INFORMATION 98年12月号

目 次


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雑 感
書面添付の重要性 その3
PX2 導入企業紹介
シリーズ ビッグバン
実践年末調整講座

雑 感

上 野 茂 樹

 もう師走。急流に身を晒していると、2001年3月までは、四季の移ろいを楽しむ精神的余裕は無さそうだ。BIG BANG等と騒いでいたら、あっと言う間の1年だった。時代のうねりは、速い。私も正直なところ、ついていくのに精一杯である。新幹線に乗って、飛んでいく周りの景色を見ているようだ。こんな年に一年を振り返るのは、難しい。思いつくままに、書いてみよう。

 今年のキ−ワ−ドは、「グロ−バルスタンダ−ド」だったように思う。和製英語らしいが、妙に納得できる響きがある。お金の流れを自由にしたら、「フリ−」とか「フェア−」という錦の御旗を立てて、堰を切ったように米国流の市場原理が入ってきた。税制や規制のおかげで、思ったほどの急展開ではなかったものの「まあまあ、なあなあ」の日本では、政治も経済も大変な混乱ぶり。相次ぐ不祥事も、日本流が通用しなくなった証拠といえる。頭の切り替えが必要。

 税制や会計諸法規も変わらざるを得ない。規制も緩和される。2001年4月からは、預金も保護されない。本格的なバトルが始まる。優勝劣敗の世界だから気は抜けない。誰も皆、戦国武将のように、情報を収集し、智慧と勇気をもって生きる時代がきた。それ故「自己責任」が、殊更強調されるのか。経営者は、自分で決断し、自助努力をして、結果をだす。自己責任なんて、当たり前のことである。でも、お上依存型の日本では、馴染みにくい言葉だったんだろう。

 ひとつ引っかかる言葉がある。「貸し渋り」である。銀行に対する風当たりが強い。確かに、不良債権処理を先送りしたため、今日の金融不安を招いた責任は重い。ただ、「貸し渋り」と、言葉に酔って、銀行を非難したところで何になろう。商業銀行は、預かった金を、貸し付け、その「利ざや」で運営されている。回収可能性の高いところに貸すのは当然である。バブルが始まる前の融資審査基準に戻っただけだ。妙な言葉で誤魔化すのは止めようではないか。

 今年は、嬉しかったことが幾つかある。ひとつは、社員の成長である。毎朝1時間勉強会に充て、2年程になる。その成果か各々の個性が鮮明に現れ始めた。均質、没個性の集団では乗り切れない時代だけに、どこまで個々の色を出してくれるのか楽しみだ。彼らから提案があった。「書面添付を標準業務とするため、ISO9000(国際品質保証規格)に挑戦しよう」である。国際会計基準の導入も間近となり、ISO18000(財務会計)も数年後には決まりそうだ。的を射た提案である。こんなことを言ってくれるようになった。嬉しい限りだ。

 日本は、FAでは、世界トップ水準にあるが、OAでは、米国の水準に遠く及ばない。これでは竹槍と鉄砲の世界だと、早くコンピュ−タに慣れるよう、皆様に導入をお勧めしてきた。ところが、どうも成果が芳しくないようだ。私どもが導入指導するFX2(財務会計)については、全く問題はない。しかし、業種独自の販売購買管理等になると、思惑がはずれトラブルになるケ−スが多い。
 コンピュ−タ=最先端技術=何でも出来る=僅かな期間で思いが叶う、との連想ゲ−ムは、甘い夢。相手は機械である。「ああしたい」「こうしたい」と言う胸の内を、SEという機械語の通訳を通じて学習させていくしかない。思い通りに動かすには、時間がかかる。お金もかかる。まさに忍耐と寛容の世界。3年から5年の年月が必要である。だから、早く取り組んで、慣れてほしいのだ。

 恒例の新春経済講演会は、来春1月23日(土)、アピオで、講師に新将命(あたらしまさみ)先生をお招きして開催することにした。講師選考に当たり「日経ベンチャ−経営者クラブ」の事務局の方々には、大変なご尽力を戴いた。選考基準は、「外資系の会社に所属し、国際経済に明るく、中小企業の経営者にアドバイスのできる方」であった。詳細は、案内文を見て戴くことにして、是非ともご参加願いたい。必ずや、21世紀を生き抜くヒントが得られると思う。

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書面添付申告書の重要性 その3

連続書面添付申告関与先のご紹介

 書面添付申告の重要性(98年5月号インフォメーション No,179を参照下さい。)をご理解いただき、3期以上連続して書面添付申告を実践された関与先の皆様に対して、TKC全国会より表敬状が贈呈されましたのでご紹介いたします。
 内容を厳しく吟味し、各種の証明書により真実性の高められた書面添付申告書は、対外的な信用を増大させ、見る者の評価も当然高まります。
 これからも関与先の皆様と、一緒により精度の高い申告を目指していきたいと思います。

有限会社 今村精工

3期連続書面添付申告


有限会社 協和鉄工所

3期連続書面添付申告


有限会社 丸利森本建設

3期連続書面添付申告


(担当:輿石)

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PX2 導入企業紹介

 来年以降も引き続き、定率減税や所得税率の引き下げなどが検討されています。「えっ、来年もあるの・・・」と不安になっている方はいらっしゃいませんか?そんな給与計算に関する不安と、手間を解決してしまう便利な「給与計算ソフト」が当社でお薦めしている「PX2(戦略人事給与情報システム)」です。今回は、このPX2を導入している関与先様の声をご紹介したいと思います。

☆導入した感想・・・

 FX2を導入して4回目の決算が先日終わりました。以前は全くパソコンには縁がなく、そろばんに慣れ親しんだ私には使いこなすことなんて出来ないと思い、何百枚もの伝票と格闘していました。その頃を思い出すと、パソコンが仕事の良きパートナーとなっている自分が信じられません。これも上野会計事務所の皆様の熱心な指導があったからだと思っています。  また、今年はPX2を導入したことにより、毎月の給与計算が楽になり、さらに特別減税や年末調整などの大変な処理が簡素化できました。それに加えて、些細なことでも分からないことにすぐに対応して頂ける上野会計事務所のアフターサービスが、OA化に対する不安感も一緒に取り除いてくれているのだと実感しています。 現在、当社の特色を考慮した「販売購買システム」の導入について打ち合わせを行っています。来年は更にパソコンを生かし、仕事の内容により一層の厚みが出るものと期待し ています。

(株式会社 城南ロードサービス 経理担当:山宮)


☆導入した感想・・・

 当社は、内装のデザインから工事までを幅広く請け負う会社ですが、顧客の要望に的確に応えるために多くのスタッフを抱えています。それだけに給与計算事務には多くの時間を必要としていました。  PX2を導入して良かった点は、第1に、源泉所得税や雇用保険料が自動計算されるので、税額表等を見る手間がなくなり、給与計算の時間が短縮できたことです。第2に、コンピュータで集計作業を行うので、計算に時間がかからず、結果が早く分かることです。第3に、改正への対応が早いことです。今年は2度の特別減税がありましたが、PX2が自動的に特別減税額の算出や、控除処理を行ってくれたのでとても助かりました。  また、PX2から印刷できる資料も便利です。当社では社会保険等の手続きの際に、労働者名簿の代わりに「社員カード」を印刷して利用してい ます。さらに、給与明細書には社長から各社員へのメッセージを印刷する ことが出来るので、社員との意志疎通の手段として活用しています。ただ、印刷できる行が3行では足りないので、もっと増やしてもらえると嬉しいです。  これからの税制改正もPX2を頼りにしています。

(株式会社インテリアさの 経理担当:小川)


PX2の利用についてお考えの方は、お気軽に担当者までご相談下さい。

(担当:中村)

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シリーズビックバン

☆☆確定拠出型年金って何?☆☆

 最近、新聞雑誌等で頻繁に「確定拠出型年金」についての記事が載っています。日本でも導入が検討され始めた「確定拠出型年金」とは何か? 今回は、この「確定拠出型年金」をご説明したいと思います。

〜日本の金融システムの象徴“確定給付型年金制度”〜

 日本の年金は、確定給付型年金制度を採用しています。確定給付型年金制度とは、あらかじめ予定運用利回りを決めてその結果、将来受け取るべき年金額を確定させる制度です。あらかじめ給付額を確定することになるので「確定給付型」と呼ばれています。では、なぜ日本が確定給付型年金制度を採用していたのか?これには理由があります。
 日本政府は、戦後の慢性的な資金不足を補うため、国民の資金を政府が集めやすいような金融システムを作り上げました。そこから集めた資金を、主要産業界に再投資して世界に類を見ない経済発展に成功しました。確定給付型年金制度も、年金掛け金として国民から徴収し、資金を産業界に再投資することに一役買っていたわけです。
 しかし、将来的に年金財源に不足額が生じた場合、国が負担しなければならないため、年金による国の財政負担の問題が心配されるようになります。この問題を解決するために注目され始めたのが「確定拠出型年金制度」なのです。

〜アメリカの合理的主義の象徴“確定拠出型年金制度”〜

 「確定拠出型年金制度」とは、各個人ごとに積み立てた掛金を自己責任において運用し、将来、運用利益も含めて年金として受け取る仕組みです。この場合、将来いくら年金が受け取れるかは分かりませんが、拠出額(掛け金)は個人毎に確定していますので「確定拠出型」と呼ばれています。アメリカでは「401kプラン」と「IRA」と呼ばれる2つの制度があります。この制度は、対象者が違うだけで仕組みとしてはほとんど一緒です。

「401kプランって何?」

 今、日本で導入が予定されている「確定拠出型年金制度」のモデルが401kプランです。「401kプラン」と言う名前は、アメリカ内国歳入法401条k項に規定されていることからこの名前が付いています。この制度は日本の企業年金にあたるもので、次のような税務上の特典があります。

1.従業員・役員等は自分の給料から年金掛け金を天引きし、自分の年金財源として積み立てます。この掛け金は、個人の所得税を計算する上で控除できるようになっています。

2.企業は、自社の利益の一部を従業員毎の積み立てに上乗せすることができます。この掛け金は、損金に算入できる(福利厚生費で処理)ことから節税と福利厚生の2つの点で有利になっています。

3.従業員・役員等は自分と企業が拠出した掛け金合計を、勤めている会社が選別、用意した株式・公社債・投資信託・生命保険などの金融商品に、どの位投資するのか割合を決定します。投資した商品の運用実績により、受け取る年金額が変動するわけです。また、投資によって得た利益に対する課税は、年金受け取り時まで繰り延べられることができます。これが401kプランの大きな特徴です。

4.従業員は転職する際に、転職先で401kプランを採用していた場合継続することができます。これにより年金のことを気にせずに転職することができます。また、転職先が401kプランを採用していない場合、次に説明するIRAに移行することで税務上の優遇措置を引き続き受けることができます。

「IRAって何?」

 上記の401kプランの制度を受けられない個人事業者や401kプランを採用していない企業で働くサラリーマンなどが401kプランと同様の優遇措置を受けられるようにしたものがIRAです。401kプランを採用している人との不公平をなくすために設けられています。この制度は銀行や証券会社が提供するサービスを選択することになります。

〜これからの日本の年金制度の展望〜

 年金制度の万能薬のように思われている「確定拠出型年金制度」ですが、導入することで全てが解決できるわけではありません。税務面では、アメリカで採用している優遇措置をどこまで採用するのかが問題となっており、そのほかにも現行制度から確定拠出型に移行する上で様々な問題を抱えています。
 また、将来「確定拠出型年金制度」が導入されるとき、私たちに求められるのは、単なる「マネーゲームとしての投資」と「資産運用としての投資」の違いを十分に理解し、私たちの生活の中にごく自然に「資産運用」を採り入れ、実行することではないでしょうか。

(担当:野呂瀬 )

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実践年末調整講座

 12月3日に開催した年末調整研修会には、多数の方が参加していただきありがとうございました。今月号は、特別減税処理を加えた年末調整欄の書き方と給与支払報告書の記載内容の注意点を中心に説明していきます。

1.特別減税処理と精算


 年末調整欄の「年調年税額」21までは、例年通りの年末調整処理を行います。その後、欄外へ下記のように21-2と21-3の記入欄を作成し、特別減税処理に入ります。
 まず、年末調整時におけるその方の扶養親族等の人数から算出した特別減税額を21-2へ記入し、21から21-2の特別減税額を差し引いた金額(但し21の金額が限度のため、差し引き金額がマイナスになった場合は0円)を21-3へ記入します。その後、特別減税後の差引年税額21-3から毎月預かっていた源泉徴収税額の合計額Gを差し引き、今回の精算すべき過不足金額が求められます。これを22に記入し、求められた過不足金額が超過額の場合は23〜27、不足額の場合は28、29に記入し、過不足金額を各人へ精算して終了となります。


2.年末調整後、事業所が作成しなければならない書類


 年末調整処理を終了した後は、平成11年1月11日(届出により平成11年1月20日が納付期限の場合もありますので、各事業所でご確認下さい)までに年末調整精算後の源泉所得税額を納付します。(納付額が0円の場合は所轄税務署へ納付書を提出します。)各種支払調書については、作成後「法定調書合計表」に添付して平成11年2月1日までに所轄税務署へ提出します。また、給与支払報告書も作成後、市町村毎に「総括表」を添付して、平成11年2月1日までに提出しますが、今回は摘要欄へ特別減税額を記載する必要がありますので、以下のケース1、2を参考に記載漏れのないよう注意して下さい。なお、給与支払報告書の記載見本とともに、記載する際に間違いやすい点も列記しましたのでご確認下さい。

<給与支払報告書の記載見本および注意点>


(1)「摘要」欄には、以下を参考に特別減税に関する事項を記載して下さい。なお、必要でない事項については、二重線で消します。


(2)「住所」欄に受給者の平成11年1月1日現在の住所又は居所が記載されていますか。

(3)「源泉徴収税額」欄に年末調整欄の21-3特別減税後の差引年税額が記載されていますか。

(4)「個人年金保険料」・「長期損害保険料」欄には、控除額ではなく支払保険料額が記載されていますか。

(5)3枚目の税務署提出用の「整理欄」には、法定調書合計表と同様の「署番号」が@に、「整理番号」がAに記載されていますか。

(担当:田原・山本和也)

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