INFORMATION 99年8月号

目 次


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雑 感
情 報 〜パソコン減税の注意点〜
シリーズ 『社長になろうと思ったとき!』
シリーズ ビッグバン
社長のための『FX2活用口座』

雑 感

上 野 茂 樹

<順 位>

 書面添付の前提となる巡回監査達成率の全国順位が、非公式ながら発表された。
 昨年26位、本年40位と落ちてしまった。昨年は、初めてで内容を知らなかったので、順位を見てがっかりした。私達は、翌月監査率をLANで管理して、常に、95%超と自信を持っていたからだ。しかし、今年は、計算センターで処理済みの実績をベースにしたと解っていたので、「しょうがないか」の心境である。
 私どものお客様は、個人の医療機関の占める割合が、比較的大きい。当然、1月分は、2月中に監査しているのだが、支払調書の関係で決算の確定が3月にずれ込んでしまう。1月分の計算センター送付は、3月初旬になる。そこで、センター処理の割合は、2月に大きく落ち込んでしまう。他にも幾つか要因はあるが、それは、私の信念でやっていること、諦めが肝心か。
 なぜ、巡回監査達成率にこだわるのと言われそうだが、ちゃんとした理由がある。まず、人間の記憶の限界、1ヶ月がいいところである。忘れないうちに間違いをチェックしようという発想である。当然、質の問題も絡んでくるが、忘れないうちに糺すのが質を落とさないことにも繋がる。結論は、専門家としての善管注意義務を全うするため。職業法規上、懲戒処分が待ちうけている。
 ちなみに上位50事務所に、東京五会から私どもだけ、というのが何とも不思議である。

<本質論を>

 かなり鈍感な方々でも、世の中が目まぐるしく変化していることは、承知しているはずである。取引先の対応が変わったり、今まで「なあなあ」で通っていたものが、急に厳しくなったり、と、ここまで書くとひとつふたつ思い当たる節があろう。一番解りやすいのが、官庁の対応である。「過ぎたるは、及ばざるがごとし」なのか、随分変わったものだ。
 官庁の問題では、何が良くて、何がいけないのか、本質的な論議は、何もされていない。ただ、ヒステリックな批判に晒され、振り子が大きく反対側に振れてしまっただけだ。そして、官は、「時節柄」という訳のわからない言葉を使って自分の殻に閉じ籠もってしまった。直訳すると、「随分言ってくれるよ、慣例を踏襲してきただけなのに。色々言われるのが迷惑だから当分静かにしてますよ。」 そして、普通地方公共団体にも監査が導入された。良いことではある。しかし、監査は、諸法規、諸基準への準拠性をチェックするもの。ものの本質を解決する切り札ではない。今問われているのは、ルール自体の見直しなのだ。時代にそぐわないものは改めればよい。今注目のアメリカンスタンダードも、問題点を白日の下に晒し、解決を図ると言う点では、大いに見習う必要がある。
 こんな時こそ政治家とマスコミに期待したい。官と民が、ともに動きやすいルール作りをテーマに論陣を張って、大いに議論を盛り上げてほしい。

<パソコン>

 PC(パソコン)も、随分身近なものになった。しかし、今もかたくなに毛嫌いしている方もいらっしゃるようだ。
 まず、PCの功から。PCのワープロ機能は、私のような乱筆な者でも、活字のように綺麗に打ち出してくれるから、ありがたい。また、PCの集計機能は、算盤が下手、計算機も上手に使えない私には、いったん入力すると、縦横計算自由、一部数字を入れ替えても瞬時に集計してくれる優れもの。更に、ソフトは、便利この上ない。何回でも、シミュレーション出来るから、手放せない。
 と良いことずくめのようだが、結構、罪作りでもある。便利なはずの、ワープロ機能は、漢字を忘れさせてくれる。私は、読めるが書けない、という後遺症に悩まされている。集計機能は、PCに罪はないが、式を間違えると、気が付くまでそのまま。とんでもない不始末をやらかすことになる。一番怖いのが、市販ソフト。身近なところで「簿記が解らなくても帳簿が作れます」を、信じて財務ソフトを購入した方も多いはず。でどうだったか。
 確かに、以前より良くはなっているが、原理原則を知らないと、間違いに気が付かない。「解っている方が使えば、簡単に、迅速に処理できます」と言い換えれば、PCソフトに対する誤解もなくなると思う。
 大失敗の例を挙げてみると、ある建築会社で、現場を知らない事務の方に積算ソフトを使って見積もりさせた。その結果が1千万からの見積もり違い。気が付いたときは、手遅れ。これは、会社がPCソフトに慣れていない証拠である。
 PCは、確かに便利な道具である。物事の解っている者が使えば、実力を発揮してくれる。ところが、素人が使うと、大失敗する。PCソフトの使い勝手が良くなれば良くなる程、原理原則が解る専門的能力の高い者にとっては、この上ない強い味方になる。だからこそ、最も使いこなして欲しいのは、責任ある地位にある方である。今のうちに小さな失敗をして、早く慣れることですな。

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情 報


パソコン減税の注意点


 情報化投資の促進と景気浮上策の1つとして、平成11年度の税制改正の目玉として創設された『パソコン減税』(正確には「特定情報通信機器の即時償却制度」といいます)。インフォメーション2月号でもご紹介した通り、平成11年4月1日から平成12年3月31日までの間に限って、取得価額が100万円未満のパソコン等の特定の情報通信機器(新品に限る)を取得して事業に使用した時は、その取得金額を全額経費にできるというものです。1年間の臨時措置なので、出来るだけ有効に活用したいところですが、この制度には意外と知られていない落とし穴がいっぱいです。そこで今月はこのパソコン減税の注意点について考えてみました。

Q1 私は20室のマンション貸付をしている青色申告の個人です。マンションの入居状況及び家賃入金管理をするために、30万円のパソコンを購入しようと考えています。パソコン減税の対象となるのでしょうか?

A1 結論から言うと対象とはなりません。パソコン減税を簡単に説明している本では、パソコン減税の対象となるのは「青色申告の法人と青色申告の個人」とか、単に「青色申告者」などと書かれていますが、正確には「青色申告の法人と青色申告の個人事業所得者」です。従って個人の方でパソコン減税の対象となるのは、青色申告をしている事業所得者(農業所得を含む)に限られていますので、ご質問のケースではどんなに規模が大きくてもマンション貸付は不動産所得に該当することになるため、今回のパソコン減税の対象とはなりません。

Q2 我が社は青色申告の法人です。今回業務効率化のために30万円のパソコンと20万円のプリンターを購入し、それに在庫管理用のソフト30万円を一緒に購入して利用しようと考えています。パソコン、プリンター、ソフトの全額80万円をパソコン減税の対象として良いでしょうか?また、今回購入するパソコンには、初めからウィンドウズ98がインストールされており、ワード(ワープロソフト)とエクセル(表計算ソフト)が利用出来るようになっています。

A2 まず、プリンターに関してですが、パソコンと同時に購入したプリンター等の付属装置については、パソコン本体との合計が100万円未満であればパソコン減税の対象となります。ただし付属装置のみの購入は対象外ですので注意して下さい。

┌パソコンの付属装置一例・()内は代表的な装置──────────┐ │ プリンター、光学式読取装置(スキャナ)、音声入力装置(マイク)、補助記│ │ 憶装置(MO装置)、通信制御装置、伝送用装置(モデム)等 │ └────────────────────────────────┘

 つぎに在庫管理用のソフトですが、これについてはたとえ本体と同時に購入し、総額が100万円未満であっても対象外となります。今回のパソコン減税の対象は、あくまでもハードのみでありソフトは対象になっていません。従ってこの在庫管理用のソフトについては繰延資産として5年で償却することになります。では、はじめからパソコンに搭載されていたウィンドウズ98やワード、エクセルといったソフトはどうかというと、ウィンドウズ98のようなOS(基本ソフト)はパソコン本体と一体という取扱いになっており、またワードやエクセルがプレインストール(事前導入)されて販売されている場合も同様の取扱いと考えて、本体価額をそのままパソコン減税の対象として良いでしょう。ただし、高額なソフトをパソコンとセット販売している様なケース(プレインストールとは違います)は、やはりソフト部分は対象外となります。特にパソコンとソフトを同時購入した場合で値引きがあった時は、その値引きがパソコンなのかソフトなのか要注意です。

 (例)パソコン110万円、ソフト50万円で合計額から20万円が値引きされているような場合、値引きがパソコンであれば・・・
  110万円−20万円=90万円となり、100万円未満となるためパソコン減税の対象とできます。しかし、値引きがソフトであればパソコンは110万円のままですので対象外となります。

 その他同一の資産でもパソコン減税以外にも、税務上の特典があります。次回は、その比較を紹介したいと思います。

(担当:田原)

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シリーズ『社長になろうと思ったとき!』


第31回 巡回監査報告書 Part1


 勉強会を始めた二人ですが、今回はどんな内容になるでしょうか。早速見てみましょう。

先輩「さて、何を勉強しようか?」 友達「質問があります。我が社も設立当初から先輩の会計事務所に巡回監    査をお願いしていますが、監査の終了時にサインをしているあのノ    ートは何なのですか?」                    先輩「巡回監査報告書だろ。ノートじゃないよ。」           友達「へーえ。その巡回監査報告書は我々の会社にとってはどのような意    味があるのですか?」                     先輩「いい質問だね。よし、当面の間は巡回監査報告書の趣旨や内容につ    いて勉強しよう。きっと君にも役に立つはずだよ。」       ┌─ 巡回監査報告書の意義 ───────────────────┐ │巡回監査報告書は、月次監査の準備事項、月次監査基本事項、経営助│ │言事項、消費税から構成されており、監査担当職員の行うべき職務の│ │内容が記載してあります。また、事務所所長の職員に対しての業務命│ │令書でもあります。 │ └───────────────────────────────┘ 先輩「なるほど。先輩達のような巡回監査担当者には非常に重要なものな    のですね。今後はサインするだけでなく、巡回監査報告書の内容に    ついても理解し、協力していかないといけませんね。」      先輩「そう言ってもらえるとありがたいね。僕たちも巡回監査報告書に添    った監査を行うのが当たり前なのだけど、この内容全てを監査して    いたらとても半日では終了しないんだ。」            友達「それで、2ヶ月や3ヶ月に一度のチェックになってしまう帳簿類も    あるということですね。」                   先輩「そうだね。じゃあ、活用方法について説明するよ。」        ┌─ 巡回監査報告書の活用方法 ─────────────────┐  │巡回監査報告書には監査担当者の能力の向上と、関与先の業務水準の│ │向上を目的とした内容と同時に、各企業の業種業態や規模に応じた段│ │階的な監査事項が分類され記載されています。第一段階の監査事項を│ │★印。第二段階が★★印、第三段階は★★★印となります。そして、│ │無印の事項が第四段階となっています。 │ └───────────────────────────────┘ 友達「なるほど。毎月単純に監査をしているようですが、本当はそれぞれ    の会社の状況により段階的な監査を行っているわけですね。では、    まず第一段階の★印が一つの事項について教えて下さい。」    先輩「その前に、関与先にとって一番重要な月次監査基本事項について説    明するよ。」                         ┌─ 月次監査基本事項とは ───────────────────┐ │証憑書類事項(領収書や請求書等)、伝票事項(仕訳内容等)、科目│ │別事項(各勘定科目の内容等)の3要素から成り立っています。それ│ │ぞれの要素の中に★印や無印の事項があり、段階的な監査を行うこと│ │になっていると同時に関与先にとって重要な内容です。 │ └───────────────────────────────┘ 友達「早速、月次監査基本事項の内容を教えて下さい。」        先輩「そうしたいところだけど、今日はここまで。」         

 今回からは、毎月監査時に利用している巡回監査報告書について勉強していきます。今までは、サイン帳としか思われていなかった関与先も多いと思いますが、実はその内容は我々監査人には非常に重みのある報告書なのです。その内容一つ一つについて今後勉強していきます。

(担当:山本大吾)

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シリーズビッグバン


〜ネット証券取引にみる金融ビッグバン〜


 金融ビッグバンに突入し、新しい金融サービスが次々と開始され、その中でも「ネット証券取引」が注目を集めています。「ネット証券取引」とは、証券会社の窓口に出向くことなくインターネットを利用して簡単に証券取引が行えるサービスのことです。今回は市場参入の著しいネット証券取引業界に迫ってみたいと思います。

★日本におけるインターネットビジネス事情★

1.インターネットの普及
 インターネットと簡単に接続できる機能を搭載したパソコンが一般にも広く普及したことにより、インターネット利用者が着実に増加して来ています。

2.インターネットビジネスの成功
 インターネットの普及により、インターネット上でのビジネスが注目されました。ここ最近、インターネットビジネスとしての成功例が相次ぎ、日本でも新しいビジネス形態として定着し始めています。

★日本における金融事情★

 上記のような「日本におけるインターネットビジネス事情」と「日本における金融事情」の要素が融合し、新たなビジネスとしてネット証券取引が出現しました。既に幾つかの企業が共同出資による参入を発表しています。その提携形態は大きく分けて2つあり、ネット証券市場に参入したい日本企業が既に実績のある外資系ネット証券会社と提携するパターン(A)と、日本におけるインターネットビジネスの市場獲得を狙うコンピュータ会社と新たな個人顧客の獲得を狙う証券会社との提携(B)があります。

<既に証券市場へ参入を発表した異業種・外資系会社>

┌─────┬───────────────┬─────────┐ │提携の種類│ 提  携  企  業  名 │ 新 会 社 名 │ ├─────┼───────┬───────┼─────────┤ │   │ソフトバンク │Eトレード(米) │イートレード証券 │ │ A ├───────┼───────┼─────────┤ │   │住友銀行グループ│DLJディレクト(米) │DLJディレクトSFG証券 │ ├─────┼───────┼───────┼─────────┤ │ │ │ │インターネット・トレーディング │ │ B │富士通 │日興証券 │ │ │ │ │ │証券(仮称) │ └─────┴───────┴───────┴─────────┘

 新しく設立されるネット証券会社は、店舗を構える必要がなく、社員も必要最低限で済むため、低コストでサービスを提供することができます。 また、ネット証券取引の実績がある外資系会社のノウハウは、日本の証券会社にとって驚異的な存在です。これに対し、既存の証券会社も自社のホームページから証券取引が利用できるサービスを既に開始し、ネット証券取引のノウハウを蓄積しています。ペイオフによる預貯金等の資産運用を目前にし、日本の証券業界は生き残りをかけた熾烈な競争が繰り広げらけようとしています。しかしながら、ネット証券取引先進国のアメリカでは、ネット証券取引がゲーム感覚で容易に出来てしまうことにより、知らぬ間に余裕資産以上に投資してしまい自己破産に陥ってしまうといった状況が社会問題となっています。ネット証券取引は、リスク&リターンを十分理解した上で行う必要があります。

(担当:山本和也)

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社長のための『FX2活用講座』


○経営者には計数管理能力が不可欠に・・・
 かつて地球環境が変化したときに、その変化に対して進化する事の出来なかった生物(恐竜やマンモス)は滅亡してしまいました。昨今の経営環境の変化も同じことがいえるのではないでしょうか?会社の舵取りをする経営者には将来を見据えた適切な判断、つまりは経営を進化させることが求められています。そのためにはまず経営者自らが、自社の業績を把握して自社をどう進化させるのかを決定しなければなりません。そこで、威力を発揮するのがFX2 for Windows(戦略財務情報システム)です。FX2 for Windowsなら、日々の入力により、リアルタイムで業績を知ることができます。今後経営をどう進化させてゆくのか考えるツールとして是非ご活用下さい。

○FX2 for Windowsで最新業績を見るには・・・
最新業績を見るにはFX2 for Windowsの「41.全社業績問合せ」を利用します。今回はABCオートサプライ鰍例に見ていきます。同社では、昨今の価格競争に対応するため、現金大量仕入れにより売上原価を押さえる経営を進めています。成果は現れたのでしょうか?

(図1)

@売上高は?
 前年対比100.1%で、前期とほば同じ売上高を維持しています。
A限界利益率は?
前年対比101.6%で、1.6%増加し売上高の増加率を超えてます。
B固定費は?
 前年対比102.4%で、2.4%増加しています。
C経常利益は?
 前年対比97.4%で、前期よりも2.6%減少しています。

 上記の資料から、現金大量仕入れの経営戦略が成功し、売上原価が押さえられ、限界利益率が増加したことが分かります。しかし、経常利益は固定費の増加により減少しています。経常利益を増加させるためには、売上高・限界利益率の増加と固定費の削減をうまく組み合わせていく必要があります。さらに、詳しく見てみましょう。

○各項目をさらに細かく分析するには・・・
 変動損益計算書画面(図1)の左側に表示されている行番号をクリックすると、各項目の内訳を確認することができます。「固定費合計16」の内訳を見てみると、リース料が大幅に増加していることが分かります。(図2・図3)これはなぜかと考えていくと、固定客の増加を狙って導入した顧客管理システムのリース料が3月から増加しているのが原因であることが分かりました。しかし、この投下資金を回収するためには売上高の増加を計らねばなりません。どうしたら売上高を増加できるか(投下した顧客管理システムを売上の増加に結びつけるか)じっくり検討していく必要がありそうです。

(図2)

(図3)

 FX2 for Windowsは最新業績を知らせるとともに、自社の問題点も浮き彫りにしてくれます。是非、経営者の重要な判断資料として活用いただきたいシステムです。

(担当:中村)

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