種類の処理方法が認められることになりました。3種類の経理処理方法の内、どの処理方法を選択するかは各企業の自由となっていますが、処理方法によっては決算書上の“当期利益金額”を左右することになるため、慎重な選択判断が求められることになります。今回はこの経理処理方法を中心に、前回に引き続き税制改正についても説明いたします。

§少額減価償却資産の経理処理§

経理処理方法には3種類の方法がある


 上記「10万円以上20万円未満」取得資産の具体的な経理処理方法は、以下の3種類となります。
1 個別耐用年数により償却する方法
 取得時に「工具・器具・備品」などの科目で固定資産に計上し、それぞれ資産ごとの法定耐用年数により償却していく従来の方法。
2 一括償却(決算調整方式)
 取得時に一旦全額を「その他有形固定資産」などの科目で固定資産に計上し、その合計額を3年間に渡り均等に償却していく方法。・・・今回新たに登場
3 一括償却(申告調整方式)
 取得時に一旦全額を「消耗品費」などで経費処理しますが、税務申告段階で経費処理した合計額の2/3を損金から除きます。その後、翌事業年度以降2年間で均等額を税務申告調整により損金としていく方法。・・・今回新たに登場

3種類の経理処理方法にはそれぞれメリット・デメリットがある

 この3種類の経理処理方法には、下表の通り除却処理の可否、償却スピード等それぞれメリット・デメリットがあります。


 上記の3一括償却(申告調整方式)のデメリットである“決算書上の利益と課税所得とのギャップ”を具体的な数値にすると次の通りとなります。

【設例】1台15万円のパソコンを20台(15万円×20台=300万円)取得し、一括償却を採用した場合、決算調整方式と申告調整方式とでは次のような違いが出ます。

一括償却(決算調整方式)・・・・・全額を固定資産へ計上して1/3を償却するため、経費処理した金額は300万円÷3=100万円となります。

一括償却(申告調整方式)・・・・・全額を消耗品等で処理するため、経費処理した金額は300万円となります。

                    決算調整方式    申告調整方式

経費処前の当期利益額     4,000,000   4,000,000
経費処理した金額       △1,000,000  △3,000,000
                   −−−−−−−  −−−−−−−
決算書上の当期利益額     3,000,000   1,000,000
申告において調整する金額           0   2,000,000
                   −−−−−−−  −−−−−−−
課税される所得金額       3,000,000   3,000,000
                   =======  =======

 一括償却である決算調整方式と申告調整方式とでは結果的に課税される所得金額は同じとなりますが、決算書上の当期利益金額が200万円も違ってくることになります。

経理処理方法の選択は企業の自由裁量

   それぞれにメリット・デメリットがある3種類の経理処理方法の選択は“個々の資産ごと企業の任意”となっています。例えば、同一事業年度に10万円以上20万円未満のパソコン10台を取得した場合、「5台を個別耐用年数により償却し、残りの5台を一括償却する」といった使い分けができることになります。選択範囲がかなり自由になっていますので、企業の業績や業種、企業規模など様々な要素を考慮した上での判断が今後必要となります。

§各種所得控除等の引き上げ§

 平成10年度税制改正では、個人の所得税について各種所得控除等が以下の通り引き上げられます。適用については、平成10年分所得税の申告からです。

                        改正前   改正後
特定扶養親族に係る扶養控除額    53万円 → 58万円
特別障害者控除額            35万円 → 40万円
同居特別障害者の特別控除額     30万円 → 35万円
青色申告特別控除額           35万円 → 45万円

 この中で注目して頂きたいのが、青色申告特別控除額が引き上げられたことです。
 この45万円の控除を受けるためには、以下の条件をクリアする必要があります。

 1.青色申告者であること。
 2.複式簿記により帳簿を作成していること。
 3.損益計算書、貸借対照表を記載・添付した確定申告書を提出期限までに提出すること。

 なお、平成14年分までは1と3の要件が満たされていれば、2にある複式簿記ではなく、簡易な簿記の方法により帳簿を作成しても、45万円の控除は認められます。
 また、1と2の要件を満たし、3にある貸借対照表の記載ができない方については、10万円の特別控除が認められます。
 この税務上の特典を今後も受けるためには、複式簿記による毎日の帳簿記録が大切となってきます。

(担当:山本和也)

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FX2 導入企業紹介

今月は、FX2(戦略財務情報システム)で部門別の管理を行い、さらにロータス1-2-3(表計算)を使って経理事務の効率を上げている事例をご紹介いたします。

当社は、主にジーンズやメンズシャツなどを扱っているカジュアルショップです。ご存知のようにカジュアル業界も大手チェーン店との競合で大変厳しい環境におかれており、独自色を出していかなければ勝ち残っていけません。そこで、他のカジュアルショップとの差別化を図るため、ジーンズなどの他にGショック・輸入雑貨やスニーカーなどを扱っています。
さて、当社の財務管理は開業時からFX2を使い、本部・南西店間で部門別管理を行なってきました。今年の4月に甲府市塩部に2店舗目をオープンしてからは、特に各店舗の損益状況を把握するのにFX2の部門別管理は非常に役立っており、FX2は当社にとって欠くことができないものとなっています。
また当社では2店舗合わせて約3,600品目の商品を取り扱っており、その商品を8つの種類に分類し、表計算ソフトのロータス1−2−3を使って仕入金額の管理を行なっています。さらに、このロータス1−2−3に分類した各種類ごとの売上高を入力することにより、粗利益率が算出され、ロスの発生率を把握でき、無駄を無くした効率のよい数値管理をしています。今後は仕入先ごとにデータベース化を進め、管理することによって、店別・商品別の集計などに使っていきたいと思っています。
財務管理はFX2、給与管理はPX2、商品管理はロータス1−2−3。この3つのソフトは当社にとって強力な武器といえます。

<<株式会社 ゲット  代表取締役 小佐野 正平>>

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シリーズ ビッグバン

 今年4月から外為法(外国為替及び外国貿易管理法)が改正になり、ドルショップが出現するなど、外貨がますます身近なものになりつつあります。そんな中、国内での超低金利な預金を避け、円を外貨に替えて預金する外貨預金が注目されています。そこで今回のシリーズビッグバンではこうした外貨預金の魅力と陰の部分に迫ってみました。

なぜ、外貨預金が注目されたのか?

 外貨預金が注目された要因には「高金利」と「為替差益への期待」の2つが挙げられます。高金利については、米ドル預金で4%を越えるものがあり、為替差益については、預入時に比べ満期日の為替レートが円安になっていれば為替差益が生まれるというメリットがあります。
 例えば、下図のように1ドル125円の時にドル預金をしたとします。1ドル150円(円安)の時に引き出せば、1ドルにつき25円の為替差益が手に入ることになり、1ドル80円(円高)の時に引き出せば45円の為替差損が発生します。為替差損が発生した場合でも、ドル預金は満期の時点で円に戻さず、海外旅行などでドルとして利用すれば元本は保証され、為替レートに悩む必要はありません。また最近では、ドル普通預金口座から引き落とされるクレジットカードを発行している金融機関もあります。為替リスクと為替手数料(後述説明)がないドル建てクレジットカードは、海外通販や海外旅行などに使うと便利です。

         為替相場により変化する受取円貨


        円貨元金:1,000,000円
        金   利:4%        
        為替レート:1$=125円   
        預入期間:1年        
        外貨元金:8,000$    
 

  円 安
  1$=150円
 

  相場変動なし
  1$=125円
 

  円 高
  1$=80円
 

          受取外貨 8,320$
 

受取円貨
1,248,000円
 

受取円貨
1,050,000円
 

受取円貨
 665,600円
 

利回り
   24.8%

 

利回り
    4%

 

利回り
  △33.4%

 

             ※満期日の受取額は税金・手数料を考慮していません。

外貨預金の落とし穴1〜中途解約〜

 外貨の定期預金は日本の銀行、外国の銀行を問わず、中途解約ができるところとできないところがありますので事前に調べる必要があります。ちなみに、中途解約できる場合、解約後は外貨預金の普通預金金利が適用されるケースが多いようです。

外貨預金の落とし穴2〜為替手数料〜

 外貨預金をするにあたって、見落としがちなのが為替手数料です。一般的に米ドルの為替手数料は1ドルに対して、円からドルにする時に1円、ドルから円にする時に1円の往復2円かかります。通貨を扱う銀行によっても大きく異なりますので、外貨預金を利用する場合は金利以外に手数料なども確認してから選びたいものです。

外貨預金の落とし穴3〜海外送金〜

 4月からの改正外為法により、金額の制限なく自由に海外に預金口座を開設することができるようになりました。当然のことですが、海外口座への送金は、その都度海外送金手数料がかかります。その額は送金手数料に為替取扱手数料が加わり1回6,000円を超えます。

外貨預金の落とし穴4〜保証〜

 日本に支店を置いている外国銀行は、日本の預金保険制度の対象とはなりません。また、アメリカやイギリス、オーストラリア、ブラジルなどにも同様の預金保険制度はあるのですが、日本支店はその対象からも外れています。日本国内に本店のある銀行でも外貨預金については預金保険制度の対象とはなりません。

 ビッグバンの1番走者として登場した外為法改正。超低金利の日本に比べて高金利な海外への預金は、金利面では良いのですが、世界経済の様々な要因により、予想以上に外国通貨に対する円の変動が激しい場合があります。表面的な金利に惑わされず、円高になったときに勉強のつもりで預金してみては如何でしょうか。

(担当:高倉・井上)

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シリーズ 『社長になろうと思ったとき!』

第22回 設備投資

 新しい期を迎えた株式会社マックスも順調なスタートを切ったようです。今回は新たな設備投資計画について友達が先輩のところに相談に来ました。


友達「こんにちは先輩。我が社も2期目を迎え、売上の増加と販売地域の
   拡大を目指し、新店舗の出店計画を進めているのです。しかし、設
   備投資を決断するに当たり、どのようにすれば良いのか分からない
   のです。将来的には全国チェーンにする考えもあるのですが決断す
   る上での注意点を教えていただけませんか?」

先輩「なるほど。設備投資はきちんとした計画を立てておかないと結果的
   には悲劇に終わるケースがあるからね。早速教えるとするか。」

┌─設備投資──────────────────────────┐
│設備投資は事業の基盤を形成するものであると共に、事業の方向性を│
│も決定してしまう重要事項です。ですから設備投資を行うときは、そ│
│の目的を明確にし、綿密な採算計算を練り、資金調達や返済方法等を│
│考え長期的な計画を十分に検討しなければなりません。      │
└───────────────────────────────┘

先輩「いいかい、失敗しない設備投資にするには《設備投資の目的と性格
   が明確になっているか》《設備投資資金の調達方法を検討したか》
   《設備投資の採算を検討したか》というチェックポイントがあるん
   だ。じゃあ、一つずつ説明するよ。」

┌─設備投資の目的と性格が明確になっているか──────────┐
│設備投資の主な目的としては、設備の老朽化や陳腐化、作業の合理化│
│や省力化等があり、投資案の性格としては、増設拡張のための投資、│
│新製品開発のための投資、従業員の福利厚生のための投資等数多くあ│
│ります。まずは、投資の目的と性格を検討し、明確にしましょう。 │
└───────────────────────────────┘

友達「我が社は目的と性格は明確になっていますから大丈夫です。」

先輩「そうだね、じゃあ、次だ。」

┌─設備投資資金の調達方法───────────────────┐
│設備投資資金は、回収するのに長い時間を要します。従って、コスト│
│(支払利息等)の安いものを選ぶことが重要です。当然ながら自己 │
│資金でまかなう事ができれば良いのですが、自己資金だけでは不足す│
│る場合がほとんどですから、長期の借入金に頼ることになります。 │
└───────────────────────────────┘

友達「なるほど、今のところ資金の方は銀行から融資を受ける予定です。」

先輩「じゃあ、次に一番重要な設備投資の採算について説明するよ。」

┌─設備投資の採算計算─────────────────────┐
│回収期間法=設備投資からもたらされる回収資金が投資額に等しくな│
│      るために期間を設定する方法。           │
│     ・資金回収額=経常利益+減価償却費−税金      │
│     ・回収期間=設備投資額÷資金回収額         │
│     ・耐用年数−回収期間=A              │
│          A>0・・・可能             │
│          A≦0・・・再検討            │
│投資利益率法=設備が生み出す利益(率)が計画で設定した目標利益│
│       率に合致するかどうかを見る方法。        │
│     ・投資利益 =経常利益−税金            │
│     ・投資利益率=投資利益÷設備投資額×100     |
│     ・投資利益率−目標利益率=A            │
│          A>0・・・可能             │
│          A≦0・・・再検討            │
└───────────────────────────────┘

先輩「どうだい、分かったかい。それから計画を立てるときは無理な数字
   ではなく最低条件で考え、上記の算式に当てはめるんだぞ。いずれ
   にしても設備投資は会社の命運を大きく左右するから慎重に検討し、
   対応していけよ。」

 いい加減な設備投資計画では結果として失敗に終わってしまいます。また、大きなリスクを伴うだけに綿密な計画を立てて行いましょう。

(担当:山本大吾・田原)

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