INFORMATION 99年10月号

目 次


戻る場合このブラウザーを終了して下さい。

雑 感
上野会計創立20周年開催
連続書面添付申告関与先のご紹介
ご 報 告
情 報 〜再確認!! 贈与税〜
シリーズ ビッグバン
シリーズ 『社長になろうと思ったとき!』

雑 感

上 野 茂 樹

<20周年>


 9月18日は、大勢の皆さんにご参加戴き、「20周年感謝のつどい」を盛大に開催することが出来ました。心から感謝申し上げる次第です。
 私は、今まで味わったことのない感慨に浸っている。20年続けてきて良かった。心底そう思っているからである。詳細はさておき、訳あって私は、途中から会計の世界に飛び込んだ。専攻は、監査論である。それ故、今が旬の監査人の精神的独立性、経済的独立性及び選任母体論並びに監査哲学が、私の根っこにある。
 こんな私の経歴と、実務との間には大きなギャップがあった。だが、私は、中小零細企業の実態を知れば知るほど、正しい数値の把握は必要不可欠であると、確信するようになった。だから、監査と呼ぶにはおこがましいが、中小零細企業の実態に則し、それ以上の効果が期待できるTKCの巡回監査にこだわった。
 しかし、記帳代行全盛の時代に、私の考えが受け入れられる筈もなかった。しかも巡回監査は、思いの外時間がかかり、社員の負担は重い上、社員教育にも、莫大な時間とお金が掛かった。更に、粉飾も、逆粉飾も受け付けないで、お客様をあっさりとお断りしてしまう。「あんなやり方をしていると長くは保たない」と陰口をたたかれる。でも、信念を曲げるわけにはいかない。
 この国では、監査の思想は通用しないのかな、と実務に失望、真剣に転職を考えた。しかし、それでは、やる気のある社員を裏切ることにもなる。そんなモヤモヤした気持ちを唯一救ってくれたのは、社員の成長だった。そして今、我が国の実務の状況が、私の方針に急接近してきた。天は、我を見捨てなかったのだ。
 20年の下積みも、決して無駄ではなかった。だから感無量なのである。

<自 立>


 例年より40日ほど遅い秋の訪れのような気がする。9月の末になってやっと気温が5度ほど下がり、過ごしやすくなってきた。そんな折り、久しぶりに感動的なお話を聞く機会を得た。県ボランティア協会の岡尚志さんの「生きる」というテ−マの講演である。息子の学校の文化講演会での話だが、岡さん自身の体験談だけに迫力があった。「手に汗握る」と言う表現がぴったりの1時間であった。
 私は、ボランティアの何たるかも良く知らずに過ごしてきた。今までは寄付行為を通じて、ボランティアに協力してきたようなつもりでいた。ズバリ、「自立の支援」であると聞いて、目から鱗が落ちた。障害者への支援もあれば、植林を通じての、外国への支援もある。また、障害者とは、体のどこかに障害があれば障害者だという。脳に障害がある者も、眼鏡をかけている者も障害者。納得だ。
 障害者に対するボランティアの役割は、甘えだけの人生を捨てさせ、本当に自立できるよう支援することだという。岡氏は、車椅子の障害者が自立するまでの彼とのやりとり、心の葛藤を話してくれた。まさに戦いであり、真剣勝負であることが、ひしひしと伝わってくる。厳しく突き放す勇気、これこそ本当の愛情なのだろう。話を聞きながら、我が身に起こる諸事とダブらせて考えてしまう。
 「自立の支援」、何か、我々の仕事にも相通じるものがありそうである。

<変 化>


 昨年の今頃だっただろうか、企業格付けとか、自己査定と言う問題を盛んに取り上げた。研修会も実施した。自分の会社を金融機関がどう評価しているのか、都銀、地銀、信用金庫、信用組合各々の標準システムで自己査定してみた。
 今や、各金融機関は、金融検査マニュアルに従って、全取引先の自己査定を実施済みである。なぜなら、自行の内容を正確に把握していないと、金融監督庁の検査により、大きな食い違いが生じて、自己資本比率が過小となれば、お取り潰しと行かないまでも、ただでは済まないからである。
 金融検査マニュアルでは、2期連続赤字企業は、再建のための事業計画書の提出を求められる。それを検討して、破綻先か否かを見極めることになる。だから、赤字だけど、うちは担保が沢山あるし、今までも融資をしてくれたから大丈夫なんて呑気なことを言っていられないのである。
 担保がなければ、不正融資になる。あって当然。その上で、業績が融資審査の重要なポイントとなる。通常は、営業利益ベ−スで、黒字か否かが問題となる。故に、景気が回復してくれればなあ、何てことを言ってはいられない。赤字なら、金融機関は、回収に入ってくるからである。
 金融機関を恨んでも始まらない。銀行は、潰れないという神話は、崩れた。銀行だって、甘い経営を続けたら潰れてしまう。その被害者は、預金者である。いずれにせよ、金融機関が今、大きく変っていることに、早く気がついて欲しい。

内容へ戻るメインページヘ


上 野 会 計 創 立 2 0 周 年 記 念 開 催


 平成11年9月18日土曜日、アピオにて上野会計創立20周年の記念行事を開催いたしました。当日は、1部 式典、2部 講演会(講師 鰍ネある 代表取締役 三室洋子先生)、3部 祝宴と3部構成にて執り行いました。 皆様より励まし、お褒めの言葉を多数戴き、このご厚情に上野会計一同心より感謝するとともに、これからも一層の努力を重ねて参ります。引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。
また、当日ご参集いただきました皆様に略儀ながらこの紙面をお借りして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。



 20周年に当たり、「雑感〜感謝を込めて〜」と「スタッフ紹介」を掲載したインフォメーション増刊号を作成いたしました。ご希望の方は輿石(055-241-7522)までご連絡ください。

内容へ戻るメインページヘ


連続書面添付申告関与先のご紹介


 書面添付の重要性をご理解いただき、3期以上連続して書面添付を実践された関与先の皆様に対してTKC全国会より表敬状が贈呈されましたのでご紹介いたします。
 また、今回は10期連続で書面添付申告を行われた 株式会社 穴水 代表取締役 穴水滋規様に対してTKC全国会より特別表敬状が贈呈され、当社20周年記念式典におきまして、この業績を讃え、特別表敬状と当社よりの記念品を贈呈させていただきましたので、その模様も合わせてご紹介いたします。

有限会社 イズ・クリエイティブ
3期連続書面添付申告

有限会社 穴水
10期連続書面添付申告

内容へ戻るメインページヘ


ご 報 告


 平成11年9月13日、TKC西東京山梨会主催による勉強会「秋季大学」が開催され、当社の乙黒智子がTKC上級試験合格者として表彰を受けました。この資格は巡回監査を行うためにの最上級の資格とされています。
 これにより当社の合格者は、功刀智明、乙黒謙一、乙黒智子と3名になり県内最多です。


内容へ戻るメインページヘ


情 報


再確認!! 贈与税


 先日、株取引を趣味としているAさんからこんな質問を受けました。

〜長年連れ添った妻に、私の持っている値上がりが期待できる上場株券時価1,000万円を贈与しようと思っています。この場合には贈与税がかかると聞いていますが贈与税とはどういう税金でいくら位でしょうか?〜

 「贈与」とはただで物をあげること。つまり無償による財産の移転をいいます。この「贈与」という行為に対して課税される税金が贈与税で、「無償」ということから一番高い税金となっています。
 さらにAさんの話を詳しく聞くと、定年退職をしたAさんが今までの妻の内助の功に報いるために何か感謝の気持ちを表したいとのこと。しかし、妻の「今までの功労に報いるため」という趣旨から考えると、この贈与の方法はあまり得策とはいえません。なぜならば、他にもっと合理的で税金の負担が少なくなる方法があるからです。
 例えば、贈与税は1年間を通算して贈与で得た財産に対し課税するという暦年単位課税をとっています。そして、贈与で得た財産額の総額が60万円以下なら贈与税はかからないという基礎控除があります。つまり、一度に贈与するのではなく、毎年60万円の基礎控除を利用しながら計画的に贈与を繰り返した方が贈与税の負担は軽減できるのです。

    具体的には、Aさんが上記株券を一度に贈与すると贈与税は
    (1,000万円−60万円)×45%−140万円=283万円
             (基礎控除)  (税率)

    となりますが、毎年100万円ずつ、現金で10年間贈与すると贈与税の総額は、
      {(100万円−60万円)×10%}×10年=40万円
              (基礎控除) (税率)

 となり、総額は同じ1,000万円の贈与でも243万円の贈与税額を減らすことができます。
 前述した基礎控除を活用する方法のほかに配偶者に対する一定の贈与については特別の優遇規定が設けられています。
 これは、「贈与税の配偶者特別控除」という規定で長年連れ添った妻の功労に報い、妻の老後の生活を保障する趣旨で、以下の適用要件を満たす資産の贈与額から、2,000万円まで(控除不足額は切り捨て)が控除されるというものです。つまり、この規定を活用すればその贈与のあった年では基礎控除と合わせて2,060万円までは贈与税が課税されないことになります。


    ┌─贈与税の配偶者特別控除の適用要件─────────────┐
    │1.その夫婦の婚姻期間が20年以上であること。            │
    │2.贈与財産が国内にある居住用不動産または居住用不動産を  │
    │  取得するための金銭であること。(家屋の増築も含まれます)│
    │3.贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与を受けた居住  │
    │  用不動産に居住し、その後も引き続いて居住する見込みである│
    │    こと。                                                 │
    │4.申告期限までに一定の書類を添付した確定申告書を提出す  │
    │  ること。                                               │
    └──────────────────────────────┘
 前述したAさんの場合には、上場株券を贈与する代わりに居住用不動産の持分贈与をするほうが税務上得策だということになります。

 具体的には、贈与税の配偶者特別控除の最大利用枠と基礎控除を活かして居住用不動産の内、2,060万円分を持分贈与したとします。そうすると

  (2,060万円 − 2,000万円 − 60万円) = 0円
         (配偶者特別控除)(基礎控除)
 となり、贈与税の負担無く、妻に財産を移転することができるのです。

 贈与税は、贈与する時期や財産・方法によっても大きく変わってくるものです。皆様も一度、贈与について考えられては如何でしょうか。

(担当:田原・田中)

内容へ戻るメインページヘ


シリーズ ビッグバン


動き出した確定拠出年金!

 確定拠出型年金については、現在具体的な基本案を自民党・厚生省などがまとめている段階です。予定では、今年12月までに税制上の措置まで決定し、来年2月の通常国会に法案を提出して、平成12年10月から施行されることになっています。確定拠出型年金は運用実績が好調ならば多額の年金を受け取ることができますが、その反面、すべてのリスクを加入者自身が負わなければならないという特徴の、新しい年金です。今月はこの確定拠出型年金に迫ってみたいと思います。

現在の年金制度「確定給付型年金」
 現在の日本の年金制度は、下図1の通り4階建てになっています。この中で1階2階部分がいわゆる公的年金と呼ばれている国民年金と厚生年金等の部分で、3階は各企業で行っている企業年金、4階は自助努力でまかなう個人年金という仕組みになっています。
 これらの年金の受取額について日本では「確定給付型」を採用しています。確定給付型とはあらかじめ予定運用利回りを決めて、その結果、将来受取るべき年金額を確定させるというものです。あらかじめ給付額を確定しているので「確定給付型年金」と呼ばれています。
 しかし、近年の景気低迷を受けて資産運用がうまくいかず、予定利回りが確保出来なくなったことや、少子・高齢化に伴う現役世代の厳しい年金情勢の解決策の1つとして新しい給付制度への移行が検討されていました。

新しいカタチ「確定拠出型年金」
 そこで新しい年金給付の案として浮上してきたのが「確定拠出型」です。現在の年金制度のうち、1階2階部分の公的年金は確定給付型のままですが、3階部分の企業年金の一部が、確定拠出型の導入対象として検討されています。確定拠出型とは、各人ごとに一定の基準で掛け金を定めておき、その掛け金の元利と運用で将来受け取る年金の額が決まるというものです。この場合、将来いくら受け取れるかは分かりませんが、掛け金は個人ごとに確定しているので「確定拠出型年金」と呼ばれています。新しい年金制度導入後の仕組みは下図2の通りです。


<確定拠出型年金のタイプ>
確定拠出型年金には、企業拠出型と個人拠出型の2種類があります。

企業拠出型
 企業が企業拠出型年金を導入する際には、労使合意に基づいて、加入対象者、運用商品の範囲、支給条件などを定めた「確定拠出型年金規約」を設定し、厚生大臣の承認を受けなければなりません。そこで、この年金規約を定めた企業の従業員は、すべて制度の加入者となります。

個人拠出型
 個人拠出型は、勤める企業が拠出してくれない会社員や自営業者、専業主婦などが申請により加入することが出来ます。実際に加入するかしないかは、本人が決めることになります。ただし、国民年金の保険料を滞納している人は、加入することが出来ません。

 年金については相互扶助の大原則のもと、ますます現役世代の負担増が予想されます。この「確定拠出型年金」が今後の厳しい年金情勢の中、具体的にどういった役割を担うか、今後の動向が注目されています。

(担当:大森・井上)

内容へ戻るメインページヘ


シリーズ『社長になろうと思ったとき!』


第33回 巡回監査報告書 Part3


 前回の勉強会では、巡回監査報告書の証憑書類事項と伝票事項について勉強した友達ですが、今回は巡回監査報告書の勘定科目の内容について先輩の所に勉強に来たようです。

友達「前回は、巡回監査報告書の証憑書類と伝票の内容について教えても    らいましたが、今日は勘定科目についての説明ですよね。」    先輩「そうだね。今日からは巡回監査報告書の中で最も重要である勘定科    目の内容が記載してある『科目別事項』の内容について説明するよ。    科目別事項については重要な内容をすべて勉強していくことにしよ    う。ところで君の会社の現金管理はバッチリかな?」       友達「経理担当者に任せていますから大丈夫なはずですけど・・・」   先輩「心配だねえ。いいかい、科目別事項の一番最初には次のような文面    が書かれているんだ。」                    ┌───────────────────────────────┐ │(1)現金の日々の残高は、残高表または日報等で正確に把握し  │ │   ていることを確かめたか。                │ └───────────────────────────────┘ 先輩「現金商売だけではなく、すべての業種でそうだけど、最終的には仕    事の結果が現金となって返ってくるだろ。要するに、現金管理は経    営・経理の基本であり最も重要なことだぞ。それから、君の会社も    青色申告をしているけど、現金の出納に関する帳簿は青色申告の帳    簿備え付け要件のひとつでもあるんだぞ。」           友達「そうなのですか。私も経理担当者に任せっきりで手を抜いていまし    た。これからは、手元にある日々の現金残高と帳簿の残高の確認を    行い、差額があればその理由を調べさせていきます。」      先輩「そうだね。現金管理は不正防止や防犯の徹底にもつながるから日々    の残高を紙幣と硬貨に分けて記入し残高を把握する金種表を上手に    使い、現金管理をしっかりするといいよ。それから、現金支出と領    収書等とを照合して不明な支出や持ち出しがないかしっかり確認す    る癖もつけた方がいいよ。」                  友達「はい。わかりました。」                    先輩「じゃあ、次に普通預金について説明するよ。まずは、この文面を見    てくれ。」                          ┌───────────────────────────────┐ │(2)普通預金通帳の余白には、備忘のためのメモを書いておく  │ │   ように指導したか。                   │ └───────────────────────────────┘ 友達「伝票に取引内容や詳細が書いてあるのですから、特別通帳にメモを    書かなくても良いのではないでしょうか?」           先輩「確かに伝票にしっかりと記入してあれば問題はないのだけど、取引    の内容を探すときに、伝票箱から探すより、通帳を見たほうが素早    く、そして確実に内容がわかるだろ。それに預金出納帳の代用書類    としてこのメモが税務調査時に役に立ち、事実を証明できた案件も    あるんだぞ。」                        先輩「なるほど。確かに伝票を探すより早いですし、預金元帳の代用とし    て早速通帳にもメモを書くようにします。」           先輩「そうだね。通帳は身近に使っているものであり、現金等の支出や取    引内容が簡単に分かるものだから有効に活用しなきゃね。じゃあ、    今日はここまでにしよう。」                 

 「貴社の現金管理は完璧ですか?」もし、現金管理ができていないとしたら資金繰り計画も完璧なものにはなりません。現金管理は経営・経理の基本であるとともに当事務所が力を注いでいる書面添付申告の要件でもあります。この機会に監査担当者と現金管理の徹底及び見直しを行いましょう。次回は受取手形に関する事項について勉強します。

(担当:山本大吾)

内容へ戻る


メインページヘ